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漬物【つけもの】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

漬物
つけもの
食品貯蔵法の一種。主として野菜類の貯蔵を目的として寒い地域に発達している。米糠味噌酒粕醤油などに漬けるもので,その種類はきわめて多い。特に塩漬は,乾燥法とともに人類発生以来の食品貯蔵法の一つである。野菜類ばかりでなく,魚介類,果実類を漬けたものもいう。日本各地には有名な漬物が豊富であるが,世界の諸国にもキムチ (韓国) ,ザウアークラウト (ドイツ) ,ピクルスなど有名なものがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

つけ‐もの【漬物】
主に野菜を塩・(ぬか)・味噌・(こうじ)・醤油・酢などに漬けたもの。香の物

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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日本文化いろは事典

漬物
漬物は塩や酢、味噌などに野菜を漬け込んだものです。 から日本の食卓に登場している定番の食品で、自宅でも漬ける事ができ、生の野菜以上に野菜の栄養を摂る事ができます。 日本全国で製造されており、各地のお土産としても人気があります。

出典:シナジーマーティング(株)

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典

つけもの【漬物】
野菜などを塩・みそ・しょうゆ・酢・ぬか・酒かす・麹(こうじ)などで作った漬け床や漬け汁に漬け込み、保存性を高めた食品。◇「香の物」「香々(こうこう)」「新香(しんこ)」ともいう。

出典:講談社
(C)Kodansha 2010.
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世界大百科事典 第2版

つけもの【漬物】
野菜,果実,魚,鳥獣肉などを,塩,みそ,しょうゆ,酢,酒かす,こうじ,米ぬかなどでつくった漬床(つけどこ),あるいは調味液に漬けこんだ食品。乾物とともに最も基本的な食品加工法を用いたもので,材料の風味の良化とともに,多収穫時の防腐貯蔵,凶作時などに対する備蓄を要因として発達してきた。すしも本来は魚や鳥獣肉の漬物であり,塩辛も漬物の一種であるといえる。
原理と栄養]
 漬物の種類や材料は多種多様であるが,原理的に共通しているのは,材料の細胞機能の生活力を食塩などの浸透圧によって脱水して失わせ,漬液に含まれる食塩,糖,有機酸などの成分を細胞中に浸入させることである。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

漬物
つけもの

塩、糠(ぬか)、酒粕(さけかす)、しょうゆ、酢、みそなどの副材料を用いて、野菜、果実などの植物性食品、あるいは魚貝、肉、卵などの動物性食品を発酵させるか、味をなじませたものである。微生物による発酵を利用するものと、しないものがある。漬物の多くには塩が用いられる。粕漬け、みそ漬け、酢漬けなどは、いったん塩で下漬けしてから本漬けにすることが多い。

 漬物は世界各地にあるが、地域により、材料や気候風土の差異から特有のものが生まれている。日本は、野菜など植物性のものが主で、しかも、塩漬け発酵の漬物が主体となっているといってもよい。これは、日本の漬物が米飯によくあうのと、冬季の保存性などの点から普及したものであろう。なお、古代のすし(なれずし)である鰒鮓(あわびずし)、鮎(あゆ)鮓、猪(い)鮓、鹿(しか)鮓、あるいは魚醤(うおびしお)(塩辛)なども、魚肉、獣肉の漬物と考えてよい。

[河野友美・大滝 緑]

歴史

漬物は、もともと食品の塩漬け保存から出てきたものと思われる。塩があれば、漬物をつくることは容易である。漬物は、乾燥品とともに人類が知った最古の食品加工法であったといえよう。奈良時代には、ナス、ウリ、カブ、モモなどの野菜や果実を塩や酢、粕などで漬けて寺院の僧侶(そうりょ)の食用としていた。平安時代になると、漬物は宮中の重要な副食として扱われるようになった。『延喜式(えんぎしき)』(927完成)には、春にはワラビ、フキ、ニラ、ウリなどを塩漬けにし、秋にはナス、ショウガ、ダイズ、モモ、カキ、ナシなどを、塩、酒粕、ひしお、酒、みそに漬けていたとある。当時はこれらを漬物とか漬菜とよんでいた。須々保利(すずほり)、(にらぎ)(菹)などといわれていたのも漬物の古名である。は楡(にれ)の樹皮を乾かして粉にしたものをいっしょに漬け込んだのでこの名がつけられた。

 鎌倉時代には、酢漬け茗荷(みょうが)、胡瓜(きゅうり)甘漬けなどが精進料理に取り入れられ、漬物は室町時代に禅宗寺院で一段と発展した。生干(なまぼ)し大根を、糠や麹(こうじ)を加えて塩漬けにする、いわゆる沢庵(たくあん)漬けもこのころ始まった。漬物は初めは塩漬けや糠、樹皮などを加える程度であったが、みそ、酒、みりん、しょうゆなどの醸造品の発生により、みそ漬け、粕漬け、しょうゆ漬けなどの製造も行われるようになった。

 漬物を「香の物」と称するようになったのは、室町時代からである。各種の香を聞き分ける聞香(もんこう)で、嗅覚(きゅうかく)の疲れをいやすためにダイコンなどの塩漬けの香を聞いたことからこの別称が始まったという。また、種々の物を食べるとき、生ダイコン(季節外にはその漬物)を間に食べて、その香で口中の臭気を消したことによるともいう。ナスやウリなどの漬物は、足利(あしかが)将軍義政(よしまさ)が好んだもので、これは香の物とはいわず類香といった。『新猿楽記(しんさるがくき)』(平安後期)に、「香疾(かはやき)大根」の名がみえるが、おそらくダイコンの漬物のことをさしたものであろう。香の物は、本来みそ漬けに限るという説もある。みそを女房詞(にょうぼうことば)で「香(こう)」といったところから、この呼称が出たという。「香々」というのも同じくこの時代の女房詞であった。今日、漬物といえば野菜が主であるが、これは仏教伝来以来、肉や魚などを敬遠する傾向が強くなってからのことである。それより以前は、海や山からとれる肉、魚、野菜など、なんでも漬物にして貯蔵していた。

 江戸時代になると野菜の種類も多くなり、漬け方も単に野菜の貯蔵のみを目的とする域から脱して、風味を主とするようになり、当座漬け、一夜(いちや)漬けなどの方法も生まれた。香の物を「しんこ」とよぶようになったのは、古(ふる)漬けに対し当座漬けを好むようになり、新しい香の物、すなわち新香(しんこう)といったところからきたものである。

[河野友美・大滝 緑]

漬物の科学

漬物は主として塩漬け発酵が行われるが、これは、組織から余分の水分を出して腐敗を防ぐとともに、組織の中に含まれている酵素を利用し、さらに微生物の繁殖を食塩濃度で押さえ、乳酸菌など、有用な菌が繁殖するようにするためである。野菜類はその中に各種の酵素をもっており、また、糖類やタンパク質なども含まれている。したがって、短期間の浅漬けの場合では、こういった酵素が働いてうま味が出る。長期に漬けた場合は、微生物の出す酵素が材料に作用する。このような酵素類や微生物の働きは温度と関係し、温度が高いほど働きは促進される。しかし一方では、味が粗くなるし、また腐敗菌などの増殖、あるいは変色などもおこりやすい。したがって、一般に漬物は気温が低いときは食塩濃度を低くし、気温の高いときは食塩濃度を高くする。また、短期間に漬け終わるものは食塩濃度を低くし、長期に保存するものほど食塩濃度を高くする傾向がある。なお、粕漬け、みそ漬けの場合でも、初めに塩漬けするのは脱水が主目的である。漬物は食塩を使用して脱水することと保存することで、ビタミンCやカリウムなど、水に溶けやすいビタミンやミネラルの損失はかなり大きい。また、反面、乳酸菌の増殖によりビタミンB2は増加する傾向にある。さらに、糠みそ漬けのようなものの場合には、糠に含まれているビタミンB1などが漬物に浸透し、これらが増加する傾向がある。

 漬物では、漬けている間に変色する場合があり、これを止めるのに、ナスなどアントシアン系の色素を含むものでは、鉄塩類あるいはミョウバン、釘(くぎ)などを使用することが多い。また、漬物の緑色を保つために食品添加物で処理したりすることもある。このほか、きれいな紅色を出すためにアントシアンを含む赤シソの葉を利用することもある。ただし、この場合は酸性の強いものでないと赤く発色しない。漬物は漬かるとともに酸の量は多くなる。これが使用した食塩の塩味をまるくするとともに、保存性をよくする効果がある。この酸は主として乳酸が多く、そのほか、酢酸などもいくぶん含まれているようである。

 また、材料を日光で干してから使用する場合があるが、これは、甘味を増加させる目的のためである。たとえば、ダイコン、ハクサイ、キャベツなどには、いくらかの辛味成分がある。これは、日光に干すことで甘味成分に変化する。沢庵にするダイコンを十分に干すのは甘味を出すためで、一方、干さずに塩漬け後いきなり漬ける沢庵では甘味を添加する必要がある。

[河野友美・大滝 緑]

重石

漬物には重石(おもし)を使用するが、これは食塩による水分の浸出をよくするとともに、出てきた液汁が漬物材料に十分にかぶり、空気に触れないようにして、酵素や有用な微生物の働きをよくする効果がある。しかしいったん水が十分に出たら、ある程度重石を軽くしないと、漬物材料の水分がですぎ、筋(すじ)ばかりの堅い漬物になりやすい。したがって、重石の調節は漬物の重要な鍵(かぎ)であるともいわれる。なお、漬物材料に液汁が十分にかぶっていないときには、酸素を好むカビなどの微生物が生えやすく、このカビ類のなかには、植物の繊維、とくにセルロースを溶かす酵素セルラーゼを含むものがある。もしこのようなものが繁殖すると、漬物はどろどろになり、腐敗の状態となる。重石は腐敗防止のためにも重要な働きをしている。通常、重石は自然の石が使用されてきたが、最近は、プラスチック製で食品衛生上安全な基準のものが出回っている。なお、重石にコンクリートブロックを使用すると、漬物中の酸によって酸に溶けやすい石灰を主とするセメントが溶け、有害な不純物も入るおそれがあるので使わないほうがよい。大きな石がないときは、食品用プラスチック容器に、きれいな小石を詰めても代用できる。

[河野友美・大滝 緑]

種類

漬物の種類としては貯蔵期間別、副材料別、国別などに分類することができる。

 まず、貯蔵期間による分類では、即席漬け、当座漬け、保存漬けに分けることができる。即席漬けは早漬けともいい、1~2日のうちにできるものをさす。半日くらいで漬け上がるものを一夜漬けといい、材料の生に近い感覚と味を楽しむことができる。即席漬けでは、風味を増すためにショウガ、ミョウガ、シソ葉、トウガラシなどを加えることもある。当座漬けは2~3日から1~2週間でできるものをいう。保存漬けは2~3か月から半年以上も漬けるものをいう。保存期間が長いものや、ゆっくり発酵させるものほど塩分濃度を高める。

 調味料のような副材料を使う漬物には、次のようなものがある。もっとも一般的なものが塩漬けで、ダイコンの浅漬け、ハクサイの塩漬け、梅干し、京都のすぐき漬け、広島の広島菜漬け、長野の野沢菜(のざわな)漬けなどがある。糠漬けでは沢庵漬け、糠みそ漬け、イワシやサバのへしこなどがある。粕漬けは奈良漬け、守口(もりぐち)漬け、わさび漬け、酢漬けはらっきょう漬け、はりはり漬け、ピクルス、麹漬けはべったら漬け、三五八(さごはち)漬け、みそ漬けはゴボウのみそ漬けや魚や肉のみそ漬け、しょうゆ漬けは福神(ふくじん)漬け、松浦漬け、つぼ漬け、からし漬けはなす漬けやきゅうり漬けなどがあげられる。

[河野友美・大滝 緑]

外国の漬物

日本以外にも漬物をつくる国々があり、有名なものがいくつかある。ドイツではキャベツを塩漬け発酵したザウアークラウトがある。これは酸味の強い漬物で、ピクルスと並んで欧米の代表的な漬物である。ジャガイモ料理に付け合わせたり、ソーセージなど肉製品に混ぜて煮たり炒(いた)めたりして用いられる。インドのチャツネはよく熟した果実(おもにマンゴー)に酢、トウガラシ、ショウガなどの香辛料を加えてジャム状に仕上げたもので、インド料理の薬味として欠くことのできないものである。中国では日本と同様に昔から各種の漬物が発達し、たいせつな貯蔵食の一つとなっている。中国の漬物はニンニク、トウガラシ、ショウガ、粒サンショウなどの香辛料を巧みに用い、ハクサイ、キュウリ、ダイコン、キャベツなど各種の野菜が漬けられている。もっとも代表的なものに、日本でも親しまれているザーサイがある。朝鮮半島には、有名なキムチがある。キムチも冬の保存食の一つで、野菜だけでなく、肉類、魚貝類を材料として用いるものが多い。動物性の材料は味をよくするだけでなく、漬物の栄養価も高める。トウガラシ、ニンニク、ショウガなど香辛料を使うことが多い。

[河野友美・大滝 緑]

『小川敏男著『漬物製造学』(1989・光琳)』『河野友美編『新・食品事典8 漬け物』(1991・真珠書院)』『前田安彦著『漬物学――その化学と製造技術』(2002・幸書房)』『農山漁村文化協会編・刊『図解 漬け物お国めぐり 春夏編』『図解 漬け物お国めぐり 秋冬編』(2002)』『農山漁村文化協会編・刊『聞き書・ふるさとの家庭料理8 漬けもの』(2003)』『宮尾茂雄監訳『中国漬物大事典』(2005・幸書房)』『家の光協会編・刊『漬け物百科――旬を楽しむわが家の味』(2005)』『柳原敏雄著『漬けもの風土記 東日本篇』『漬けもの風土記 西日本編』(中公文庫ビジュアル版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

つけ‐もの【漬物】
〘名〙 塩・味噌・醤油・こうじ・ぬか・調味液などに漬けこんだ食品。広義には肉、魚、貝なども含むが、一般には野菜を漬けたものをいう。香の物。
※延喜式(927)三五「年料〈略〉韓櫃五合。〈四合納醤酢未醤并漬物料。一合納御米料〉」
※宇津保(970‐999頃)吹上上「十石いるばかりの瓶(へ)はたちばかりすゑて、さけつくりたり。す・ひしほ・つけもの、みなおなじごとしたり」
[補注]古くは菹(にらき)であり、香の物は室町時代ころから用いられ瓜の味噌漬けをさすことが多い。

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