@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

独占禁止法【どくせんきんしほう】

デジタル大辞泉

どくせんきんし‐ほう〔‐ハフ〕【独占禁止法】
《「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」の略称》トラストカルテルなどによる競争の制限や事業活動の不当な拘束を排除し、企業結合などによる過度の経済力集中を防止して公正かつ自由な競争を促進し、国民経済の健全な発達を目的とする法律。昭和22年(1947)施行独禁法

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ナビゲート ビジネス基本用語集

独占禁止法
「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」の略称。通称、独禁法。企業間の自由競争を維持することで、市場の健全な発展と消費者利益の保護を目指す法律。私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法などを禁止し、不正行為があった場合は公正取引委員会によって審査される。

出典:ナビゲート
Copyright (C) 1999 - 2010 Navigate, Inc. All Rights Reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

どくせんきんしほう【独占禁止法】
1947年,占領政策一環としてなされた財閥解体等の経済民主化政策の成果を恒久的に日本に定着させるために,アメリカのアンチ・トラスト法(反トラスト法)をにとって制定された法律。市場における公正で自由な競争を促進することにより,一般消費者の利益を確保し,同時に,国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的としている。正式名称は,〈私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律〉。独禁法と略称。
[性格と各国の状況]
 資本主義経済体制は,ヨーロッパにおける市民革命によって確立した個人主義と自由主義とに基づく市民法体系をその法的な基盤としている。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

どくせんきんしほう【独占禁止法】
正称、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律。1947年(昭和22)制定。私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止し、公正かつ自由な競争を促進することにより、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の健全な発達を促進することを目的とする。事業者による私的独占・不当な取引制限及び不公正な取引方法・事業者団体による競争制限行為等の禁止のほか、公正取引委員会等についても定める。独禁法。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

独占禁止法
どくせんきんしほう
昭和22年法律54号。正称「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」。独禁法とも略称される。私的な独占や不当な取り引きを制限し,不公正な取り引きを禁止することをもって自由競争を促し,事業活動の活発化,消費者の利益保護をはかることを目的とする。この目的を達成するために公正取引委員会が設けられている。1977年の改正によって,独占的状態が存在する場合の営業の一部譲渡を含む企業分割を内容とする排除措置命令,カルテルに対する課徴金制度の新設,会社の株式保有についての総量制限,金融会社の株式保有制限の強化,高度寡占業種における価格の同調的引き上げに対する公正取引委員会の報告聴取権などが新設,または改正された。さらに既往の違反行為に対する排除措置の制度や,独占禁止法違反行為に対する罰則の強化などを含めて,独占禁止法制の強化がはかられ,経済民主化の基本法としての独占禁止法制が堅持される方向が示された。1989年以降の日米構造協議におけるアメリカ合衆国の対日要求では,排他的取引慣行の是正として同法の強化が織り込まれた。1997年,日本版ビッグバンの一環として金融持株会社を含む持株会社の解禁を盛り込んだ改正が行なわれた。(→反トラスト法

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

独占禁止法
どくせんきんしほう
Antimonopoly Act
1947年(昭和22)、GHQ(連合国最高司令官総司令部)による占領政策の一環としてアメリカ反トラスト法を手本として制定された法律。正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(昭和22年法律第54号)。独占禁止法と呼称されることが一般的で、独禁法と略称されることもある。執行機関は公正取引委員会(公取委)。事業者間の公正な競争を確保することにより、国民経済の民主的で健全な発達、および消費者の利益確保を目的としており、経済法分野における中心的役割を担う法律である。[金津 謙]

概要

独禁法は、事業者・事業者団体、役員・従業員など違法行為の実行役を適用対象とし、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法の3類型を禁止するとともに(独禁法の3本の柱)、これら禁止行為を抑制するためのさまざまな補完規定から構成される。
 第一の柱は、私的独占の禁止である。単なる独占ではなく「私的」独占としたのは、当時法律で認めていた独占(公的独占)と区別する必要があったためで、企業の所有形態を表すものではない。私的独占とは、市場支配力を獲得することに成功した事業者が、不当に他の事業者の事業活動を支配(支配型私的独占)、もしくは市場から排除(排除型私的独占)するような場合である。単に事業者が市場での競争に勝利し、その規模を拡大した結果、競争者が排除されるような場合ではなく、獲得した市場支配力を悪用し、市場における事業者間の公正な競争を阻害することを禁止しているのである。また、同様に企業間の合併、経営統合、持株会社、役員の兼任なども事業支配力の集中度が高まることで、事業者間の競争が阻害されるおそれが生じることから、規制の対象としている。さらに、市場支配率が1社で50%を超えるような独占的状態にある場合、競争回復のため、公取委により事業の一部譲渡が命ぜられる旨の規定がある。
 第二の柱は、不当な取引制限の禁止である。一般にはカルテル、入札談合と呼称されることがきわめて多い。カルテルは競争関係にある複数事業者間において交わされる競争停止契約である。たとえば価格カルテルの場合、それまでさまざまな価格で販売されていた商品が、事業者間の合意により、価格メカニズムを無視した横並びの価格となってしまうのである。公共工事などで行われる入札談合も同様である。国民経済に対して与える影響が強いことから厳格な規制が行われている。
 第三の柱は、不公正な取引方法の禁止である。私的独占、不当な取引制限が事業者の市場支配力を形成し、維持・強化することを目的としているのに対して、不公正な取引方法は、公正な競争を阻害するおそれのある行為を規制することにより、市場支配力の形成を未然に防止することに重点をおいた予防的規定といえる。不公正な取引方法に該当する行為には、共同の取引拒絶、差別対価、不当廉売、再販売価格の拘束、優越的地位の濫用が規定されている。さらに、公取委による指定制度が導入されており、公取委が公正な競争を阻害するおそれのある行為を指定し、不当廉売、欺瞞(ぎまん)的顧客誘引、抱き合わせ販売などが規制対象とされている(一般指定)。そのほか、特定の業界のみが対象となる行為として、大規模小売業者が行う不公正な取引方法、特定荷主が行う不公正な取引方法、および新聞業界の不公正な取引方法を指定している(特殊指定)。また2000年(平成12)改正で、不公正な取引方法により損害を受けるかもしくは受けるおそれがある場合、裁判所に対してその侵害行為の停止、もしくは予防を請求することが可能となっている(差止請求)。[金津 謙]

罰則

違反行為に対する制裁は、主として行政罰である課徴金、刑事罰として罰金刑と懲役刑が規定される。課徴金はその対象行為と算定率が拡大し、現在では私的独占、不当な取引制限、国際協定・契約、事業者団体の行為、不公正な取引方法の一部が対象となる。また、課徴金額は行政機関である公取委の裁量を排除する目的から、違法行為実施期間の売上額に一定の算定率を乗じた金額となっている。2005年改正により、事業者が自ら関与した入札談合やカルテルの事実を公取委へ申告することにより制裁措置が減免される課徴金減免制度が導入された。刑事罰については、公取委より検事総長への刑事告発依頼を待って、訴追が行われる。たとえば私的独占、不当な取引制限、事業者団体の競争制限行為に対しては、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、および法人に対しては5億円以下の罰金が科されるという重い刑罰が規定されている。しかし、刑事告発された件数は2015年時点で20件程度であり、公取委が摘発した違反事件のごく一部に限定されている。[金津 謙]

沿革

日本は戦後GHQによる占領を受けるが、独禁法はその対日占領政策、「経済の民主化」を実現する目的から制定された法律である。GHQは戦前の持株会社方式による財閥支配型の経済体制が、日本を戦争に導く一因となったと考え、1945年11月、持株会社整理委員会を設立し財閥を解体。1947年過度経済力集中排除法(昭和22年法律第207号)により、市場支配力をもつ企業を分割した。独占禁止法は、ふたたび戦前の経済体制に戻ることのないよう、自由主義・資本主義経済体制を維持する役割を担うこととなる。[金津 謙]

法の変遷

制定当初の独禁法は、持株会社の設立・転化禁止、事業会社の株式保有の原則禁止、合併は認可制とし、きわめて限定的な場合のみ認めるなど、厳格な規定を設けていたが、1949年改正、1953年改正により大幅な規制の緩和が行われた。その後、独禁法政策は低迷し、昭和40年代には、過度経済力集中排除法により分割された企業の再合併などが急増する。しかし、1977年改正は、オイル・ショックによる物価高、さらに石油闇(やみ)カルテル事件などにより、国民による規制強化の声が高まったことから、課徴金制度の導入、独占的状態の規制など、規制が強化された。1997年(平成9)改正で持株会社制度が解禁されるが、その後も厳格化の改正は続く。2005年改正により、課徴金算定率の引上げ、課徴金減免制度の導入、違反行為への迅速対応を可能とする審判手続の見直しが行われ、さらに公取委に令状に基づく強制捜査を認める犯則調査権限が導入されている。2009年改正では、課徴金の対象行為が拡大され、課徴金減免制度の多様化、カルテルに対する懲役刑の厳罰化が行われた。
 このような独禁法厳格化の一方で、2013年改正では、公取委の象徴的な権限である審判制度が廃止された。それまで、公取委の下した排除措置・課徴金納付命令に不服である場合、公取委に不服申立てを行うこと(審判制度)が定められていたが、処分庁に対して不服申立てをすることに対しての経済界からの不満の声にこたえたものである。[金津 謙]
『谷原修身著『新版 独占禁止法要論』第3版(2011・中央経済社) ▽土田和博・栗田誠・東條吉純・武田邦宣著『条文から学ぶ独占禁止法』(2014・有斐閣) ▽久保成史・田中裕明著『独占禁止法講義』第3版(2014・中央経済社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

どくせんきんし‐ほう ‥ハフ【独占禁止法】
〘名〙 「私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律」の略称。昭和二二年(一九四七)経済民主化の一環として、財閥解体のあとを受け、独占の再生を防止するために制定された法律。業者間での生産量・価格・販売量などについてカルテル協定を結ぶこと、持株会社を設立すること、不公正な取引で会社を合併することなどを禁止・制限している。独禁法。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

独占禁止法」の用語解説はコトバンクが提供しています。

独占禁止法の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation