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準拠集団【じゅんきょしゅうだん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

準拠集団
じゅんきょしゅうだん
reference group
心理学用語。関係集団,規準集団ともいう。個人がある集団に心理的に結びつきをもち,規範に同調しているとき,その場合の集団をさしていう。成員性集団と準拠集団とは一致することが多いが,必ずしも一致するとはかぎらない。たとえば,ある学生将来ある芸術家集団の一員になりたいと望み,その集団の標準的な行動様式や考え方に同調しているならば,この学生にとってこの芸術家集団は成員性集団ではないが,準拠集団であるといえる。

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デジタル大辞泉

じゅんきょ‐しゅうだん〔‐シフダン〕【準拠集団】
reference group》個人が自己の行動や立場を評価する際に、その基準となるようなグループのこと。照準集団。

出典:小学館
監修:松村明
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流通用語辞典

準拠集団【reference group】
個人が信念態度価値を決定する場合や行動指針を求める場合などに、判断の根拠を提供する社会集団のこと。準拠集団は一般に家族、友人集団などの身近な所属集団から成ることが多い。しかし、将来所属したいと思っている集団、あるいは所属していなくても強い同一性を感じている集団もまた準拠集団となりうる。個人がどの集団に準拠して行動するのかを明らかにすることによって個人の行動の理解を助け、その行動予測を可能にするという点で準拠集団概念は重要である。顧客の準拠集団を事前に調べておけば、その顧客の興味や価値観など、およそ見当がつき、セールストークに生かすことができる。

出典:(株)ジェリコ・コンサルティング
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ナビゲート ビジネス基本用語集

準拠集団
個人が価値基準や行動規範を得ている集団のこと。個人の判断や行動はその人が何(誰)を準拠集団としているかによって大きく左右される。準拠集団として選択されるのは、所属集団(帰属集団)の場合もあれば、非所属集団の場合もある。また、集団に限らず、特定の個人が想定される場合もある。

出典:ナビゲート
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世界大百科事典 第2版

じゅんきょしゅうだん【準拠集団】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

じゅんきょしゅうだん【準拠集団】
個人が自分や他人を評価したり、自らの態度形成をする場合にその基準となる集団。関係集団。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

準拠集団
じゅんきょしゅうだん
reference group
社会心理学および社会学の領域を中心として用いられる基本的用語の一つ。照準集団ともよばれる。所属集団と準拠集団という視点から、社会的現実、私たちが生きている日常的世界、生活する人間、人間の態度や行動が考察されるのである。準拠集団についての着想や発想は、W・ジェームズ、クーリー、サムナー、ミードらの場合にさまざまな形でみられたが、実態調査の場面や社会心理学のパースペクティブ(視野)で準拠集団についての考察が相次いで行われ、準拠集団論の展開がみられたのは、1940年代のアメリカにおいてであった。そして第二次世界大戦後になって集団論として確立され、さらに社会心理学の領域のみならず、産業心理学、臨床心理学の分野においても大きな影響を与えているといえよう。すなわち準拠集団は、ただ単に集団論の場面で問題とされるだけではなく、態度、社会的行為、役割、社会化、文化変容、同化、社会移動、自己についてのイメージや評価、アイデンティティ、マージナル・マンなどのそれぞれの場面において注目されているのである。[山岸 健]

理論とその展開

私たちの物の見方や考え方、行動の仕方、態度形成に影響を与えてきた、また影響を与えつつある集団がある。思考や行動、あるいは評価や判断などにおいて、私たちが自己をある集団に帰属させたり、ある集団のメンバーに自己を同一化させたりする場合がある。また、私たちの言動にあたって、自分がある集団のメンバーであればと願望したり、ある集団のメンバーであるかのように行動したりする集団がある。さらに、私たちが生きている日常的な社会的世界において、自分の地位やポジションを評価したり判断したりする場合、比較の尺度や基準となるような集団がある。以上と関連するところがあるが、日常生活を営む私たちに準拠枠(フレーム・オブ・レファレンス)やパースペクティブなどを与えてくれるような集団がある。こうした集団が準拠集団とよばれるが、研究者の視点や立場、調査研究の場面などの違いによって、準拠集団についてはさまざまな説明が行われてきた。今日、バーガーは、人間の内における社会society in manについて論じたとき、役割理論、知識社会学という二つのアプローチの結び目において準拠集団論をとらえ、私たちは準拠集団によって私たちに提供されるモデルと私たち自身を絶えず比較することができる、という。[山岸 健]

ハイマンの場合

準拠集団ということばは、1942年アメリカの社会心理学者ハイマンHerbert H. Hyman(1918― )の論文「地位の心理学」において初めて使用された。ハイマンのみるところでは、地位と態度、行動、社会的パースペクティブなどとの間には、さまざまな関連性があるのであり、この論文で扱われる「主観的地位」は、ある人が他の諸個人との関係においてとらえた自分自身のポジションについての見解をさすのであった。ハイマンの場合には、インタビューを受ける主体が自分自身を人々のある集団と比較する、そうした集団が準拠集団とよばれたのである。そうした人々は彼が知っている実際の人々であるのかどうか? 自分と比較した場合、そうした人々の地位の高低は? アメリカの社会心理学者ケリーHarold H. Kelley(1921― )は、態度決定の場面での準拠集団の二つの機能として、規範的機能と比較の機能をあげているが、ハイマンの場合は後者の機能に言及したものといえるのである。[山岸 健]

非所属集団への志向

私たちが実際に所属している集団の準拠枠で行動している場合があるが、行動や態度や評価の決定や方向づけにあたって、所属集団がそのまま準拠集団になっていることもあれば、そうでない場合もある。マートンらのいうところでは、準拠集団はほとんど無数にあり、所属集団も非所属集団も態度・評価・行動を形成する準拠点となることができるのである。そして非所属集団への志向という事実を中心にした問題こそ準拠集団論の特異な関心対象なのである。マートンらの視点では、いかなる条件の場合に自分たちの所属する集団が自己評価と態度形成のための準拠枠となり、いかなる条件の場合に非所属集団が重要な準拠枠となるのか、ということが準拠集団行動論の発展にとって中心的意義を有する問題なのである。パースペクティブとしての準拠集団について論じた人にアメリカのシブタニTamotsu Shibutani(1920― )がいる。準拠集団とは、あるなんらかの集団の見地・視野が行為者にとって自分の知覚野の組織づけにおいて準拠枠として用いられるところの集団をさすのである。
 社会学には内集団と外集団(サムナー)、プライマリー・グループ(第一次集団、クーリー)などいくつかの集団論がみられるが、準拠集団論、所属集団と準拠集団という視点とアプローチは、社会学と社会心理学の両分野にわたり、理論と応用両面においてとくに注目される集団論である。生活態度と日常的な行動や行為、セルフ・イメージやアイデンティティ(自己同一性・存在証明)などの理解にあたって準拠集団論は、有力な手がかり、視点となるのである。[山岸 健]
『M・シェリフ、C・W・シェリフ著、重松俊明監訳『準拠集団――青少年の同調と逸脱』(1968・黎明書房) ▽C・H・クーリー著、大橋幸・菊池美代志訳『社会組織論』(1970・青木書店) ▽G・H・ミード著、稲葉三千男ほか訳『精神・自我・社会』(1973・青木書店) ▽W・G・サムナー著、青柳清孝ほか訳『フォークウェイズ』(1975・青木書店) ▽P・L・バーガー著、水野節夫ほか訳『社会学への招待』(1979・思索社) ▽H・H・ハイマン著、舘逸雄監訳、七森勝志訳『地位の心理学』(1992・巌松堂出版) ▽R・K・マートン著、森東吾ほか訳『社会理論と社会構造』(2002・みすず書房)』

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精選版 日本国語大辞典

じゅんきょ‐しゅうだん ‥シフダン【準拠集団】
〘名〙 (reference group Bezugsgruppe の訳語) 心理学や社会学で、判断や行動のよりどころになる基準を与えてくれる集団。一九四二年アメリカの社会心理学者ハイマンがはじめて用いた。参照集団。関係集団。照準集団。

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