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測定不確かさ【そくていふたしかさ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

測定不確かさ
そくていふたしかさ
measurement uncertainty
uncertainty of measurement

測定値のばらつきの大きさを数量化し、真の値がどの範囲にどのくらいの確率で存在するかを算出したもの。測定結果にどの程度信頼性があるかを表すための尺度である。国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)など計量計測に関係する八つの国際組織が合同で発行したGUMGuide to the expression of uncertainty in measurement:測定における不確かさの表現のガイド)では「測定の結果に附随した、合理的に測定量に結びつけられうる値のばらつきを特徴づけるパラメータ」と定義されている。

 従来の誤差論では、用語の用い方が専門技術分野や国によって異なっていたことと、総合的な評価の方法が定式化されていなかったために、国際的な測定標準の比較において混乱が生じた。そこで、1980年ごろから、新たな概念に基づく測定結果の総合的なばらつきの評価方法としての「測定不確かさ」の表現方法が提案されて、国際文書としてのGUMが1993年に編集・発行された。

 測定不確かさは、定義の不確かさとともに、補正および測定標準の付与された量の値に付随する成分のような、系統的効果から発生する成分も含む。推定した系統的効果が補正されず、そのかわり、付随する測定不確かさの成分が含まれることがある。不確かさを引き起こす要因には、繰り返し測定のばらつきがある。また、測定器とその校正方法、標準器、測定のための装置、測定方法・手順、データ処理方法、測定対象の安定性・再現性、測定環境(温度・気圧・湿度等)、測定者の技術などもばらつきの原因となる。これら個々の不確かさを標準偏差(測定値のばらつきの程度)で表したものを標準不確かさといい、個々の標準不確かさを合成したものを合成標準不確かさという。

 パラメータ(母数)は、たとえば、標準測定不確かさとよばれる標準偏差(またはその指定倍量)、または区間の幅(真の値が含まれている可能性がある測定値の幅)の半分であり、表記された包含確率をもつ。「指定倍量」とは包含確率(真の値が含まれている確率。信頼水準)を導きだすための包含係数のことである。包含係数は、不確かさの示す範囲を広げて計算する場合に用いる。有限回数の測定でも包含係数を用いて拡張不確かさを計算すれば、十分な不確かさを算出できるので多く使われる。

 測定不確かさは、一般に多くの成分からなる。その一部は、一連の測定で得られる量の値の統計分布から測定不確かさのタイプA評価によって評価される場合があり、標準偏差によって特徴づけることができる。その他の成分は、測定不確かさのタイプB評価によって評価される場合があり、これも経験またはその他の情報に基づく確率密度関数から評価され、標準偏差によって特徴づけることができる。

 一般に、任意の一組の集合の情報に関して、測定不確かさは、測定対象量に帰属する表記された量の値に付随すると理解される。この値を変更した場合、付随する不確かさも変更される。

 1999年より開始された国家測定標準間の国際比較や適合性の評価において、校正結果を測定不確かさも付与した形で表現することが必須の要件として受け入れられるようになってきた。たとえば、校正証明書や標準物質の認証証明書には、測定不確かさの明記が求められている。

[今井秀孝]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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