@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

測定【そくてい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

測定
そくてい
measurement
対象を量的に知る操作。自然科学・技術・産業で一般に用いられる用語。測定値には,個数を数えるものと,ある基準量を単位としてその何倍であるかをはかるものとがある。前者は整数値でこれをデジタルな量といい,後者は連続量でこれをアナログな量という。デジタルな量の測定では,その1個が明確に定義可能でなければならない。アナログな量の測定には基準量を明確に定めなければならない。基準量を1組の実験ごとに任意に設定する測定を相対測定,基準量をたとえば国際単位系の基本単位または誘導単位にとる測定を絶対測定といい,後者の場合が一般により困難である。測定に用いる装置を測定器という。測定器の内部の機構およびその操作は測定のたびに完全には同一でないから,測定値には真の値との間に差があり,その差は同一対象を同一条件下で同一の測定器で測定しても毎回同一の値をとるとはかぎらない。この差を誤差という。誤差のうち原因が明確なものを系統的誤差といい,その原因の除去または生じるべき誤差を推定してこれを差引くことができる。それ以外の測定値をばらつかせる誤差を偶然誤差といい,反復測定して得られた測定値に統計操作を行い,最も確からしい値を定める。たとえば平均値や分散は統計操作によって得られる。測定器には多くの種類があるが,基本的には長さ・質量・時間・電流および温度を測定する。写真乾板などパターンを記録する装置も広義の測定器に含まれる。測定器で得られる測定量の有効数字が多いほど,測定の精度が高い。精密な測定や複雑な測定では,測定量を電流・電圧に変換して行うことが多い。測定手段にもよるが,長さは 10-10m 程度まで,質量は 10-15g 程度まで,時間は 10-12 秒程度まで技術的に測定可能である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

そく‐てい【測定】
[名](スル)ある量の大きさを、計器や装置を用いて測ること。「気温の変化を測定する」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

そくてい【測定 measurement】
自然現象社会現象,生理現象などを定量的に記述するためには,これらの現象に関連する量の大きさを数値,または符号を用いて表す必要がある。そのために行われる作業を測定という。量と数とは元来互いに関係のないものであるから,量の大きさを数値で表すためには両者の間に1対1の対応の規則を設けておく必要がある。これを測定の尺度という。例えば物理量の測定においてはすべての量について単位の大きさを定めてこれに1を割り当て,測定量が単位の何倍であるかを求めてその比の数値で測定量の大きさを表す。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

そくてい【測定】
スル
長さ・重さ・速さなど種々の量を器具や装置を用いてはかること。直接行う方法と、理論によって間接的に行う方法とがある。また、広く自然や社会の現象を記述するため、一定の規則にしたがいその対象の量に数値をわりあてることをいう。 距離を-する 民度を-する 体力- -値

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

測定
そくてい
ある物や事象が、それと同じ種類の量の約束された一定量の何倍であるかを数量で表すこと。この約束された一定量を単位という。もっとも簡単な場合は、たとえば長さの単位で目盛られた物差しで物の長さを計ることで、このように計るべき対象の量と同種の量で直接計ることを直接測定という。しかし一般に直接測定が行える場合は少なく、理論を媒介にして間接的に測定することのほうが多い(間接測定という)。たとえば体積は各部の長さを計って計算によって求めるのが普通である。一般に各種の物理量は少数の、互いに独立した物理量を選んで単位を決めれば、他の量の単位は物理学の法則や定義を利用して組み立てることができる。この少数の量を基本量といい、単位を基本単位、組み立てられた単位を組立単位または誘導単位という。組み立てられた量の測定を基本量だけの測定から導くこと、および定義によって決められた量を実現させそれを用いて行う測定を絶対測定という。長さの単位「メートル」の定義は特定の光の波長を用いて実現されるが、この光の波長で直接ブロックゲージの長さを求めるのはこの例である。
 なお、最近では「測定(measurement)」は、ある量の値を実験的に得るプロセスと解されているのに対し、「計量計測(metrology)」は、測定の科学とその応用と理解され、より幅広い意味をもつとされている。
 測定の方法には比較測定、遠隔測定、零位法、偏位法、置換法、合致法、補償法、差動法などがある。比較測定は直接測定と同義で、遠隔測定は測定量の検出信号を、離れている受信器に伝えて行う測定。零位法は測定量とは独立に調整できる同種の既知量を用意し、測定量と一致させる測定。偏位法は測定量を原因とし、その直接の結果として生ずる指示による測定。置換法は測定量と既知量とを置き換えて2回の測定結果から求める測定。合致法は目盛り線などの合致を見て測定量と基準量の関係から測定する方法で、バーニヤ付きノギスによる方法はこの一つである。補償法は測定量からそれにほぼ等しい既知量を引き去り、その差を測って求める方法。差動法は同種類の2量の作用の差を利用する方法である。[小泉袈裟勝・今井秀孝]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

そく‐てい【測定】
〘名〙 計器や装置を用い、ある現象を特徴づける数量を読みとること。広義には測定値から理論に従って計算で数量を決定する場合も含む。
※遠西観象図説(1823)下「此図は馬児珍(マルチン)の書に載せて、微私東(ウイストン)が測定する所なりと云へり」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

最新 心理学事典

そくてい
測定
measurement
測定とは,物やこと,および人を対象として,その属性を数値で表わすこと。心理学ではとくに知能や不安など構成概念としての属性を表わすものに数値を割り当てることであるが,ここで概念間の関係が数値間の関係と対応するように数値の割り当てが行なわれる(Krantz,D.H.et al.,1971)。たとえば,さんはさんよりある性格特性という属性を強くもつとき,さんおよびさんの特性の強さを表わす数値AおよびBABを満たすように割り当てる。一般的には,ある構成概念についてその強さの順序関係が与えられているとき,その概念の強さを表わす数値の大小関係が概念の強さの順序関係に対応するように数値が割り当てられる。

     AB

である。ここで,「」は概念においての方がより強いか同等であることを表わし,ABに割り当てられた数値であり,⇔は同値関係if and only ifを表わす。

 構成概念の強さの間に比の関係が成り立つとき,その比の関係が対応する数値の比の関係と一致するようにする。たとえば,明るさの測定においての明るさがの明るさの2倍であるとき,の数値Aの数値Bの2倍であるように数値を割り当てる。一般に,当該概念の間に比の関係が成り立つとき,

   の強さはの強さの倍 ⇔ AB

が成り立つように数値ABを割り当てる。

 公理論的測定理論axiomatic measurement theoryは,構成概念間の関係と数値間の関係の対応を公理論的に正当化する理論である。たとえば,拡張性extensiveとよばれる属性の性質では,測定対象()間に関係≿と結合演算∘が与えられ,以下の六つの公理が設定されている(Krantz,et al.,1971)。

 ⒜ ≿は弱順序である。

 ⒝ ()∘∘(

 ⒞ ならば

 ⒟ ならばとなるが存在する。

 ⒠

 ⒡ ii-1iであるとき,任意のjに対してjとなるが存在するならば,12,…は有限個の列である。

 ここで,「≻」は「≿であって≾でない」ことを表わす。また,上の公理においては記述を単純化しているので,厳密な記述はクランツKrantz,D.H.ら(1971)を参照されたい。

このとき,対象から正の実数への関数φが存在して

 (ⅰ)

 (ⅱ)

を満たすことが数学的に証明されている。この関数φが存在することを,表現定理representation theoremという。条件(ⅰ)は,の方がより強い性質をもつとき,それらに割り当てられた数値φ)とφ)の間に対応する大小関係が成り立つことをいうものである。条件(ⅱ)は,を結合したものに割り当てられる数値φ)が,に割り当てられた数値φ)とφ)の和であることをいうものである。すなわち関数φは,特性の間の強弱関係と結合結果を数値の大小関係と和の演算結果に対応づけるものである(準同型写像という)。前述の拡張性をもつ測定としては,たとえば物理的な長さが挙げられる。長さでは,長い方に大きい数値が割り付けられる。3mは2mよりも長い。また,二つの長さをつなぎ合わせたものの長さは,元の長さの数値の和になっている。3mのものに2mのものをつなぎ合わせたとき,その長さは5m(5=3+2)になる。

 強度性intensiveとよばれる属性の性質の場合は,拡張性の結合演算の性質が成り立たない。5mのものと5mのものをつなぎ合わせたものは5mより長いが,5℃のものと5℃のものを一緒にしても10℃にはならない。密度も同様に拡張性ではなく,強度性をもつ測定である。強度性の特徴は,自分自身との統合演算の結果の強度が自分自身の強度に等しい

     

というベキ等性idempotenceが成り立つことである(Krantz,et al.,1971)。ここで,「~」は「≿かつ≾である」こと,すなわち両辺の対象の強度が等しいことを表わす。

 上の拡張性測定の場合,条件(ⅰ)および(ⅱ)を満たす関数がφのほかにφ′が存在したとき,定数αが存在して

 (ⅲ) 

が成り立つ。たとえば上の長さの場合,mを単位とする数値の割り当てをφで,㎝を単位とする数値の割り当てをφ′で表わしたとき,φ′=100φが成り立つ。

 数値を割り当てる関数の間に条件(ⅲ)が成り立つとき,それらの割り当て方および数値,すなわち尺度は比尺度ratio scale(比率尺度ともいう)とよばれる。これは,数値の比が対象の強度の比に対応していて,数値の比が関数φに依存しないことを意味する。このことは,(ⅲ)式から



が成り立つことから,



と導かれる。尺度の種類は比尺度のほかに,その性質によって名義尺度nominal scale,順序尺度ordinal scale,間隔尺度interval scaleなどが区別される。

 温度と湿度の組み合わせに対する不快さの度合いのように,対象が二つの特性の組み合わせで構成されている場合の表現定理もある。対象aの二つの特性が12であり,対象bの特性が12であるとき,a=(12)およびb=(12)と表わされる。この二つの特性からなる対象を扱う公理系として,結合構造conjoint structureとよばれているものがある。ある条件(公理)を結合構造に設定すると,二つの特性に対する間隔尺度が存在して



が成り立つことが証明されている。

 心理学でもいろいろな測定が行なわれるが,スティーブンスStevens,S.S.は物理量ψの主観的感覚強度ψが直接報告可能であるとして,その主観的強度を報告させるマグニチュード推定法とよばれている直接法を用いて研究を行ない,ベキ法則ψ=aψbを見いだした。測定法としては,直接法のほかに,測定対象の構成概念についてのモデルを構成し,データから推定されるモデルのパラメータ値として構成概念の測定値を求める間接法がある。たとえばサーストンThurstone,L.L.(1927)の一対比較法では,二つの対象の強度の比較判断の確率の感覚の方がより強い)が,感覚の心理学的連続体を想定して,の心理学的連続体上の確率変数ABの関係によって表わされた。およびの心理学的値は,データとして得られた比較判断の確率から推定されるABの平均値として与えられる。

 構成概念についてのモデルに基づく間接法にはいろいろなものがあるが,項目反応理論ではテスト項目に対する正答率を能力θの関数として表わし,テスト項目に対する反応パターンからθの推定が行なわれる。また,多次元尺度法では,測定対象間の類似度あるいは非類似度の関係から各対象の心理学的多次元空間における値が推定される。

 スティーブンス(1951)は,科学の進歩の度合いは,その数学の利用の程度によって判断できると考え,そのためには対象(構成概念)の測定の基礎づけが重要であるとした。測定値に基づいて,それらの関係を数学的に表わしたとき,その有意味性meaningfulness(Luce,R.D.et al,2002)に注意する必要がある。たとえば,音の物理的強さの値ψとその心理的強さの値ψの間の関係が,ベキ法則ψ=aψbで表わされた場合について考える。ψの単位が強さ(エネルギーの流量)であるときの値をで,音圧であるときの値をで表わすとき,2の関係があるのでψ=aIbap2bとなる。ベキ指数は物理単位に依存して決まる値であり,のときであれば,のときは2になっている。すなわち,ベキ法則そのものは物理単位によらずに成り立ち,有意味であるが,ベキ指数の値は用いられている単位を示す必要がある。一般に法則は,それが成り立つ枠組みを明示する必要がある。たとえばニュートンNewton,I.による運動力学の法則は,慣性系という特別な座標系において成り立つ。

 物あるいは対象についての人による主観的判断に基づいて行なわれる検査・測定は,官能検査sensory test,sensory inspection,sensory evaluationとよばれている。官能検査では,心理学的測定を行なう精神物理学psychophysics的方法あるいは計量心理学psychometrics的方法が用いられる。測定対象の刺激と対応する感覚器官の組み合わせが,目と光,耳と音,舌と食品の味,鼻と香りあるいは臭い,皮膚と織物の風合いというように対応している場合のほか,商品に対する総合的評価のように複合的感覚による場合もある。また,強さの評定だけではなく,刺激の検出や差の弁別などの方法も用いられる。官能検査は心理学的測定法の一つの応用と考えられ,物理的測定量で直接表わすことのできない物,あるいは対象についての人による評価を測定する,あるいは人による判断を利用するために計量心理学的方法が活用されているといえる。 →尺度 →精神物理学的測定法
〔岡本 安晴〕

出典:最新 心理学事典
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

測定」の用語解説はコトバンクが提供しています。

測定の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation