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溶血性貧血【ようけつせいひんけつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

溶血性貧血
ようけつせいひんけつ
hemolytic anemia
赤血球の寿命 (正常では 120日) が短縮し,生成が破壊に追いつかなくなるために起る貧血。原因が赤血球自体にある内因性溶血性貧血と,赤血球外にある外因性溶血性貧血に分れる。貧血,黄疸脾腫を伴うことが症状の特徴である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ようけつせい‐ひんけつ【溶血性貧血】
溶血を起こし、赤血球の破壊が造血能力を超えるためにみられる貧血。先天的に赤血球の膜が弱い場合や自己免疫疾患薬物中毒などで起こり、貧血のほか脾腫(ひしゅ)黄疸(おうだん)などの症状を呈する。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

溶血性貧血
 溶血が起こって,もたらされる貧血.

出典:朝倉書店
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家庭医学館

ようけつせいひんけつ【溶血性貧血 Hemolytic Anemia】
[どんな病気か]
 骨髄(こつずい)でつくられた赤血球(せっけっきゅう)は約120日たつと、肝臓や脾臓(ひぞう)で破壊され、死滅します。この期間が短くなり、赤血球がつぎつぎに破壊されてどんどん溶けてゆき(溶血)、しかも新しい赤血球の生産が追いつかないためにおこる貧血が、溶血性貧血です。
 他の貧血に比べると、そう多くみられるものではありません。
[原因]
 溶血性貧血は、いろいろな原因でおこりますが、先天性のものと、後天性のものに大きく分けられます。
●先天性の原因
 生まれつき赤血球に異常があって、そのために赤血球が破壊されやすいものです。
 代表的な病気に、遺伝性球状赤血球症(いでんせいきゅうじょうせっけっきゅうしょう)があります。
●後天性の原因
 この代表は、自己免疫性溶血性貧血(じこめんえきせいようけつせいひんけつ)です。これは、なんらかの原因で、自分の赤血球を抗原(こうげん)(異物)とみなす抗体(こうたい)ができてしまい、この抗体が赤血球に結合して免疫(めんえき)の攻撃を受けて溶血がおこるもので、自己免疫疾患(免疫のしくみとはたらきの「自己免疫疾患とは」)の1つです。
 後天性の原因としては、発作性夜間(ほっさせいやかん)ヘモグロビン尿症(にょうしょう)(発作性夜間血色素尿症(ほっさせいやかんけっしきそにょうしょう))もあります。これは、ときに起床時の尿にヘモグロビンが混じって尿の色が変わることがある病気です。後天的に赤血球が補体(ほたい)(抗原と抗体の複合物に結合して異物の処理を助けるもの)と反応しやすくなり、そのために溶血がおこると考えられています。
[症状]
 貧血の一般症状(貧血とはの「貧血の症状」)のほか、壊れた赤血球の成分が皮膚に沈着するため、黄疸(おうだん)が現われます。
 溶血の程度はいろいろで、徐々に貧血と黄疸がおこってくることもありますが、急激におこることもあります。
 また、後天性の溶血性貧血は、寒冷、激しい運動やかぜ、薬剤の服用がきっかけとなっておこることもあります。
 溶血のために、ときに尿の色が濃くなり、ひどくなると、いつも茶褐色の尿が出ます。
 溶血が急におこった場合は、腹痛、発熱もみられます。そのほか、脾臓が腫(は)れることもあり、胆石(たんせき)ができることもあります。
[検査と診断]
 鉄欠乏性貧血の検査(「鉄欠乏性貧血」の検査と診断)と同様の検査のほかに、特殊な検査も必要なので、血液の専門医の診察も受けるようにします。検査そのものは、静脈から採血するだけですから簡単ですが、入院して精密検査を受けたほうが早く診断がつきます。
[治療]
 原因が先天性である場合は、脾臓を切除して赤血球の破壊を抑えます。後天性で、免疫が関係する貧血はステロイド(副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)や免疫抑制薬を使用します。
 溶血性貧血をおこす病気はほかにもいろいろあり、それぞれ治療法が異なります。

出典:小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

世界大百科事典 第2版

ようけつせいひんけつ【溶血性貧血】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ようけつせいひんけつ【溶血性貧血】
何らかの原因で赤血球の破壊が亢進した結果起こる、貧血を主症状とする疾患の総称。黄疸を伴う。先天的に赤血球に異常がある場合のほか、自己免疫疾患、薬物過敏症、新生児の Rh 不適合、異型輸血などで起こる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

溶血性貧血
ようけつせいひんけつ
hemolytic anemia
なんらかの機序によって赤血球の寿命(約120日)が維持できず、崩壊するためにおこる貧血をいい、単一の疾患ではなく一つの症候群である。その原因は多く、先天性(遺伝性)と後天性に大別される。
 先天性溶血性貧血には、赤血球膜の異常による遺伝性球状赤血球症や遺伝性楕円(だえん)赤血球症など、ヘモグロビンの異常による異常血色素症やサラセミアthalassemia(地中海貧血)など、赤血球酵素の欠乏によるものがあり、後天性溶血性貧血には、免疫学的機序による自己免疫性溶血性貧血や血液型不適合による新生児溶血性疾患などをはじめ、機械的障害、やけどなどによる物理的障害、ヘビ毒などによる化学的障害などに起因するものがある。なかには原因不明のものもある。これらのうち、代表的なものは遺伝性球状赤血球症、自己免疫性溶血性貧血、ABO式血液型不適合による新生児溶血性疾患である。
 主要症状は貧血、黄疸(おうだん)、脾腫(ひしゅ)であり、長期間溶血性貧血が続くとビリルビン結石による胆石を生じやすく、これに基づく腹痛がみられる。治療は各病型によって異なるが、遺伝性球状赤血球症には脾臓の摘出術、自己免疫性溶血性貧血には副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤の投与、新生児溶血性疾患には交換輸血がそれぞれ第一選択として行われる。[伊藤健次郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ようけつせい‐ひんけつ【溶血性貧血】
〘名〙 赤血球が体内で多量に崩壊し、造血能力を越えた時に見られる貧血。原因としては夜間発作性溶血性貧血などの先天性のものと、自己免疫疾患や薬物中毒による後天性のものがある。貧血、脾腫、黄疸を示す。

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

溶血性貧血
ようけつせいひんけつ
Haemolytic anaemia
(子どもの病気)

どんな病気か

 赤血球が何らかの原因で破壊され(溶血)、本来の赤血球の寿命よりも短くなることによって、貧血と黄疸(おうだん)が主な症状として現れる病気です。

 大きく先天性と後天性に分けられます。先天性の代表として遺伝性球状赤血球症を、後天性の代表として自己免疫性溶血性貧血(じこめんえきせいようけつせいひんけつ)について解説します。

 症状、検査、診断のあらましは、厚生省(当時)研究班の診断基準(表12)が参考になります。

細谷 亮太

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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溶血性貧血
ようけつせいひんけつ
Hemolytic anemia
(血液・造血器の病気)

どんな病気か

 ヒトの赤血球には約120日の寿命があります。この寿命が異常に短縮した状態を、溶血と呼びます。赤血球の寿命が短くなっても、ヒトの骨髄(こつずい)では普通の状態の6~8倍、赤血球を作る能力があるため、その程度が軽い場合には貧血は起こりません。赤血球の寿命が15~20日より短くなって、初めて貧血が起こります。

 溶血性貧血は、先天性のものと後天性のものとに分けられます。先天性では、赤血球そのものの異常が溶血の原因ですが、後天性の溶血性貧血は、発作性夜間血色素尿症(ほっさせいやかんけっしきそにょうしょう)などの一部を除いて、赤血球に対する抗体や、血管壁の異常などの赤血球以外の異常によって起こります。

 表3は溶血性貧血の分類を示しています。先天性では遺伝性球状赤血球症が、後天性では自己免疫性(じこめんえきせい)溶血性貧血が、それぞれの過半数を占めています。溶血が起こる場所には、血管のなかと、脾臓(ひぞう)をはじめとする網内系(もうないけい)組織との2種類があります。

原因は何か

 最も頻度の高い自己免疫性溶血性貧血では、赤血球を壊す自己抗体が体のなかにつくられてしまうことが原因です。ウイルス感染や、薬剤の使用に引き続いて起こることもありますが、ほとんどの例で誘因は不明です。全身性エリテマトーデスのような膠原病(こうげんびょう)悪性リンパ腫を合併している例もあります。

 また、血管壁の病的な変化や、外部からの物理的な力によって赤血球が壊されて起こるタイプの溶血性貧血(赤血球破砕(せっけっきゅうはさい)症候群)もあります。

 先天性の溶血性貧血では、遺伝子の異常のために赤血球の膜をつくっている蛋白や酵素に異常があるため、赤血球が壊れやすくなっています。

症状の現れ方

 溶血性貧血では、動悸(どうき)・息切れ・疲れやすさなどの通常の貧血症状に加えて、黄疸(おうだん)がみられることが特徴です。これは、壊れた赤血球内のヘモグロビンが体内で大量に処理された結果、間接ビリルビンという黄色の色素が体内で増えるためです。同時にこのビリルビンは尿中にも排泄されるため、尿の色が濃くなったり、血管内溶血の場合には赤色やコーラ色の尿が出たりすることもあります。溶血が慢性化すると、このビリルビンが胆嚢(たんのう)にたまるため、結石ができやすくなります。

 伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)(りんご病)の原因ウイルスであるパルボウイルスB19が溶血性貧血の患者さんに感染すると、急速に貧血が進行することがあります。

 溶血性尿毒素(ようけつせいにょうどくそ)症候群や血栓性血小板減少性紫斑病(けっせんせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)などの赤血球破砕症候群では、貧血症状に加えて発熱、腎障害、意識障害などがみられます。

検査と診断

 血液の検査が最も重要です。これによって、貧血とともに、間接ビリルビンや乳酸脱水素酵素(LDH)の上昇が示されれば、溶血が強く疑われます。

 軽度の溶血を検出する最も鋭敏な検査所見は、血清ハプトグロビンの低下と網赤血球の増加です。赤血球に対する自己抗体を検出する検査がクームス試験です。これが陽性であれば自己免疫性溶血性貧血と診断できます。前述した赤血球破砕症候群が疑われる場合に最も重要な検査は、赤血球の形態の観察です。遺伝性溶血性貧血を診断するためには、遺伝子や蛋白の異常を生化学的に証明する必要があります。

治療の方法

 自己免疫性溶血性貧血では、副腎皮質ステロイド薬(プレドニン)が第一選択薬です。これによって約9割の患者さんが改善します。これが無効の場合には、シクロホスファミド(エンドキサン)やアザチオプリン(イムラン)などの免疫抑制薬が使われます。最近では、抗体をつくっているBリンパ球に対するモノクローナル抗体製剤(リツキサン)が難治性の自己免疫性溶血性貧血に有効であることが示されています。

 遺伝性球状赤血球症やピルビン酸キナーゼ欠乏症などの遺伝性溶血性貧血では、脾臓を摘出することによって貧血が改善することがあります。

病気に気づいたらどうする

 家系内に溶血性貧血の患者さんがいる場合には、その患者さんの治療方針に準じます。家系内に同様の症状の患者さんがいない場合には、血液内科を受診して、溶血の原因をまず明らかにする必要があります。慢性溶血性貧血では、パルボウイルスB19感染による急速な貧血の進行と胆石に注意が必要です。

中尾 眞二

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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