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溶液【ようえき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

溶液
ようえき
solution
溶体の一つで,液体中に気体固体,ほかの液体などを溶解した均一な液相。広義には,固体中に気体,液体,固体を溶解した固溶体を含む。溶かす液体を溶媒,溶かされる物質溶質と呼び,液体に液体を溶かす場合は,一般に分量の多い方が溶媒とされる。が溶媒である溶液を特に水溶液と呼ぶ。溶液の濃度は,重量パーセント濃度やモル濃度などを用いて表される。溶解の限界の濃度を溶解度といい,溶解度に達した溶液を飽和溶液という。塩化ナトリウム(→食塩)のようにイオン結合をしている物質が,水やメチルアルコールフッ化水素などの極性をもった分子の溶媒に溶けると,イオン結合の分子が正や負の電荷をもつイオン電離する(→極性溶媒)。電離が起こり,溶液が電気伝導性をもつ溶質の物質を電解質,それ以外の物質を非電解質と呼ぶ。(→溶液論

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

よう‐えき【溶液】
2種またはそれ以上の物質が溶けて均質になっている液体。溶けている物質を溶質、溶かしている液体を溶媒という。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

溶液
 液体に固体,液体,気体などが分子の水準まで均一に分散している状態のもの.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ようえき【溶液 solution】
均一な液相をつくっている混合物。均一混合物には液相のほかに,気相,固相の場合がある。固相の場合は固溶体といい,液相の溶液とあわせて溶体という。溶体と同じ意味で溶液を用いることもある。溶液成分のうちの一つが他を溶かしていると考えられるとき,溶かしている成分を溶媒,溶けている成分を溶質という。溶媒,溶質がともに液体で,たとえば水とエチルアルコールのように任意の割合で混合する溶液の場合には便宜上,量の多いほうを溶媒とする。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ようえき【溶液】
液体状態にある均一な混合物。その成分のうち、最も多量に存在する液体物質(溶かしている物質)を溶媒、その他の物質(溶けている物質)を溶質という。水が溶媒の場合は水溶液というが、水溶液であることが明らかな場合は、単に溶液という。 → 溶体

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

溶液
ようえき
solution
液体に固体、液体、気体が溶解して均一になった液体をいう。ときには固溶体を含めることもある。

溶質と溶媒

溶液では、溶けている物質を溶質とよび、溶かしているほうは溶媒という。液体どうしの混合の場合などにはどちらが溶媒かを区別しにくいこともある。この場合、分量(分子数)の多いほうが溶媒、少ないほうを溶質とする。清酒などではアルコールが溶質であるけれども、局方アルコール(96%)の場合は、アルコールのほうが溶媒で水が溶質ということになる。[山崎 昶]

水溶液

水はきわめて優れた溶媒であり、大多数の塩類や親水性基をもつ有機化合物(ショ糖やせっけんなど)までよく溶解する。このように溶解性に優れているのは、水の誘電率が80と大きいので、イオンが結晶中でクーロン引力で引き合っている力が80分の1に下がることと、水分子との水素結合や水和などによって溶質の分子やイオンは引き離されて安定に存在できるからである。エタノール(エチルアルコール)のように誘電率が小さくなるとイオン性結晶の溶解性は格段に悪くなる。[山崎 昶]

溶解性

「類は類を溶かす」というのが溶解性の予測によくいわれることである。前述の水溶液のように極性の大きい溶媒には、やはり極性の大きい溶質が溶けやすい。一方、石油エーテルやベンゼンのように極性の低い溶媒には極性の小さい溶質が溶けやすく、極性の大きい溶質(たとえば水)などはほとんど溶解しない。このような溶解性の差を利用したのが液液抽出(溶媒抽出)である。有機化合物の場合は紀元前から香料などの抽出に応用されてきたが、無機化合物に応用されたのは、1842年フランスのペリゴーが硝酸ウラニルをエーテル抽出したのに始まる。しかし溶媒抽出の応用が盛んになったのは、第二次世界大戦中のマンハッタン計画などのウランやトリウムなどの核燃料精製・分離に応用されて、研究が進んだことによる。ウランやトリウムの配位した水分子を、リン酸トリブチルのような有機化合物で置き換えて、有機溶媒に対する親和性を増大させることによって、水相から有機相に抽出することが容易になる。
 化学構造のよく似た物質どうしはよく混合しあうが、異なり方の大きいものはほとんど溶解しあわない。たとえば水銀は、金属結合でできているので、水のような極性物質、ガソリンのような無極性溶媒とも混じらない。しかしほとんどの金属とはアマルガムをつくる。[山崎 昶]

溶解度と溶解熱

水とエタノールのように、どんな割合にでも溶解しあう場合はどちらかといえば珍しく、一般には溶質が溶媒に溶けるには限度があり、この限度は温度によって定まる。気体ではヘンリーの法則が、あまり溶解度の大きくないものについては成立し、圧力に比例して溶解量が増大する。溶質の溶解時に吸熱や発熱がおこるが、これらは溶解熱と総称する。これは、通常は溶質の結晶から溶質分子(またはイオン)を取り出すのに必要な格子エネルギーと、溶媒中でこれらの分子やイオンが溶媒和によって安定化するエネルギーとの差にあたる。塩化ナトリウムの格子エネルギーは1モル当り183.8キロカロリーであるが、溶媒和の安定化エネルギーが182.9キロカロリーもあり、差し引きわずかに0.9キロカロリーが溶解熱ということになる。このように溶解熱が小さいから、塩化ナトリウムの溶解度は温度によってあまり変化しないのである。[山崎 昶]

凝固点降下と沸点上昇

溶液の性質は、純粋な溶媒の性質とかなり異なる。そのなかで顕著なものとして、溶媒よりも溶液の蒸気圧は低下するために沸点は上昇するし、凝固点は降下する。この沸点上昇、凝固点降下は溶質の濃度(分子数)に比例するから、これを利用して溶質の分子量や電離度などを測定することもできる。1モルの溶質が1キログラムの溶媒に溶けている場合の沸点上昇、凝固点降下は、それぞれモル沸点上昇、モル凝固点降下という。水の場合それぞれ0.52℃、1.86℃である。分子量測定などには樟脳(しょうのう)やスルホランのようにモル凝固点降下の大きいものを溶媒として行うことが多い。[山崎 昶]

溶液論

溶液のもついろいろな性質を熱力学や統計力学、量子力学などの見地から解明するものである。希薄溶液についての諸法則(ラウールの法則や、ファント・ホッフの浸透圧の法則、ヘンリーの法則、分配律)などは分子論的に、また統計力学的に基礎づけが成功した。これに比べると、濃厚溶液に関しては、デバイ‐ヒュッケルの理論などがあるが、まだ種々の困難な点もあり、完全な理論はまだ完成に至っていない。[山崎 昶]
『篠田耕三著『溶液と溶解度』(1966・丸善) ▽篠田耕三編『合成と溶解のための溶媒』(1969・丸善)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

よう‐えき【溶液】
〘名〙 二種またはそれ以上の物質がまじりあって均質になっている液体。溶けている物質を溶質、溶かしている液体を溶媒という。
※舎密開宗(1837‐47)内「金、銀、、鉛、蒼鉛の溶液を以て」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

溶液
ヨウエキ
solution

液体状態にある均一な混合物をいう.気体または固体が液体とまじって溶液をつくる場合,その気体または固体を溶質といい,液体のほうを溶媒という.液体と液体の混合の場合は,多量に存在するほうを溶媒とみなす場合が多い.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
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東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
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