●源経信【みなもとのつねのぶ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
源経信
みなもとのつねのぶ
[没]承徳1(1097).閏1.6. 大宰府
平安時代中期の公卿,歌人。道方の子で,俊頼の父。正二位権大納言にいたり,晩年に大宰権帥に就任。その博識多才は藤原公任 (きんとう) と並称され,当時の歌壇の権威であったが,『後拾遺和歌集』の撰者になることができなかったので,『難後拾遺』 (1097) を書いて批判した。漢文日記の『帥記』も残している。家集『経信集』があり,『後拾遺和歌集』以下の勅撰集に約 85首入集。母も三十六歌仙の源信明 (さねあきら) や公忠 (きんただ) の血筋を受けた歌人で,『経信母集』という小家集がある。
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デジタル大辞泉
みなもと‐の‐つねのぶ【源経信】
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus
源経信 みなもとの-つねのぶ
長和5年生まれ。宇多源氏。治暦(じりゃく)3年(1067)参議。のち大納言,正二位にいたる。桂流琵琶(びわ)の祖で,詩歌にすぐれ,法令にも通じた。大宰権帥(だざいのごんのそち)となり,永長2年閏(うるう)1月6日任地で死去。82歳。桂大納言,帥大納言とよばれる。日記に「帥記」,家集に「大納言経信卿集」,歌論書に「難後拾遺」。
【格言など】夕されば門田の稲葉おとづれて葦のまろ屋に秋風ぞ吹く(「小倉百人一首」)
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世界大百科事典 第2版
みなもとのつねのぶ【源経信】
平安後期の歌人,文人。別称は帥大納言,桂大納言。民部卿道方の子。大納言から大宰権帥となり,大宰府で没した。漢詩文,琵琶にも秀でる多才の人として当代の歌壇に重きをなし,《高陽院殿七番和歌合》などの歌合の判者をつとめた。和歌のあり方として典雅な声調美と情趣ある趣向を求め,歌作は客観的叙景歌の観照によいものがある。藤原通俊の撰進した《後拾遺和歌集》を低く評価し,《難後拾遺》を書いて論難した。家集に他撰の《大納言経信集》,日記に漢文体の《帥記(そちき)》がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
源経信
みなもとのつねのぶ
(1016―1097)
平安時代の歌人、漢詩人。正二位民部卿(きょう)道方の六男、母は播磨守(はりまのかみ)源国盛の女(むすめ)で歌人。歌人俊頼(としより)の父。廷臣として六朝に仕え、1094年(嘉保1)正(しょう)二位大納言(だいなごん)に大宰権帥(だざいのごんのそち)を兼ねたが、1097年(承徳1)閏(うるう)正月6日任地に没した。82歳。『十訓抄(じっきんしょう)』『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』は、三船(さんせん)(詩、歌、管絃(かんげん))の才を賛美する。詩文は、『本朝無題詩』『中右記部類紙背漢詩集』に25首の詩、『本朝続文粋(もんずい)』『朝野群載』『本朝文集』に4編の文章、家記『帥記(そっき)』を残し、和歌は、『後拾遺集』以下の勅撰(ちょくせん)集に85首、家集『大納言経信集』を残し、『後拾遺集』を批判した『難後拾遺』を著す。藤原公任(きんとう)や能因(のういん)法師、和歌六人党の歌人たちの理念や方法を継承して、中世的な晴の歌(宮廷詩)の理論と詠法を完成させた歌人として和歌史上注目されている。
[上野 理]
『上野理著『後拾遺集前後』(1976・笠間書院)』▽『金原理著『源経信』(『中古文学と漢文学Ⅱ』所収・1987・汲古書院)』
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精選版 日本国語大辞典
みなもと‐の‐つねのぶ【源経信】
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