@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

物自体【ものじたい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

物自体
ものじたい
Ding an sich; thing in itself
カント学の基本概念。「本体」とも訳される。「物」「現象」に対する語。カントによれば,現象は認識主観によって構成されるものであり,物自体ではない。物自体はむしろ現象の根源にあるもので不可知物であるが,思惟可能な仮定であり,カントはこれを現象の背後に仮定せざるをえない思惟の要請であるとした。また彼は実践哲学においても,自由の可能を保証するものとして物自体の世界を実践理性の要請であるとした。カント以後,この物自体の概念をめぐって,ドイツ観念論新カント学派弁証法的唯物論立場からさまざまな解釈批判や展開が試みられた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

もの‐じたい【物自体】
《〈ドイツ〉Ding an sichカント哲学で、感官を触発して表象を生じさせることによって、われわれに現れた限りでの対象(現象)の認識を得させる起源となるが、それ自体は不可知であるもの。現象の背後にある真実在。本体。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ものじたい【物自体】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ものじたい【物自体】
カント哲学の中心概念。経験的認識の対象である現象としての物ではなく、現象の起源として主観とは独立にある物そのもの。物自体は認識できず、ただ思惟されるだけのものであるが、超越論的自由はそれにおいてこそ可能となる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

物自体
ものじたい
thing in itself英語
Ding an sichドイツ語
chose en soiフランス語
カントの用語。カントによれば、われわれの周辺に広がる世界は、従来思われてきたように物のあるがままに現れているものではなくて、感性の先天的形式(空間・時間)を通して外から与えられた物が、悟性の先天的形式(範疇(はんちゅう))によって総合的に構成されたものである。したがって、われわれのもっとも素朴な感覚与件でさえ、すでに空間・時間という主観の形式を経由したものであるから、われわれは感覚を刺激する外なるものをそのあるがままに認識することができない。それをカントは物自体とよぶ。のち『実践理性批判』においては、物自体の世界を自由の概念と結び付けて、現象界に対して叡智界(えいちかい)と名づけた。物自体概念は、カント哲学の要石(かなめいし)であると同時に、批判が集中した概念であり、その後のドイツ観念論の発展――フィヒテの自我概念に始まる絶対者概念の成熟――はそのままこの概念に対する批判的発展であったともいえる。[武村泰男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

もの‐じたい【物自体】
〘名〙 (Ding an sich の訳語) カント哲学で、われわれが経験的に知り得る現象としての物とは別に、それ自体としてあると考えられる物そのもの。これは我々の感官を触発して表象を生じさせるが、それ自体がどんなものであるかは不可知であるとされる。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

物自体」の用語解説はコトバンクが提供しています。

物自体の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation