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流氷【りゅうひょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

流氷
りゅうひょう
pack ice; drift ice
定着氷を除く海氷総称浮氷ともいう。個々の氷塊 10m以上の氷盤と氷板に区分され,さらに前者は径 200m,1km,10kmをにして小氷盤,中氷盤,大氷盤,巨氷盤に細分される。また集合体としては密集度により氷量 3/10,6/10,9/10を境にして開流氷,粗流氷,密流氷,最密流氷などに区分される。広義には陸氷に由来する氷岩氷山を含めるが,混乱を避けて,海氷源のものに限定して使用することもある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

流氷
風や海流によって漂流する海氷で、日本は最も低緯度でみることができる。流氷を初めて見た日が流氷初日(北海道紋別市の平年値は1月22日)、春に流氷が海岸から離れ、視界内の半分以下の量となって、沿岸水路ができた最初の日が海明け(同3月16日)。稚内では2006年4月5日、平年より2カ月遅れで史上最も遅い流氷初日を観測
(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

りゅう‐ひょう〔リウ‐〕【流氷】
寒帯地方で氷結した海水が風や波のために砕かれて氷塊となり、凍っていない海へ漂流してくるもの。北海道のオホーツク海沿では1月中旬~4月中旬ごろ見られる。 春》「―や宗谷の門波(となみ)荒れやまず/誓子」→定着氷

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海の事典

流氷
海上を漂流している海氷を流氷という。パックアイスとも呼ぶ。これに対して、海岸や氷河壁等に定着している海氷を定着氷という。流氷はその塊の大きさによ り板氷、小・中・大・巨氷盤に分類され、視野いっぱいに広がっている流氷を流氷野という。 (永田

出典:(財)日本水路協会 海洋情報研究センター
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世界大百科事典 第2版

りゅうひょう【流氷 pack ice】
岸から離れて漂っている海氷。これに対して陸続きに接岸して動かない海氷を定着氷fast iceという。定着氷は沿岸域に限られるから,世界の海の面積の1割に及ぶ海氷域の大半は,流氷で占められている。流氷は風や海流の力を受けて海面を漂流するが,動き始めると氷盤どうしの衝突力やコリオリの力などが加わる。海流が強くない海域での流氷の動きを平均的にみると,風速のおよそ1/50の速さで風下から約30度右(南半球では左)に偏って流れ,天気図の等圧線にほぼ沿って流れることが知られている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

流氷
りゅうひょう

風や海流などの影響で漂流している海氷。英語ではドリフトアイスdrift iceと総称するが、氷塊の密集度が10分の7以上の流氷域には、パックアイスpack iceも用いられる。形や分布はさまざまである。これに対し、海岸に固着している海氷は定着氷とよばれる。風による流氷の動きは、おおむね風速の40分の1の速さであるが、氷の形や密集状態によってかなりの違いがあり、氷の表面に起伏が多く、またばらついた流氷ほど速く動く。

 オホーツク海では、平均的には10月末ころ北部沿岸で結氷が始まり、厚さを増しながら結氷域を広げる。これらは季節風や海流によって南方に運ばれ、1月なかばには流氷となって北海道沿岸に現れる。流氷域はしだいに広がって3月上旬に最盛期となり、オホーツク海の約80%が流氷に覆われる。流氷の勢力の強い年には、根室海峡や千島列島の海峡を通って太平洋側に流れ出て釧路(くしろ)沖に、ときには襟裳(えりも)岬を回って日高沿岸にも及ぶことがある。また、宗谷海峡から日本海に出て、利尻(りしり)、礼文(れぶん)島に延びることがある。3月なかばになると気温の上昇も目だち、氷盤は分裂、融解して、氷域は到来期と逆方向に縮小し、北海道沿岸では、だいたい4月上旬にはみられなくなり、オホーツク海北部も6月なかばには消滅する。しかし、氷域の変化の速さや氷量は年によって異なる。北海道周辺は本格的な流氷がみられる世界でもっとも緯度の低い海域である。

 流氷による海難事故としては、日本では1970年(昭和45)3月17日の択捉(えとろふ)島、単冠(ひとかっぷ)湾における集団遭難(流氷襲来、8隻沈没座礁、30人死亡・行方不明)が最大である。

[赤川正臣]

『菊地慶一著『白いオホーツク――流氷の海の記録』(1973・創映出版)』『田畑忠司著『北海道の自然7 流氷』(1978・北海道新聞社)』『菊地慶一・山崎猛著『流氷の世界』(1982・岩崎書店)』『新妻昭夫・石井英二・NHK釧路放送局取材班著『流氷が連れてきた動物たち』(1987・日本放送出版協会)』『菊地慶一著『オホーツク流氷物語』(1987・共同文化社)』『青田昌秋編『オホーツク海と流氷』(1989・北方圏国際シンポジウム「オホーツク海と流氷」実行委員会)』『オホーツク流氷研究会編・刊『オホーツク海の流氷と人間生活とのかかわりに関する研究』(1989)』『中村圭三著『流氷の来る街』(1992・古今書院)』『青田昌秋著『白い海、凍る海――オホーツク海のふしぎ』(1993・東海大学出版会)』『小疇尚・福田正己・石城謙吉・酒井昭・佐久間敏雄ほか編『日本の自然 地域編1 北海道』(1994・岩波書店)』『水文・水資源学会編集出版委員会編『積雪寒冷地の水文・水資源』(1998・信山社サイテック、大学図書発売)』『菊地慶一著『ドキュメント流氷くる!』(2000・共同文化社)』『菊地慶一著『オホーツク氷岬紀行――流氷の海と58の灯台』(2001・共同文化社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

りゅう‐ひょう リウ‥【流氷】
〘名〙 海上を漂流する海氷。高緯度地方の海面を覆う氷が割れて流れ出したもの。《季・春》
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「瑞典に航せんことを謀りたれども流氷の時にて中止せり」 〔張翥‐送涂茂才北遊詩〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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