●熱処理【ねつしょり】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
熱処理
ねつしょり
heat treatment
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
ねつ‐しょり【熱処理】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
栄養・生化学辞典
熱処理
出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
ねつしょり【熱処理 heat treatment】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
熱処理
ねつしょり
物質を加熱したり冷却したりすると、内部構造(組織)に変化がおこって、性質が著しく改良されることがある。これを利用して工業材料の特性向上を図る技術を熱処理という。
鉄鋼材料は熱処理によって特性を大幅に変換しうる材料の代表例であり、自在に変形できるように軟らかくもなるが、逆に、鋼自身を削りうるほど硬くすることもできる。
の①は焼きならし処理を図示したもので、鋳造組織や鍛造組織など種々雑多な組織であったものが、この処理によって標準的な組織にならされるので、本来の熱処理に先だって、焼きならし処理が行われる。 の②は焼入れ・焼戻し処理であり、高温(約900℃)から急冷すると、鉄鋼に特有の相変化(マルテンサイト変態)がおこって、非常に硬い組織になる。このままではもろいので、200~600℃で再加熱(焼戻し)して、強靭(きょうじん)な鋼とする。よく知られた日本刀の焼入れ・焼戻しは、鎌倉時代初期に創案された熱処理法であり、今日、刃物や鋸(のこぎり)などの工具用鋼に行われている焼入れ・焼戻しと基本的には変わりがない。ジュラルミンは航空機の機体などに使用されている代表的なアルミ合金であるが、この材料も熱処理によって著しく強化される。
の①のように、まず高温(ただし融点以下)で加熱してから、急いで冷却する。この処理によって、アルミ結晶中に合金原子が余分に溶け込んだ状態(過飽和固溶体)になる。ここまでの熱処理を溶体化という。次に、100℃程度に再加熱(時効)すると、溶け込んでいた余分の合金原子が、微細な独自の結晶を組んで析出し、その結果、アルミ結晶が著しく強化される。この現象は析出硬化とよばれていて、アルミ合金だけでなく、ファインセラミックス材料の強化にもきわめて有効な熱処理である。また、析出に伴って強度以外の物理的特性も改善されるので、磁石材料の熱処理にも広く応用されている。の②は、加工法と熱処理法とを組み合わせて、結晶粒の微細化を行う方法を図示したものである。材料は一般に結晶粒が細かいほど強靭になるので、近年の構造用材料は、加工熱処理によって結晶粒を1マイクロメートル程度に制御されているものが多い。
[西沢泰二]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
ねつ‐しょり【熱処理】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
化学辞典 第2版
熱処理
ネツショリ
heat treatment
固体の金属あるいは合金に対して,溶融温度以下で所要の性能を付与するために行う加熱,加熱温度における保持,冷却操作の種々の組合せをいう.熱処理は加熱,冷却中の原子の拡散による均質化,再結晶,析出あるいは相変態に伴う性質の変化を利用したものである.鋼についてみれば,焼ならし,焼なまし,焼入れ,焼戻し,サブゼロ処理,浸炭,窒化などは熱処理である.ただし,単に熱間加工を行うための加熱,冷しばめ,焼きばめの加熱・冷却などは通常熱処理に含めない.また,熱処理はほかの方法と組み合わせて所要の性能を得ることを目的に行われることがある.たとえば,塑性加工と組み合わせた加工熱処理,磁石合金にほどこされる磁場中冷却などである.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「熱処理」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●熱処理の関連情報