●準粒子【じゅんりゅうし】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
準粒子
じゅんりゅうし
quasiparticle
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
じゅん‐りゅうし〔‐リフシ〕【準粒子】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
じゅんりゅうし【準粒子】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
準粒子
じゅんりゅうし
多粒子の集団における粒子の運動形態の一つで、一粒子的なふるまいを示すものをいう。金属中の伝導電子や液体のような多数の粒子(電子または分子)の集団においては、粒子間に力が働くため、個々の粒子は独立に運動できない。そこに生じる運動は、多数の粒子の絡み合った複雑なものになる。しかし、温度が十分低いときは、粒子系の状態は全体としてもっともエネルギーの低い量子状態(基底状態)に近く、基底状態からの小さな外れは比較的単純な見方で理解できる。すなわち、1個の粒子が基底状態から外れて動きだすと、その影響で周囲の粒子の状態に変化が生じ、中心の粒子が動くと周囲の変化もそれについて移動する。このような運動は一見、1粒子の運動のようにみえるので、準粒子とよばれる。物体が水中を動くとき、周りの水は物体に道をあけるように流れる。準粒子は、周囲に水の流れを伴って動く物体のようなもの、と思えばよい。
準粒子の運動は、周りに多数の粒子の運動を伴っているため、単純な1粒子の運動とは異なる性質をもつ。たとえば、準粒子の見かけ上の質量や準粒子間に働く力は、元の粒子の質量や力と異なる。低温では、励起される準粒子の数が少ないので、各準粒子は独立に運動するとみてよい。金属電子の場合、電子はクーロン力により互いに強く反発しあう。このため、各電子の周囲には他の電子の入り込めない領域が生じる。周りにこのような領域を伴って運動する電子が、この場合の準粒子である。準粒子は独立に運動するため、金属電子は比熱などの性質について、相互作用のない粒子系に似たふるまいを示す。
[長岡洋介]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「準粒子」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●準粒子の関連情報