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消化性潰瘍【しょうかせいかいよう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

消化性潰瘍
しょうかせいかいよう
peptic ulcer
胃液中の塩酸ペプシンの増加,粘膜の防御因子の低下などによって胃と十二指腸の粘膜が侵され,潰瘍が形成されるもので,胃潰瘍十二指腸潰瘍が含まれる。自己消化がその第一原因と考えられることから,この名がつけられた。胃痛,ことにみぞおちと背中に放散する痛み,吐き気などの自覚症状と,便中の潜血,造影剤によるX線写真,胃カメラの検査などにより診断を確定する。軽ければ制酸剤など,また程度に応じては各種トランキライザを投与するほか,手術を必要とすることもある。原因は各種ストレス,ことに感情ストレスの影響が強いという意見が多い。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しょうかせい‐かいよう〔セウクワセイクワイヤウ〕【消化性潰瘍】
胃液が粘膜を消化するために起こる潰瘍。胃潰瘍十二指腸潰瘍のこと。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

消化性潰瘍
 自ら消化酵素によって自らの消化管の一部である上皮などが消化されて生じる潰瘍.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

しょうかせいかいよう【消化性潰瘍 peptic ulcer】
胃液の消化作用がおもな原因となって発生する潰瘍をいう。発生部位は胃および十二指腸で,消化性胃潰瘍,消化性十二指腸潰瘍と呼ぶ。両者を併せ,単に消化性潰瘍とも呼ばれている。1879年クビンケH.I.Quinkeの提唱した名称。胃液分泌がない場合や胃酸が中和される部位(小腸大腸)には消化性潰瘍はない。発生原因が明確な結核性潰瘍,梅毒性潰瘍,癌性潰瘍などは,胃や十二指腸に発生しても特殊潰瘍として消化性潰瘍から区別されている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

消化性潰瘍
しょうかせいかいよう
peptic ulcer

胃液にさらされている範囲内の消化管壁の組織の欠損で、一般には胃潰瘍と十二指腸潰瘍をいう。

[高橋 淳]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しょうかせい‐かいよう セウクヮクヮイヤウ【消化性潰瘍】
〘名〙 胃液によって、胃や十二指腸の粘膜が消化されることにより生ずる潰瘍。嘔吐、食欲不振、吐血、下血などの症状をきたす。〔薬の効用(1964)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)
しょうかせいかいよう(い・じゅうにしちょうかいよう)
Peptic ulcer (Gastroduodenal ulcer)
(子どもの病気)

どんな病気か

 消化性潰瘍とは、何らかの原因で胃・十二指腸の粘膜が深く損傷した状態になっていることをいいます。近年、子どもの領域でも内視鏡検査が普及してきたことにより、確定診断されるケースが少なくありません。

 また、ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)感染が、消化性潰瘍の一因であることがわかってきています。胃潰瘍の多くはピロリ菌陰性の急性潰瘍で6歳以下に、十二指腸潰瘍の多くはピロリ菌陽性の慢性潰瘍で10歳以上に多い傾向があります。

原因は何か

 原因はピロリ菌陽性と陰性によって2つに分けられます。陽性例では、ピロリ菌の持続感染による潰瘍であり、陰性例では、ストレス性、鎮痛薬やステロイド薬による薬物性、好酸球性(こうさんきゅうせい)胃腸炎、メネトリエ病のほかに、クローン病、非常にまれですがゾリンジャー・エリスン症候群などが原因として考えられます。

症状の現れ方

 胃潰瘍は急性潰瘍が多く、突然症状が現れます。それ以外は胃潰瘍、十二指腸潰瘍とも類似の症状を示し、両者の区別は症状だけからは困難です。両者とも腹痛、吐き気、嘔吐、吐血やタール便を伴います。乳幼児では大量吐血をしたり、腸に(あな)があき(腸管穿孔(せんこう))、緊急手術になることもあります。

 一般に十二指腸潰瘍は、空腹時の腹痛を訴えますが、食事をとると軽減します。多くはみぞおち周囲からやや右よりを痛がります。嘔吐や貧血を伴うこともあります。

検査と診断

 前記の症状から消化性潰瘍が強く疑われる場合は、上部消化管内視鏡検査が極めて有用ですが、子どもの内視鏡が可能な施設は限られているのが現状です。造影検査も行われますが、子どもの潰瘍は浅く、診断がつかないことがあります。

 ピロリ菌感染の検索は、内視鏡で採取した粘膜の病理組織検査、培養などのほかに、血清抗体や尿素呼気(にょうそこき)試験の結果を用いて診断します。

治療の方法

 出血がひどい場合は緊急内視鏡で止血し、必要であれば輸血をします。内視鏡的に止血が困難な場合や腸管穿孔を来した場合は、外科手術の適応となります。そのような合併症がなければ、予後は良好です。

 治療の中心は、酸分泌抑制薬(H2ブロッカーなど)です。ピロリ菌が陽性であった場合は、再発を防ぐ目的で、3種類の内服薬による除菌療法を行うことがあります。近年は薬剤耐性をもつピロリ菌も増えてきており、治療開始前に内視鏡検査を行って治療薬を決定することが必要です。20%程度に下痢や味覚異常などの副作用があり、治療が不完全だとその後の除菌が困難になるため、専門医による治療が必要です。

 5歳以上の子どもでは、除菌成功後の潰瘍再発率は2~3%と、ほとんどありません。

病気に気づいたらどうする

 胃・十二指腸潰瘍というと、成人の病気という先入観がありますが、新生児から思春期までのどの年齢層でも起こりえます。吐血やタール便がみられたらもちろんのこと、腹痛が続く場合も小児科医の診察を受けることが必要です。

春名 英典

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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