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活性炭【かっせいたん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

活性炭
かっせいたん
active carbon
特別な処理により吸着力を強くした木材ヤシ,牛,血,褐炭泥炭などを原料とし,炭化,活性化してつくる。木炭の3~7倍の表面積をもつ。脱臭剤吸着剤浄水,ガス精製に用いられる。原子力発電所では事故にそなえて活性炭フィルタを用意している。また通常時でも放射性キセノン放出量抑制のため活性炭吸着塔を備えている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かっせい‐たん〔クワツセイ‐〕【活性炭】
吸着能力を強めた炭素物質。木炭・ヤシ殻などを焼成・炭化し、細孔をもつ構造を発達させて多孔質としたもの。臭気色素などをよく吸着する。脱臭脱色・精製・浄水などに用いる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

活性炭
 表面積の大きい多孔性炭素で,工場,家庭などで脱色,脱水,浄水などに広く用いられている.多くの物質を吸着しやすい形の炭素,いわゆる炭.動物の骨を炭化したり,木炭を高圧水蒸気や薬品で処理して作る.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

かっせいたん【活性炭 activated carbon】
特別に〈賦活〉と呼ばれる処理をして,内部に無数の小さい孔を発達させた炭素で,吸着剤としての能力が非常に高い。原料物質は木材,ヤシ殻,石炭(歴青炭,褐炭,亜炭),石油ピッチ等であり,一般に高温で炭化してから,水蒸気等により一部ガス化して微細孔を作り出す賦活法と,脱水・炭化を促進する薬品と混合して焼成後薬品を除く賦活法がある。このように製法,原料に差異はあるが,いずれも内部表面積は1000m2/gあるいはそれ以上に達し,表面構造は主としてグラファイト様の炭素骨格から成っていると考えられる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

活性炭
かっせいたん
active carbon

色素やガスなどに対して強い吸着能を有する黒色をした炭素質物質。無定形ないしは微結晶状の炭素からできており、直径が50ナノメートル以下の細孔の発達していることが特徴である。細孔の占める容積は1グラム当り0.6~0.8立方センチメートルにも及ぶ。多数の細孔が形成する内部表面積は、すべての多孔体物質中でももっとも大きい。1グラム当り500~1500平方メートルに達するものもある。活性炭が色素やガスを吸着する能力は、このような多数の細孔が存在し、かつその内部表面が、酸素、水素、窒素、硫黄(いおう)、ハロゲンなどが炭素と結合した錯化合物を形成しているからである。ヤシ殻からつくった活性炭1グラムは0℃、1気圧の水素を2000ミリリットルも吸着する。吸着される分子は、まず活性炭の比較的大きな孔(あな)の通路を通って、吸着能のある2ナノメートル以下の多数の細孔の表面に捕捉(ほそく)されると考えられる。どのようなものを吸着するかによって細孔径の分布を調整する必要がある。すなわち色素のように大きな分子のものは大きな細孔を、ガスのように小さい分子には小さな細孔を多く有する活性炭が吸着効果が大きい。活性炭は物理的にも化学的にも安定で、耐酸、耐アルカリ性で、各種有機溶剤にも不溶である。

[真田雄三]

製法

工業的には木炭、木材、のこくず、ヤシ殻、パルプ廃液、リグニン、石炭類(亜炭、褐炭、瀝青炭(れきせいたん)、無煙炭)、泥炭(でいたん)、ピッチ、石油コークス、セルロースなどを原料として製造する。製法は、原料を焼成、炭化賦活(ふかつ)、精製の順に行う。賦活とは10~100ナノメートルぐらいの孔隙(こうげき)中に含まれる炭化水素の酸化除去、内部炭素の選択的燃焼により、虫食い状に孔をあけて孔隙構造を発達させることをいう。製品の形状として粉末状と粒状とがある。賦活法にはガス賦活法と薬品賦活法とがある。ガス賦活法は木炭、瀝青炭、コークスを600℃程度で焼成、炭化し、ついで水蒸気、炭酸ガス、空気などを800~1000℃で流してやり賦活する。ガス賦活には原料をあらかじめ成形しておく必要がある。成形物がくっつき合うのを防止するのにアルミナ、塩化アルミナ、酸化銅を散布することがある。薬品賦活法は塩化亜鉛のほかマグネシウム、スズ、アルミニウム、カルシウムなどの塩化物、生石灰、硫酸、リン酸、二酸化硫黄などを作用させる方法で、このうち塩化亜鉛法がもっとも普及している。泥炭、木材などの脱水されやすい原料を粉末にして塩化亜鉛、リン酸などの濃厚な水溶液をしみ込ませ、乾燥し、500~700℃で焼成と賦活を同時に行い、原料中の炭水化物を水の形で取り除き、活性の高い炭素を得る方法である。

[真田雄三]

用途

粉末状活性炭は液相での使用が多く、油脂、ゴム、染料、砂糖、グルタミン酸工業で脱臭、脱色、精製用に用い、一般に使い捨てである。粒状活性炭は2~5ミリメートルの円筒形、球形のものと、4~100メッシュ(ふるい目の大きさ4.760~0.149ミリメートル)の破砕炭とがあり、粉状のものと同じ用途のほか、気相で溶剤回収、有毒ガス、粉塵(ふんじん)の除去に用いられる。浄水、家庭用や産業用の廃水処理、屎尿(しにょう)処理、排煙中の二酸化硫黄、酸化窒素などの除去など公害防止用には、吸着後再生使用する。このほか触媒担体、分子ふるいなど特殊な活性炭も製造されている。

[真田雄三]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かっせい‐たん クヮッセイ‥【活性炭】
〘名〙 気体や液体に含まれている物質を吸着する能力の大きい炭。無定形炭素を主成分とする黒色の微粉末または粒状物。脱色、脱臭、脱味、溶剤回収、空気浄化、浄水などに用いられる。
※追われる女(1953‐54)〈平林たい子〉ジョセフィン号「活性炭とクロロホルムをたくさん使って」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

活性炭
カッセイタン
active carbon, activated charcoal

比表面積が大きく,高い吸着能を示す炭素質物質.少量の水素,酸素,無機成分を含むほかは,グラファイト(黒鉛)状の平面結晶子が複雑に組み合わされた無定形炭素からなり,多孔質である.そのため,かさ密度は低く0.3 g cm-3 程度.平均細孔半径は1~2 nm,比表面積は800~1500 m2 g-1 である.木炭,やし殻,のこぎりくずなどの木質あるいは石炭などを原料として活性化(賦活)する.賦活法には,
(1)まず炭化したのち,1000 ℃ 程度の高温で水蒸気と反応させる方法(水蒸気賦活),
(2)原料に塩化亜鉛などの水溶液を含浸させてから,500~700 ℃ 程度に加熱焼成する方法(薬品賦活),
があるが,前者が大部分である.用途により形状が異なるが,粉末,粉末をタールなどの粘結剤により成形してから賦活した造粒炭,木炭,やし殻などの破砕炭がある.活性炭は疎水性吸着剤で水よりも油分を強く吸着させ,また電子受容体としてハロゲンを吸着させる.粉末炭は各種の液相脱色,脱臭精製に用いられ,造粒炭は溶剤回収などの気相吸着に用いられるほか,塩化ビニル,酢酸ビニル合成触媒の担体や,貴金属触媒の担体として用いられる.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
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