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無神論【むしんろん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

無神論
むしんろん
atheism
神または絶対者あるいはそれに相当すると考えられるものの存在を否認する立場。たとえ神がいたとしても,その存在を知りえないとする不可知論とは区別される。歴史的には,真なりと確信する神または理念のために既存体制の神的なものを否定する者も無神論者と呼ばれ,裁いた側からみられたソクラテスや草創期のキリスト者などがその例であった。内容的には時代によって,懐疑主義,感覚論,実証主義,自然主義,実存主義,唯物論などと結びついてさまざまの様相を呈する。無神論哲学の確立者として歴史的に有名なのは,プロタゴラス,ラ・メトリー,オルバック,ニーチェ,さらにフォイエルバハ,マルクスなどである。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

むしん‐ろん【無神論】
神の存在を否定する立場。自然主義唯物論・無神論的実存主義などがこれに属する。⇔有神論
人格神論(有神論)に対して、汎神論理神論などをいう。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

むしんろん【無神論 atheism】
神の存在を否定する哲学的学説。有神論theismに対する。無神論という言葉はしばしば濫用されたが,汎神論理神論不可知論等と混同されてはならない。無神論は歴史的には多くの場合唯物論と結びついていた。古代における無神論の主要なものは,原子論的唯物論の立場に立つデモクリトスエピクロスルクレティウスの思想である。ルネサンス以降,古代思想の復興に伴いさまざまな無神論的傾向が現れたが,無神論が古典的形態をとって現れ,宗教にたいして公然と宣戦したのは,18世紀半ばのフランスの唯物論者たちにおいてである。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

むしんろん【無神論】
神の存在を一切否定する考え方。 ⇔ 有神論 「 -者」
狭義の有神論、すなわち神は唯一絶対の人格として世界を超越するとする一神論・人格神論に対して、多神論・汎神論あるいは理神論などの神把握をいう。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

無神論
むしんろん
atheism英語
Atheismusドイツ語
athismeフランス語
神が存在するということを否定する立場。ただし、そもそも「神」の定義は多様である以上、定義の選び方によってはどのような立場も無神論となり、またその逆もありえよう。実際、それぞれの文脈に応じてさまざまな主張が無神論とみなされてきた。
 古くは、社会に広く認められている特定の宗教に反する立場がときに「無神論」として非難、排斥された。アナクサゴラス、ソクラテスがギリシアの神々を認めないという理由で裁判にかけられたのはその例であり、ローマの公認宗教に参加しないキリスト教徒がこうよばれたこともあった。やがてはキリスト教を否認する者が無神論の名で排斥、差別されることにもなった。
 しかし今日では「無神論」は、このような否定的評価を含む語としてではなく、理論上の立場をさす語として使われる。その場合、無神論とは、「神」が有意味な語であることを認める場合には、神を人格的存在者であって、世界の創造者ないしはこれを支配する、非常に力ある者と解したうえで(このような表現が字義どおりに解されるにせよ、類比的に解されるにせよ)、そのような者は存在しないとする立場、また「神」は無意味または意味の不明確な語であるとする場合には、これを理由として「神が存在する」という主張を否定する立場のことである。
 無神論の主張は、神という観念の起源を神なしに説明することによってなされることもあるが、主たる論拠は、世界の存在は神なしに説明できること、および、神を仮定すると世界の状態が整合的に説明できないことに求められる。前者としては世界をただ物質のみから説明する唯物論があり、自然科学の発達に伴って有力な傾向となった。現代におけるマルクス主義と一部の実存主義の無神論にもこの傾向がある。また後者としては悪の存在からの議論がある。[清水哲郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

むしん‐ろん【無神論】
〘名〙 (atheism athéisme の訳語) 神の存在を否定する哲学上、宗教上の立場。理論上、懐疑論・感覚論・実証主義・唯物論と結びつくことが多い。
※真理一斑(1884)〈植村正久〉四「純然たる無神論を左証せんと欲せば此の際涯を究めがたき宇宙を尽く究察せざるべからず」

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