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炭焼き【すみやき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

炭焼き
すみやき
を生産すること,またはそれに従事する人。製炭労働の作業行程は,築窯,原木伐採,運搬,木拵 (きごしらえ) ,詰込み,炭化作業,窯出し,炭切り選別,俵装,その他製炭中寝泊りする小屋掛けなどに分れる。日本の製炭業は農家などの自営生産が大部分で,賃労働による企業的生産はごく少い。製炭労働者の賃金形態は出来高払いが一般で,炭窯 (なた) ,そりなどの生産手段を自弁するほか,その家族も補助的作業に参加する場合が多い。製炭労働者は 1948年約 40万,そのうち 70%は農業その他を兼業していた。第2次世界大戦後の燃料革命は薪炭地位を急激にくずし,65年を 100とする生産指数は 70年には 42.1,木炭 30.0に落ち,木炭生産者も激減した。しかし近年高級料理店や刀鍛冶の間で,あるいは川の汚水浄化などの目的で炭が見直され,各地で今日も伝統的な炭焼きが保持されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

すみやき【炭焼き】
木炭を作ること,またそれを生業とする人。炭焼きはほとんど山間農民の兼業として行われてきたが,それが一般化したのはむしろ明治以後といってよい。 古い専業的な炭焼きは,鉱山精錬鍛冶の技術に付随して発達したものであった。大分県の山村で木炭をイモジと呼んだのも鍛冶とかかわりのある鋳物師(いもじ)にもとづいた。滋賀県の比良山系周縁には,鉄滓(てつさい)の散布する多くの古代製鉄遺跡があるが,それらの付近に〈金糞(かなくそ)松ノ木〉とか,〈九僧谷(くそだに)〉(金糞谷の転訛か)と隣接して〈炭焼〉という地名が残存するのも,これと無関係ではない。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

炭焼き
すみやき

木炭を焼成すること、またはその業者。炭焼きはおもに山間農民の冬期の兼業として近年まで広く行われてきたが、その一般化はむしろ明治期以後で、古い専業的炭焼きはおもに鉱山の精錬業や鍛冶(かじ)に随伴した存在であった。たとえば砂鉄精錬組織としての「山内(さんない)」は、カンナ(鉄穴)、炭山、たたら、鍛冶の四部構成で、炭焼きが不可欠の存在であったことを示している。また古い漂泊性の強い金屋職人団にもかならず炭焼きの一団は随伴していた。黄金の価値も知らずにいたという「炭焼き長者伝説」にもこうした古い炭焼きの姿は反映している。

 平安期の貴族生活には暖房用に木炭が用いられ、さらに中世以後、茶の湯の普及と都市生活の発展に伴ってその需要もしだいに増していったので、京坂周辺にはそのためいくつかの製炭地(丹波(たんば)、近江(おうみ)など)が形成され、若干は製炭専業の山民も生じたらしい。しかし久しく一般農民のおもな燃料はいろり中心の薪(まき)で、自給用の炭焼きも古くからあったらしいが、その手法はきわめて簡略なもので、「炭かまど」を構築するまでには至らなかったらしい。モソロ、エダヤキ、バラズミヤキなど薪材を焼いて土をかぶせるか、あるいは坑をうがって薪材を蒸し焼きにするといった旧手法はいまも若干山村に残っている。

 近世に入ると、都市生活の一般化に伴い木炭の需要が高まって、製炭業もしだいに広まり、「炭かまど」を築いての製炭手法が創案された。都市周辺の山村には農民の兼業的炭焼きがしだいに増加していったが、なお木炭の一般需要は限られており、また製炭手法も未熟であった。木炭が薪材にかわる重要な燃料になるのはむしろ明治以後である。広く国中の山村に冬期兼業としての製炭稼ぎが一般化するのは明治末期以後のことで、黒炭・白炭などの製炭技法も格段に進んだ。そして国有林が東北山村などではその主給源になり、ときには「焼子」を雇っての大掛りな製炭業も一部には生じた。しかし今日、いわゆる「燃料革命」の結果、炭焼きはまったく過去のものと化しつつある。

[竹内利美]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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