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爬虫類【はちゅうるい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

爬虫類
はちゅうるい
Reptilia; reptile
脊椎動物門爬虫綱に属する動物の総称。石炭紀に現れ,中生代繁栄した動物群で,進化の系統では両生類鳥類哺乳類の中間に位置する。皮膚を保護するをもち,陸上に卵を産むことで,地上のほとんどの場所で活動できるようになり,形態は多様化した。現生種はカメ目 Chelonia,ムカシトカゲ目 Rhynchocephalia,トカゲ目 Squamata,ワニ目 Crocodiliaに分けられるが,恐竜類や翼竜類などのようなすでに絶滅したものも多数含まれる。
体は一般に角質の鱗でおおわれ,ほとんどがない。体の大きさは,体長約 35mmのヤモリの仲間から 9mに達するアナコンダまで実にさまざまである。現生のカメで最大のオサガメは,体重が 600kgをこえる。ヘビ類と一部のトカゲを除いた爬虫類は四肢をもつが,体側から側方に突き出てから下方に曲っているため,前進するとき左右にも体が揺れてしまい運動の効率は良くない。しかしワニ類トカゲ類は体を持上げて走ることができ,そのスピードは意外に速い。陸性で脚をもたない種類は,体の下面で地面や岩などの固い場所を後方へ押しやって移動する。樹上性のニシキヘビやカメレオンは,尾を枝に巻きつけて体を保持し,移動する。また,ヤモリが壁をよじ登れるのは,小さな鉤の沢山ついた指の裏で,壁面のわずかな突起を捕えているからである。爬虫類のなかには水中で生活するものもいるが,そのほとんどが尾を使って泳ぐ。
心臓は2心房2心室をもつが,心室間の隔離は原則として不十分である。肺呼吸をし,体温は変温性である (→変温動物 ) 。ムカシトカゲ以外の雄は交接器をもち,体内受精を行うが,トカゲ類とヘビ類のなかには単為生殖を行うものも知られている。一般に殻に包まれた比較的大型の卵を産む。まれにマムシのように胎生の種もある。卵の数はカメの仲間で一度に最高 200個も産むものもいるが,ヤモリで通常2個,ワニで 20~70個程度である。卵は発生中に羊膜と尿膜ができるのが特徴で,羊膜は卵を乾燥から守り,尿膜は呼吸器官として機能する。爬虫類,鳥類,哺乳類だけに羊膜ができるので,これらを総称して羊膜類ともいう。排泄器は後腎。世界で 6000種余が知られており,温帯から熱帯にかけて広く分布する。しかし食用あるいは皮革製品用に狩猟され,これまでに多くの種が絶滅した。ごく一部の限られた地域を除いて,人間に危害を加える有毒な種はほとんどない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

はちゅう‐るい【×爬虫類】
爬虫綱に分類される脊椎動物の総称。カメトカゲヘビワニなど。変温動物で、体は表皮の角質化したうろこで覆われ、四肢は短小または退化して消失大部分陸生で、肺呼吸を行う。卵生、一部は卵胎生古生代二畳紀両生類から進化し、中生代に繁栄して恐竜など大形種も生じていた。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

はちゅうるい【爬虫類 reptile】
脊椎動物門爬虫綱Reptiliaに含まれる,角質の体鱗に覆われた変温動物の総称。古生代末期に両生類から分化し,陸上に進出して中生代に大きな発展を遂げ,恐竜時代または爬虫類時代と呼ばれる繁栄を築きあげた。しかし中生代末には急速に衰退した。その原因はわかっていない。現生の爬虫類は,カメ類,ムカシトカゲ類,トカゲ類,ヘビ類およびワニ類の総計約6200種が知られ,熱帯・亜熱帯地方を中心に,南極を除く世界の各大陸および諸島に分布し,一部は北極圏に達している。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

爬虫類
はちゅうるい
reptile

脊椎(せきつい)動物門爬虫綱に属する、角質の体鱗(たいりん)に覆われた変温動物の総称。この仲間Reptiliaは次のような歴史を有する。

[松井孝爾]

系統と進化

爬虫類は古生代末期に両生類から分化し、乾燥に強い皮膚と発達した四肢を備え、卵殻をもつ有羊膜卵(発生過程で羊膜を生ずる卵)を陸に産むことで、陸上に進出した。やがて、中生代には大発展を遂げて、爬虫類時代とよばれる繁栄を築きあげた。爬虫類の最初の祖先型は、ペルム紀(二畳紀)に出現したリムノスケリスLimnoscelisなどの杯竜(はいりゅう)類で、すでに爬虫類型の骨格を完成しており、その起源は、両生類と爬虫類の両方の特徴をもつシームリアSeymouria類と考えられている。ジュラ紀から白亜紀にかけて、大形恐竜類を含む多数の群に分化し、陸ばかりでなく海、空にまで生活圏を拡張していった。しかし中生代末期には不明の原因で急に衰微し、かわって爬虫類から分岐した哺乳(ほにゅう)類、鳥類が台頭するようになった。爬虫類の現生種はカメ、ムカシトカゲ、トカゲ、ヘビ、ワニの総計約6000種で、南極を除く世界の各地に分布する。

[松井孝爾]

形態的特徴

体表は鱗(うろこ)または角質の皮膚に覆われ、分泌腺(せん)が乏しくて乾燥している。体鱗は表皮の表層が角質化したもので、さらに骨質の皮骨を含むものも少なくない。カメレオンをはじめ樹上性のトカゲ類には、真皮内の色素胞の収縮・拡張による体色変化を利用した、効果的な保護色をもつものが多い。脱皮は、成長に伴って表皮の角質部が脱落するもので、ヘビでは全身が一度に、トカゲでは部分的に、カメやワニでは徐々に行われる。骨格は両生類よりもさらに硬骨化し、頭骨はただ1個に減った後頭顆(こうとうか)(後頭部にあるくぼみ)で頸椎(けいつい)と関節するため、頭部はかなり自由に動く。頭骨の構造、とくに側頭窓(目の後方にある開口部)の数や位置は分類上重要な要素であり、全体が6ないし7群(亜綱)に分類される。そのうち現生種が含まれるのは次の3群のみで、他はすべて絶滅した化石種である。

[松井孝爾]

現生種

(1)無弓亜綱Anapsida もっとも原始的な一群で杯竜類も含まれる。頭骨は堅固な少数の骨で構成され、側頭窓がなく側頭部は完全に覆われている。現生種はカメ目だけで、甲を備えた祖先型はすでに三畳紀に出現していた。甲は、皮骨である骨板と脊椎骨、肋骨(ろっこつ)、鎖骨が結合した堅固な箱形で、表面は角質の甲板(こうばん)(鱗板)で覆われるが、一部では二次的に甲や甲板が退化している。上下のあごとも歯を欠くが、祖先型では口蓋(こうがい)に歯を残していた。肛門裂(こうもんれつ)は体軸に平行である。すべて卵生で、水生・海生種も陸で産卵する。11科約220種が知られ、頭頸部の引っ込め方で、潜頸亜目と曲頸亜目に大別される。

(2)有鱗亜綱Lepidosauria 原則として上下2個の側頭窓があり、体表は角質化した細鱗で覆われる。肛門裂は体軸に直角である。三畳紀初期に分化して栄えた喙頭(かいとう)目は、現在ムカシトカゲ科の1種がニュージーランドに生存するだけである。有鱗目で現存するのは、トカゲ亜目の約23科3400種とヘビ亜目の約11科2500種で、側頭窓は下方で不完全となって1個しかなく、下あごは方骨を介して頭蓋に緩く関節するため、口を大きく開くことができる。

(3)鰐形(がくけい)亜綱Archosauria 上下2個の側頭窓をもち、肛門裂は体軸に平行である。代表的な大形恐竜を含み、現生種は槽歯目から分化したワニ目の2科23種である。歯並びや鱗板の違いで、アリゲーター科とクロコダイル科に分類される。全長3~7メートルの大形種が多く、爬虫類ではもっとも強力な存在である。

 爬虫類は、毒ヘビと少数の大形ワニが人畜に被害を与えるが、反面、多くの種が農林業の害獣であるネズミ類や小哺乳類をとらえて、役だっている。一部が食用、細工物の材料、ペット、民間薬用に供せられる。

[松井孝爾]

『『小学館の学習百科図鑑36 両生・はちゅう類』(1982・小学館)』『『学研の図鑑 爬虫・両生類』(1973・学習研究社)』『中村健児・上野俊一著『原色日本両生爬虫類図鑑』(1963・保育社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

はちゅう‐るい【爬虫類】
〘名〙 脊椎動物門、羊膜亜門の一綱。カメ、トカゲ、ヘビ、ワニなどを含む。皮膚に表皮性の角鱗があり、皮腺は少なく乾いている。骨格は両生類より化骨し、大部分陸生で肺呼吸を行なう。心臓は二心房一心室であるが心室には不完全ながら中隔がある。ヘビおよびトカゲ類の一部に無肢のものがある。外温動物で卵生または胎生。化石時代には大形の爬虫類(恐龍など)が繁栄していた時代があった。爬虫綱。爬虫動物。〔動物小学(1881)〕

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