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消毒【しょうどく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

消毒
しょうどく
antisepsis
病原微生物を死滅させ,感染を防止することをいう。このために使用する薬剤消毒薬と呼ぶ。古くは石炭酸昇汞などが代表的であった。消薬は使用目的によって,皮膚粘膜刺激の少いもの,多少刺激が強くても消毒力の強いもの (手術時の消毒など) ,皮膚の刺激とは無関係に消毒力の強いもの (器具の消毒など) が選択される。これに対して無菌法 asepsisとは,腐敗や病気の原因となる微生物が存在しない状態にすることで,器具の場合,煮沸消毒が最も簡単な方法である。この技術は,手術など医学上の必要から発達し,今日では,研究のために動物を無の状態で飼育する無菌管理も可能となった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しょう‐どく〔セウ‐〕【消毒】
[名](スル)薬品・熱・紫外線などによって、病原菌を殺すこと。「食器消毒する」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

消毒
 細菌による感染を防ぐために,原因となる菌を殺す操作処置

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

しょうどく【消毒 disinfection】
病原微生物と考えられるものを不活化したり,除去したり,希釈したり,土中に埋めたりして,われわれの生活の場に再び帰ってこないように処理し感染を防止することを消毒という。医学史上消毒法は,J.リスター(1827‐1912)が1960年代に外科学で初めて用い,のちコッホが伝染病に応用したのに始まるとされる。〈消毒〉という日本語は,〈毒〉が病気の原因であり,毒を消すことが病気の予防であるという考え方のなごりである。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

消毒
しょうどく

病原体を身体の外部で理学的あるいは化学的手段で直接に殺すことをいい、医療や研究のため、微生物を扱う場合、消毒と滅菌はもっともたいせつな基本的技術である。なお「滅菌」とは、病原体・非病原体を問わず、すべての微生物の増殖能力を死滅させることをいい、「殺菌」もほぼ滅菌と同義語に用いられるが、前者が物品を対象として用いられるのに対し、「殺菌」では微生物自体を直接の対象とするのが普通である。たとえば、ガーゼの滅菌、結核菌の殺菌というように用いられる。また「消毒」とは、微生物を死滅させるか、その発育を阻止して食物の分解腐敗を防ぐことであり、「清浄(クリーニング)」とは、病原体、あるいは病原体が生存したり毒力を保つために有利な有機物を、熱湯、せっけん、洗剤で洗ったり、こすったりするか、真空掃除器で表面から除去することであり、いずれも感染菌量を減少させ、あるいはそれを発病量以下に抑える点で重要な意義をもつ。

[春日 齊]

理学的消毒法

熱がもっとも多く用いられ、紫外線、放射線(γ(ガンマ)線)も応用される。濾過(ろか)法は微生物除去に有効であり、安全な水、空気の供給に用いられる。

〔1〕熱 (1)焼却処理。ヒトおよび動物の死体のほか、紙や布などに用いる。(2)乾熱滅菌法。通常は実験器具・医療器具などガラス類に用いられ、160~180℃・1~2時間で滅菌できる。(3)煮沸消毒。食器、小形の布など、日常もっとも用いられるもので、100℃・15分間で芽胞を除くほとんどの微生物を殺菌できる。(4)高圧蒸気滅菌法。1気圧・高温(121℃)で蒸気滅菌を行うもので、芽胞も死滅させる。確実・安全な滅菌法として、病院などで広く用いられているが、高温で変質するものや、粉末、油などの滅菌には不適である。

〔2〕紫外線・放射線 寝具、書物などの日光消毒の殺菌効果は紫外線によるものであって、空中や表面に存在するほとんどの微生物に対して有効であるが、線量は距離の2乗に反比例して弱くなり、影の部分では無効となる。なお、日本では1972年(昭和47)から一部の食品の放射線照射が認められている。

〔3〕濾過法 濾過効率の高い繊維フィルターを利用する。製品の発達によって、ほとんどすべての浮遊微生物が濾過できるようになり、病室、手術室の排気や各種滅菌室に利用されている。

[春日 齊]

化学的消毒法

いわゆる消毒薬を用いて殺菌するもので、界面活性剤、ハロゲンおよびその化合物、アルコール類、ガス状で作用する薬品など多くのものがある。

〔1〕クレゾールせっけん水 通常の細菌に用いられるが、芽胞やウイルスには無効である。

〔2〕界面活性剤 逆性せっけんと両性界面活性剤があるが、両者とも芽胞には無効で、ウイルスに対しても種類によって効果が一定していない。

〔3〕ハロゲン系消毒薬 さらし粉、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系と、ヨウ素と界面活性剤などの混合物がある。遊離塩素で殺菌する塩素系は、細菌や芽胞、ウイルスには有効であるが、結核菌には効果が少ない。ヨウ素系は、ほとんどすべての微生物に有効とされる。

〔4〕アルコール類 エタノール(エチルアルコール)とイソプロパノール(イソプロピルアルコール)があり、エタノールは70%溶液が用いられる。結核菌をはじめ、ほとんどすべての細菌、ウイルス、リケッチアに有効であるが、芽胞には無効である。

〔5〕ガス状で作用するもの ホルムアルデヒドとエチレンオキシドが用いられる。ホルムアルデヒド・ガスは、ホルマリン水を加熱したり、ホルマリン水に過マンガン酸カリウムを投入して得られるもので、病室の燻蒸(くんじょう)などに利用される。エチレンオキシド・ガスは、沸点が低いため、比較的低温で作用させることができ、ガスの発散も早い。殺菌効果も前者より強いため、熱や湿気などに弱い物品の滅菌に適している。両者とも芽胞、ウイルス、結核菌を含めた大多数の微生物に有効で、近年はとくに多用されている。

〔6〕その他 石灰(石灰乳・煆製(かせい)石灰など)はきわめて安価で入手が容易なため、水路、どぶ、便池、建物など屋外の消毒に用いられる。クロル石灰の5%水溶液は井戸などの消毒に利用される。

 なお、かつては、伝染病予防法施行規則で法定消毒薬品および代用消毒薬品が指定されていたが、1999年(平成11)の伝染病予防法廃止に伴い、これら薬品の区別はなくなり、かわって厚生労働省から薬品使用のガイドラインが示されている。

 以上の方法は、対象とする物や病原微生物の種類によって適切なものを選ぶ必要があることはいうまでもない。なお、伝染病発生時の消毒は、感染者から排出される汚染物や、それと接触した器物をできるだけ速やかに消毒する「即時消毒」と、患者が死亡したり感染源でなくなったりしたあと、患者の使用した物品や病室などを消毒する「終末消毒」とに分けられる。

[春日 齊]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しょう‐どく セウ‥【消毒】
〘名〙 感染の予防などのために薬物や煮沸、焼却、日光などで病原菌を殺すこと。〔和英語林集成(再版)(1872)〕
※時事新報‐明治二三年(1890)九月二〇日「消毒其他の予防も十分に行届きたるを以て」

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