●漢方【かんぽう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
漢方
かんぽう
中国の伝統医学の影響下に日本で発達した医療体系で,漢方医学ともいう。これに対して日本固有の医術を和方と呼び,江戸時代中期に日本に入ったオランダ医学を蘭方,以後のドイツ,イギリスのものを洋方と称した。現在,中国では伝統的な医学,医療を中医学と呼んでいる。中国医学の導入は,414年新羅から良医を招いたときといわれているが,隋,唐と直接交流が始ってから医書,医薬,医人を通して次第に体系を整えてきた。また僧鑑真 (がんじん,688~763) が教化のかたわら医療も伝えたという。古典としては張仲景の『傷寒論』『金匱 (きんき) 要略』 (200頃) ,李時珍 (1518~93) の『本草綱目』などが有名。江戸時代には吉益東洞 (1702~73) による古典への復帰が提唱される一方,漢方医の一部は漢蘭折衷,一部はそのまま蘭方に走った。明治政府はドイツの影響を受けて漢方廃止を策したが,近年,再評価されている。
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デジタル大辞泉
かん‐ぽう〔‐パウ〕【漢方】
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世界大百科事典 第2版
かんぽう【漢方】
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精選版 日本国語大辞典
かん‐ぽう ‥パウ【漢方・漢法パフ】
〘名〙 中国から伝わって日本で独自の発展をとげた医術。西洋医学に対していう。漢方医学。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
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