●片岩【へんがん】
片岩
へんがん
schist
結晶片岩と同義語。岩石組織に基づく
変成岩分類の一種であって,原岩の化学組織には関係なく,中粒または粗粒で
片理のよく発達した変成岩の
総称。しばしば縞状組織を伴っている。片岩は,主成分
鉱物,おもな
有色鉱物,特徴的な鉱物の名前をつけて,たとえば
柘榴石=黒
雲母片岩というように命名される。泥質岩起源の片岩は,多量の雲母類を含み,雲母片岩と呼ばれる。塩基性火成岩起源で低温の変成作用を受けてできた片岩は,緑泥石,
アクチノ閃石,緑簾石,
曹長石などを含み,肉眼的に
緑色に見えるので
緑色片岩と呼ばれる。泥質岩起源の
広域変成岩は,変成温度が高くなって再結晶作用が進むにつれて
粘板岩→千枚岩→片岩→片麻岩というように岩石組織が変化する。
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片岩
プリニーは,schistos,schistonという名を容易に裂けやすく葉状や繊維状になる種々の鉱物質物質に付けた[Pliny : 77].ギリシャ語のschistosは裂ける,割れる,分けられたなどの意味で,これがラテン語の(lapis)schistosとなり,近代ラテン語のschistusを経て,英語のschistとなった[ランダムハウス : 1994].現在片岩は中粒から粗粒の葉状構造を持つ変成岩の一般名として使用されている.スレートや千枚岩よりも粗粒であり,普通は各構成鉱物を肉眼で区別できる程度の粒度を示している.片状構造は雲母,緑泥石,滑石,角閃石などの葉状の鉱物が面状あるいは伸張した配列によって作られる.石英や方解石のように通常は粒状の形状の結晶でも偏圧を受けると伸長した形状をとるようになる.岩石を片理に沿って割った場合に,片岩は各葉状部分が鉱物学的に類似しているが,片麻岩では互層している帯または葉状部分が鉱物学的に異なり,裂け方も著しくない傾向がある.片岩の片理は原岩の層理ではなく,均質な岩石が変成分化作用によって形成された組織である[Turner & Verhoogen : 1960, Winkler : 1976].片岩には非常に多くの種類があり,含まれる特定の鉱物の量に応じて鉱物名を接頭語に付けて使われる.
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へんがん【片岩】
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へん‐がん【片岩】
〘名〙 広域変成作用によって、鉱物が平行に並んで発達し、それに沿ってはがれやすい性質(片理)をもつ変成岩。構成鉱物粒が肉眼でみとめられる程度に粗粒であるものは結晶片岩という。〔英和和英地学字彙(1914)〕
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へん‐がん【片岩】
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