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潜熱【せんねつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

潜熱
せんねつ
latent heat
物質が温度を変えないで,その状態 (気体液体固体) を変えるために吸収または発生する。たとえば融解熱 (→融解 ) ,気化熱 (蒸発熱または昇華熱) などがある。潜熱は単位量 (1g,1kg,または 1mol) あたりに要する熱量で表わされ,定まった温度では物質に固有の値をもつ。潜熱は一定の温度と圧力のもとで物質の相が転移する際に吸収または発生する熱量であるから転移熱とも呼ばれ,熱力学では2つの相のエンタルピーの差で与えられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

せん‐ねつ【潜熱】
内に潜んでいる熱。
「富と権力の底に圧搾された―の必然的爆発により」〈野上真知子
物質の状態変化のためだけに費やされる熱。融解熱気化熱など。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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岩石学辞典

潜熱
融解や気化など一次の相転移に伴う熱で,転移熱(heat of transition)ともいう[長倉ほか : 1998].

出典:朝倉書店
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栄養・生化学辞典

潜熱
 温度変化に寄与しない熱.気化熱,融解熱など.対語顕熱

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世界大百科事典 第2版

せんねつ【潜熱 latent heat】
一次相転移に伴って現れる熱。物質の温度は変化させないで,物質の状態を変化させるために費やされる。融解熱や気化熱などが潜熱の例であり,例えば0℃の氷1gを融解させるのに必要な融解熱は79.4calであるが,この熱を氷に加えても氷の温度は上昇せず,すべて融解に使われる。より大きな熱を加えた場合も融解が完全に終わるまでは温度は一定に保たれる。物体に熱を与えたとき,その熱量に比例して温度変化が現れる場合,この熱を潜熱に対して顕熱sensible heatということがある。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

潜熱
せんねつ

一般に物体に熱を加えれば物体の温度は上昇する。しかし、1気圧で氷に熱を加えると、0℃になるまでは温度が上がるが、その後はいくら熱を加えても、氷が融解してしまうまでは温度が上がらない。このように、加えても温度の上昇を伴わない熱を潜熱という。潜熱は、固体から液体といった状態の変化に際しておこる。融解に伴う潜熱を融解熱、蒸発に伴う潜熱を蒸発熱という。また、固体から気体に直接変化する昇華の際の潜熱を昇華熱という。

 潜熱は、固体、液体、気体の間の相転移の場合に限らず、固体の間の相転移でも存在する場合があり、この場合の潜熱を転移熱という。また一般に潜熱を伴う相転移を一次相転移という。磁性体の強磁性体―常磁性体転移は二次相転移で、転移点で比熱は大きくなるが、転移熱は存在しない。なお、一次の相転移では体積の変化を伴う。潜熱は一般に、単位質量当りの熱量で表すが、1モル当りの熱量で表すこともある。

 蒸発熱Lなどの精密な測定は、熱量測定に伴う誤差のため困難であるが、クラウジウス‐クラペイロンの方程式を用いれば、蒸気圧Pの温度による変化と、蒸発の際の体積の変化ΔVから間接に測定できる。この方程式は
  dP/dT=L/(TΔV)
である。なお、このような関係は他の相転移の場合にも適用できる。

[小野 周]

気象

気象学では水物質の状態変化に伴う潜熱をさす。熱帯洋上の空気は高温多湿であるが、この空気が上昇運動によって冷却すると、含まれている水蒸気が凝結し大量の潜熱を放出する。この潜熱は熱帯低気圧の主要なエネルギー源となっている。

[股野宏志]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

せん‐ねつ【潜熱】
〘名〙
① 内部にひそんでいて外にあらわれない熱。
※帰省(1890)〈宮崎湖処子〉六「情の潜熱、涙の伏流は、相思の幻影となりて」
※初年兵江木の死(1920)〈細田民樹〉三「今朝の驟雨に肌を洗はれた赭土の丘道は〈略〉潜熱を放射して」
② 固体が融解したり液体が蒸発したりするときなどに外部から吸収する熱量。状態の変化にだけ費やされ、温度変化が認められないところからこの名がある。融解熱、蒸発熱など。⇔顕熱(けんねつ)。〔工学字彙(1886)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

潜熱
センネツ
latent heat

物質の相変化のときに吸収される熱.このときには熱の吸収にもかかわらず温度は変化しない.液体の気化熱,固体の昇華熱,固体の多形変化に伴う転移熱などがある.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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