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燃焼【ねんしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

燃焼
ねんしょう
combustion
酸化分解により強く発熱し,の発生を伴う反応。 1660年頃 R.ボイルと R.フック空気を排出した容器内では木炭硫黄も燃えないことを証明して以降,18世紀になって A.L.ラボアジエが燃焼に不可欠なものが酸素であることを明らかにした。燃焼が起る下限温度,下限混合比,上限混合比は物質により異なる。また燃焼は連鎖反応であるが,反応の初期には外部からエネルギーを与える必要がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ねん‐しょう〔‐セウ〕【燃焼】
[名](スル)
燃えること。物質が酸素と化合して光や熱を出す現象広義には、熱や光を伴わない酸化反応や、酸素でなく塩素弗素(ふっそ)などと反応して光や熱を出す場合にもいう。「ガスが燃焼する」「不完全燃焼
力のかぎりを尽くして事に当たること。「全生命を芸術に燃焼させる」

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

ねんしょう【燃焼 combustion】
物質が酸素などの酸化剤化学反応を起こして生成物になると同時に,熱や光の形でエネルギーを放出する現象をいう。したがって,これは物質変換の過程であると同時に,エネルギー変換の過程であるが,前者は実際にはあまり使われないので,利用上は後者がおもな対象となる。家庭用の厨房(ちゆうぼう)・暖房器具から自動車,航空機のエンジン,さらに工業炉に至る一連の機器,設備は制御されたエネルギー変換の例であり,逆に制御に失敗してエネルギーの暴走が生じたのが火災や爆発災害である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ねんしょう【燃焼】
スル
もえること。熱と光の発生を伴う激しい連鎖的な酸化反応。さらに激しい場合は爆発となる。酸化剤は普通は酸素であるが、塩素・フッ素などの場合もある。広義には、熱や光を伴わない酸化反応にもいい、また、原子炉内で進行する連鎖核分裂反応をもいう。
(比喩的に)情熱やエネルギーのすべてを注ぎ込んで事にあたること。 生命を-し尽くす ロプシャイト英華字典(1866~69年)に combustion の訳語として載る

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

燃焼
ねんしょう
combustion
物質が空気または酸素の中で、光や炎をあげて燃える現象をいう。しかしもっと一般的に炎をあげて燃える現象をさしていうことが多くなった。たとえば、フッ素や塩素の中ではいろいろな物質が炎をあげて燃えるし、原子吸光分析などでは一酸化二窒素(亜酸化窒素)によるアセチレンの燃焼なども利用する。塩素の中ではメタンやリンなどが炎をあげて燃える。これらも現象からみてやはり燃焼のなかに含めて扱うことが普通である。
 家庭での都市ガスやプロパンガスの燃焼やマッチ、落ち葉焚(た)き、花火などの卑近な例から、ロケットの推進に至る広い範囲で、化学エネルギーを熱エネルギーに変換するための手段として利用されている。
 なお、生体内の緩やかな酸化反応も燃焼ということがある。[山崎 昶]

燃焼の定義

よく「熱と火を伴った酸化反応」という定義がされているが、現在では化学反応に伴う熱エネルギーの移動と気体の流れの問題としての見方が主流である。この立場から燃焼現象を考えると、発火と火炎伝播(でんぱ)とに大別できる。後者は、火炎面に入ってくる燃料の未燃ガスの流れ方によって、層流火炎伝播と乱流火炎伝播とに分けられる。現象の関係する相が単一の場合は均一系、二相以上の場合は不均一系とよぶ。さらに、火炎面に到達するよりも前で、空気や酸素などの酸化剤と燃料気体が混合している「予混燃焼」と、混合が行われていない「拡散燃焼」に分けることも行われる。たとえば、薪(まき)や木炭などの固体の燃焼は、不均一系拡散燃焼である。[山崎 昶]

燃焼のための酸化剤

ほとんどの燃焼は酸素との反応であるが、前記のようにフッ素、塩素などのほか、硝酸塩や過塩素酸塩などを酸化剤として用いることもある。これらの酸化剤を「支燃性物質」といい、燃料のほうを「可燃性物質」という。よく新聞紙上に散見する「可燃性混合物」というのは、この支燃性物質と可燃性物質との混合物のことである。[山崎 昶]

燃焼の反応機構

一般に燃焼の主反応は気相中でおこるが、固体の表面に触媒作用をもつ箇所があると、この表面で酸化反応がおこり、表面燃焼が始まる。燃焼が始まるのに必要な最低温度は発火点とよばれている。よく手品に出てくる角砂糖に火をつけるトリックも、灰の中にある炭酸カリウム分などによる触媒作用で発火点が低下することを利用して、表面燃焼をおこさせるのにほかならない。物質が完全に燃焼するときに発生する熱量を燃焼熱heat of combustionといい、普通は物質1グラム当りあるいは1モル当りの値をキロカロリーで表す。発熱量という用語も、とくに工学の分野では用いられる。
 都市ガスの炎などは、均一系予混燃焼の例であるが、定常的な層流炎である。これが認められるのは、燃料ガスの流速と、混合気体の燃焼速度がうまくつり合ったときである。内炎は未反応の燃料気体を含み、還元性をもっているので還元炎という。外炎は酸化炎とよばれる。このような炎の特性は、吹管分析や熔球(ようきゅう)反応(リン塩球やホウ砂球)などの乾式の分析法に利用されるが、陶磁器のうわぐすりなども、この酸化炎と還元炎とで異なる色となることを利用することも少なくない。たとえば、銅イオンは還元炎では赤系統、酸化炎では青系統の色となる。
 このように身近な現象であり、100万年以上の人類による利用の歴史をもっているのだが、その機構や現象の解析にはまだ未知の点がある。基礎的な研究が進歩しだしたのはここ20年ぐらいであろう。とくに災害などとの関連もあり、また高速反応に対する研究手段も増加してきたためである。[山崎 昶]
『熊谷清一郎著『火』(岩波新書) ▽ファラデー著『ロウソクの科学』(三石巌訳・角川文庫/矢島祐利訳・岩波文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ねん‐しょう ‥セウ【燃焼】
〘名〙
① 燃えること。物質が熱と光を伴って酸化する現象。時に光や熱を伴わない酸化反応や、水素が塩素中で燃えたり、燐が塩素と反応して発熱・発光したりする場合のように酸素が関係しない場合にもいう。
※博物学階梯(1877)〈中川重麗訳〉「土質は礦物の一種にして〈略〉水に溶解せず火に熔鑠せず又着火燃焼することなし」
② 心の熱くわきたつこと。情熱や活力、肉体等の全てを傾けて事にあたること。
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉二八「命の心棒を無理に曲げられるとでも云はなければ形容しやうのない活力の燃焼(ネンセウ)を内に感じた」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

燃焼
ネンショウ
combustion

燃焼とは,熱と光を伴う酸化反応であるといわれる.しかし,この定義は必ずしも十分でなく,むしろ燃焼の現象は,化学反応を伴う熱移動と気体の流れの問題であるというのが,最近の燃焼学の立場である.その意味で燃焼は,熱,流れ,化学反応の境界領域の現象としてとらえることが必要である.燃焼の現象は,これを時間的に分けると発火と火炎伝搬に大別されるが,後者は火炎面に入る未燃ガスの流れの状態により,層流火炎伝搬と乱流火炎伝搬に分かれる.発火と火炎伝搬を比べると,多くの場合,後者は定常問題として取り扱えるのに対し,前者は現象が非定常なため難しい点が多い.また,燃焼は現象の関係する相が一つであるか,二つ以上にまたがるかによって,均一系不均一系の燃焼に分かれ,さらに空気などの酸化剤が火炎面の上流で燃料と混合しているか否かにより,予混燃焼と拡散燃焼に分類できる.工業的に利用される気体燃料では,均一系の予混燃焼が多いが,液体や固体のそれは,不均一系の拡散燃焼となる.燃焼は,家庭用のガスコンロから宇宙ロケットに至る広い範囲に利用されているエネルギー変換の一つで,その使用の歴史はいちじるしく古いが,その機構や現象の詳細は,いまなおわからない点が多く,基礎的な研究が進んだのは,ここ50年ぐらいにすぎない.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
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東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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