●海王星【かいおうせい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
海王星
かいおうせい
Neptune
1989年無人探査機ボイジャー2号(→ボイジャー)の観測により海王星に関するより詳しい事実が判明した。海王星の表面には秒速 300mをこえる風が吹いており,南半球には巨大な大黒斑があって大気活動は天王星よりも木星に近いと考えられる。衛星については地上からの観測で判明していたトリトンとネレイドの 2個以外に新たに 11個の衛星が発見された。トリトンは 13個の衛星中最大のもので,地球の月とほとんど同じくらいの大きさがあるが,ほかの衛星は直径で 58kmから 4416kmまでの大きさで,不規則な外形をしており表面は非常に暗い。また海王星には少なくとも四つの環が周囲を取り囲んでいることが明らかになった。これらの環はほとんどが塵ほどの大きさの粒子で構成されているが,いちばん外側の環を構成する粒子の分布は均一ではなく,ほかの部分より高密度の明るい弧状をした領域が 5ヵ所あることが確認されている。
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知恵蔵
海王星
(土佐誠 東北大学教授 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
デジタル大辞泉
かいおう‐せい〔カイワウ‐〕【海王星】
[補説](衛星)トリトン、ネレイド、ナイアッド、タラッサ、デスピナ、ガラテア、ラリッサ、プロテウス、ハリメデ、プサマテ、サオ、ラオメデイア、ネソ
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占い用語集
海王星
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世界大百科事典 第2版
かいおうせい【海王星 Neptune】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
海王星
かいおうせい
Neptune
太陽系の内側から数えて8番目の大惑星。1781年に天王星が発見されたあと、天王星の運動が研究されたが、予測と観測値の間にしだいに大きなずれが生じてきた。これは、天王星の外側にさらに未知の惑星があって、その引力が天王星の運動に影響を及ぼしているのではないかと考えられた。イギリスのアダムズとフランスのルベリエはこの考えのもとに研究を進め、それぞれ独立に未知惑星の予測位置を求めたが、ルベリエの予測に従ってベルリン大学のガルレはただちに観測を行い、1846年9月23日にその新惑星を発見した。
海王星の太陽からの平均距離は30.1104天文単位、すなわち45億0440万キロメートルほどで、公転周期は164.774年である。地球から見た明るさはもっとも明るいときで7.8等星なので、望遠鏡がないと見ることができない。視半径は1.17秒で、大望遠鏡でも小さな青みがかった球に見えるだけで、表面の模様などはほとんどわからない。
実際の直径は4万9528キロメートルで、地球の約4倍、天王星よりわずかに小さいが、質量は地球の17.15倍で天王星より少し大きい。密度は1.64と小さく、木星型の惑星に属する。自転周期は16.1時間、赤道傾斜角は27.8度である。
海王星の内部構造は理論的に3層からなると考えられ、中心にはおもに鉄やケイ素からなる核があり、その周りには水やメタンやアンモニアの液体でできたマントルがあり、最上部を水素やヘリウムのガスが厚く覆っていると思われる。大気のスペクトル観測では水素やメタンが観測されているが、アンモニアがみいだされないのは液体となって深く沈降しているためと思われる。表面温度は零下220℃ほどと求められているが、中心の温度はおよそ7000℃と推定されている。
海王星には複数の衛星があるが、ここでは1846年にラッセルが発見したトリトンTriton、1949年にカイパーが発見したネレイドNereidについて述べる。トリトンは直径約2700キロメートルの大衛星で、海王星から平均35万5000キロメートルほどのところを5.8768日で公転している。この衛星の軌道面は海王星の軌道面と約160度も傾いており、いわゆる逆行衛星であるが、このような大衛星が逆回りをしているのは他に例がない。ネレイドは直径340キロメートルくらいの小さな衛星で、海王星からの平均距離は556万キロメートルであるが、離心率が0.75という非常に細長い楕円(だえん)軌道で、359.9日の周期で順行(軌道傾斜6.7度)の公転をしている。このほかに1989年アメリカの惑星探査機ボイジャー2号が六つ(ナイアドNaiad、タラッサThalassa、デスポイナDespina、ガラテアGalatea、ラリッサLarissa、プロテウスProteus)、2003年アメリカのハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターとカナダ国家研究会議が地上望遠鏡で三つの衛星を発見している。
[村山定男]
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精選版 日本国語大辞典
かいおう‐せい カイワウ‥【海王星】
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