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混合経済【こんごうけいざい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

混合経済
こんごうけいざい
mixed economy
国民経済において民間部門公共部門がそれぞれ独自の機能を果しながら相互に補完し合って経済全体の機能の円滑化が維持されている状態をいい,現代資本主義経済の基本的特徴とされている。資本主義経済は本来市場における自由な競争を通じて効率的な経済活動が行われるところに制度上の大きなメリットがあると考えられるが,市場の機能には限界があり,外部効果の大きな公共財および準公共財供給景気を調整して完全雇用を維持することは市場機能では達成できない。さらに国民の最低生活を保障するための医療,年金,その他の社会福祉サービスの充実が社会的要請となっているが,そのためには市場機構を通じて行われる所得分配を再調整する必要がある。これら市場の機能では不可能なことはすべて国や地方公共団体が市場を通さずに,あるいは市場の機能に調整を加える方法で実施しなければならない。 1930年代以降は完全雇用政策や社会保障制度の発展,公企業の拡大,公害防止など公共部門の活動分野が国民経済に占める比重が増大傾向にあり,混合経済とは現代資本主義のこのような傾向を強調するために用いられる概念であるといえる。

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デジタル大辞泉

こんごう‐けいざい〔コンガフ‐〕【混合経済】
政府や公共団体の経済機能が拡大し、公共部門が民間部門と並んで大きな役割を果たしているような経済体制二重経済

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

こんごうけいざい【混合経済 mixed economy】
現在の先進資本主義国は,共産主義国の計画経済に対し,市場機構に頼る市場経済が中心となっている。市場経済においては,家計・企業などがそれぞれの経済的利益を追求して,市場経済全体は計画的ではなく,分権的に運営されることとなる。しかし,経済社会全体がすべて市場経済によっておおわれてしまうことは考えにくい。市場経済は制度的には,契約履行,社会の安全治安などが保障されていないと存続しえない。公共部門は最低限これらの市場経済の制度的な環境を維持しなければならない。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

混合経済
こんごうけいざい
mixed economy

二重経済dual economyともいい、広義には、資本主義的市場経済と社会主義的計画経済の混合(資本主義市場経済の部分的計画化、社会主義計画経済への部分的な市場経済導入)を含めるが、狭義かつ一般的には、資本主義の市場経済組織を基本としつつも、民間部門の経済活動が公共部門の経済活動によって補完され、国民経済のなかで財政や公営・国営企業などの公共部門の占める割合が増大している経済状態をいう。第二次世界大戦後の先進資本主義国は、ケインズ政策の導入により混合経済の状態にある。

 資本主義経済の成立期以来理想とされてきた自由放任主義では、民間の経済主体の自由な経済活動を保証すれば、自由競争市場における価格の機能によって、資源の効率的利用と国民の経済的厚生が自然に達成されうるものと期待され、政府の役割は国防や司法などに限定し、経済活動への介入は極力回避すべきものとされていた。しかし、20世紀に入り、市場が寡占化され価格の機能が不完全になるとともに、所得配分の不平等や大量の失業、さらに資源利用の非効率化などの問題が深刻化してきた。とくに1929年の大恐慌は、自由放任体制のままでは資本主義がこれらの矛盾を自律的に解決しえないことを示したのである。

 こうした事態を背景に、これらの矛盾の解決には、政府の経済活動への積極的介入が必要であるとするケインズ経済学の主張が受け入れられ、アメリカのニューディール政策によってそれが試行された。第二次世界大戦後には、先進資本主義国でケインズ政策が一般的に採用され、国家財政による公共投資など有効需要の創出によって完全雇用を達成し、累進制の租税制度と社会保障制度(社会保険、公的扶助、社会福祉)を通じた所得の再配分によって所得の不平等の是正を実行しようとした結果、国民経済に占める公共部門の比重が増大した。さらに、費用負担をしない者の利用を排除できない公共財(治安、消防等)の提供、大規模固定資本投資を必要とする費用逓減(ていげん)事業の国営・公営化、公害対策等の市場で負担されない費用の公共部門への転嫁など、いわゆる「市場の失敗」による政府支出の拡大によって、「大きな政府」といわれるほどに、政府の財政支出や経済活動における公共部門の比重が膨張した。その結果、第一次オイル・ショック後に、景気の停滞とインフレーションが同時におこるスタグフレーションが発生し、財政危機にみまわれた先進諸国では、1980年代に入り、財政支出の縮小、公的事業の民営化、政府による各種規制の緩和や撤廃などが実施され、「小さな政府」の実現が図られている。

[佐々木秀太]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こんごう‐けいざい コンガフ‥【混合経済】
〘名〙 資本主義経済で、私的経済部門に並んで公共経済部門の占める割合が増大している経済体制をいう。第二次世界大戦後の先進資本主義国はほとんどこの状態にある。広義には、資本主義の計画経済化、社会主義の市場経済化をさすこともある。二重経済。

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