●狭骨盤【きょうこつばん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
狭骨盤
きょうこつばん
contracted pelvis
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家庭医学館
きょうこつばん【狭骨盤 Contracted Pelvis】
お母さんの身長が低い(一般には145cm以下)場合や、予定日近くなっても胎児(たいじ)が骨盤の中に降りてこない場合、陣痛(じんつう)があるのにお産が進まない場合などに、骨盤の大きさや形をみるためにX線写真を撮ることがあります。このX線写真の結果、正常な人と比べて骨盤が狭い場合を狭骨盤といいます。骨盤の狭さの程度により、狭骨盤と比較的狭骨盤(ひかくてききょうこつばん)に分類されます(図「狭骨盤の定義」)。
[治療]
比較的狭骨盤の場合、経腟分娩(けいちつぶんべん)(正常にお産すること)が可能なこともありますが、一般的には、いつでも帝王切開(ていおうせっかい)(「特殊な分娩」の帝王切開術)ができる準備をしながら、お産に臨むことが多いものです。胎児の大きさやむき(さかごなど)によっては、お産が進まない可能性が高いので、そのときは帝王切開を行ないます。狭骨盤の場合は、帝王切開を行ないます。
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世界大百科事典 第2版
きょうこつばん【狭骨盤 contracted pelvis】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
狭骨盤
きょうこつばん
分娩(ぶんべん)時に胎児が通過する骨産道が狭く、通常の大きさの胎児が通過できないことが多いものをいう。分娩の3要素である産道、胎児、陣痛は互いに関連があり、骨産道が狭いと児頭の回旋がうまく行われなかったり、陣痛も強くなりすぎたり微弱になったりする。骨盤骨折などが原因で、変形のために骨盤腔(くう)が一部狭くなっているものを除けば、骨盤腔が全体的に小さいものが多い。骨産道の上縁に相当する骨盤入口部の縦径である恥骨結合後面と仙骨上縁(岬角(こうかく))を結ぶ最短距離(産科的結合線)が9.5センチメートル未満か、横径の最大距離が10.5センチメートル未満の場合を絶対的狭骨盤といい、40~73%が帝王切開となる。この縦径が9.5~10.5センチメートルあるいは横径が10.5~11.5センチメートルの場合は比較的狭骨盤といい、約24%が帝王切開となる。一般に、身長の低い女性は骨盤腔も小さい。骨盤腔の広さを知るためには、X線撮影による骨盤計測が用いられることが多い。最近では、骨盤の大きさだけでなく、児頭の大きさも超音波断層法によって計測できるようになったので、児頭と骨盤腔の相対的な大きさを問題とする児頭骨盤不均衡という考え方がなされることが多い。児頭骨盤不均衡の有無は、骨盤計測と児頭計測のほか、分娩の進行ぐあいを観察する試験分娩によって判定されることが多い。
[新井正夫]
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