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理性【りせい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

理性
りせい
reason
一般には精神や知性と等しく,意識的思考能力の全体をいい,信仰,感覚,経験,無意識とそれぞれ対立する。広い意味では意志をも含んでいる。まず理性は推論 reasoningの能力と考えられる。すなわちそれは概念や命題を明確に区別したうえで,その間に論理的連関を見出す能力である。トマス・アクィナスは推論の能力としての理性 ratioよりも上位の認識能力として,真理を直観的にとらえる知性 intellectusをおいており,それはプラトンにおけるロゴスに対するヌースの延長上にある。理性 Vernunftと悟性 Verstandはカントにいたって初めて区別された。彼によれば悟性は感性的直観を総合する能力であり,理性は悟性に原理を与えるもので,理性によって魂,世界,神などの理念が得られる。カントのこの区別は内容を少しずつ変えて 19世紀以後の多くの論者に受継がれた。またカントは純粋理性と実践理性を区別し,それぞれを理論と道徳においてア・プリオリ (→ア・プリオリとア・ポステリオリ ) な認識を与える原理として経験に対立させた。また主観的,個的理性に対して客観的理性を立てる場合 (フィヒテヘーゲル,シェリング) ,後者は絶対的理性としての神という概念の世俗化もしくは世界内在化であり,世界を支配している究極的原理をさしている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

り‐しょう〔‐シヤウ〕【理性】
仏語。宇宙万物の不変の本性。法性(ほっしょう)。また、普遍の真理。真如(しんにょ)。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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り‐せい【理性】
道理によって物事を判断する心の働き。論理的、概念的に思考する能力。
善悪・真偽などを正当に判断し、道徳や義務の意識を自分に与える能力。「理性を失ってつっ走る」
カント哲学で、広義には先天的能力一般。狭義には悟性・感性から区別され、悟性の概念作用を原理的に統一・制御・体系化する無制約の認識能力。理念の能力。
ヘーゲル哲学で、悟性が抽象的思考の能力であるのに対して、弁証法的な具体的思考の能力。
宇宙・人生をつかさどる基本原理。

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世界大百科事典 第2版

りせい【理性】
人間に固有の思考力,認識力は一般に〈知性intellect〉ないし〈理性〉と呼ばれ,古来規則に従って分析し論証する〈悟性understanding〉,原理・始元を直覚・洞察して総観し統括する〈理性reason〉の二面を含むとされる。本能,感覚,記憶,想像,意志とは区別され,また啓示や信仰に対置されてきた。 理性という訳語は,事物の本性を示す仏教用語〈理性(りしよう)〉および〈道理〉とともに,1881年(明治14)の《哲学字彙》でreasonに当てられた(1870年西周(にしあまね)はreasonを人間に備わる〈性の智〉,86年中江兆民はフランス語のraisonを〈良智〉と訳した)。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

りせい【理性】
感情におぼれずに、筋道を立てて物事を考え判断する能力。 -をはたらかせる
感覚的能力に対して、概念的に思考する能力。
カントの用語。広義には、先天的能力の総称。このうち先天的認識能力を理論理性、先天的意志能力を実践理性と呼ぶ。また狭義には、感性・悟性から区別され、理念によって悟性認識を統一する能力をいう。→ 感性悟性
ヘーゲルの用語。抽象的概念の能力である悟性と区別される、具体的概念の能力。弁証法的思考能力。
神の啓示に対して、人間の自然的知。→ 自然の光
宇宙や世界を支配する原理(世界理性・絶対理性)。英語 reason とドイツ語 Vernunft の訳語。哲学字彙(1881年)に載る

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

理性
りせい
reason英語
Vernunftドイツ語
raisonフランス語
物事を正しく判断する力。また、真と偽、善と悪を識別する能力。美と醜を識別する働きさえも理性に帰せられることがある。それだけが人間を人間たらしめ、動物から分かつところのものであり、ここに「人間は理性的動物である」という人間に関する古典的定義が成立する。デカルトは、万人に生まれつき平等に備わっている理性能力を「良識」あるいは「自然の光」ということばで表している。古来、理性は闇(やみ)を照らす明るい光として表象されてきた。理性によって宇宙における諸事象をある比例的・調和的関係において眺め渡すとき、暗い、見通しのきかない混沌(こんとん)(カオスchaos)のなかから、ある法則的関係のなかに定位された調和的宇宙(コスモスcosmos)が出現する。もともとギリシア語のロゴスlogos(理性)あるいはそのラテン訳としてのラチオratioには、比例とかつり合いという意味が含まれていたのである。明るい光としての理性に対比していえば、感性的欲望や情念は、暗い盲目的な力である。この意味で理性ともっとも鋭く対立するのは狂気かもしれない。喜び、悲しみ、怒り、欲望、不安などの情念は、暗い、非合理的な力として内部から暴発する。これを理性的意志によって統御することができなければ、精神の自律性を保つことができない。ここに理性による情念支配という道徳問題が発生する。
 カントでは、本能や感性的欲望に基づく行動に対し、義務あるいは当為(ゾルレンSollen〈ドイツ語〉)の意識によって決定される行為が理性的とよばれる。われわれのうちには自律的に自己の意志を決定する理性的能力があって、それによって道徳的行為が可能となる。これが、理論理性と区別される実践理性である。受容性の能力としての感性と対立する意味における理性は、自発性の能力としてとらえられるが、その場合には、理性と悟性はほとんど同義に用いられている。
 しかし、理性はしばしば悟性と対立する意味でも使われる。古くから、概念的・論証的な認識能力としての理性(ラチオ)に対して、真実在を直観的に認識する、より高次の認識能力として悟性あるいは知性(インテレクトゥスintellectus)の語が用いられた。しかし、啓蒙(けいもう)期以後、この優位の関係は逆転される。カントでは、悟性が感覚の多様を概念的統一へもたらすところの、被制約的な認識能力であるのに対し、理性は判断の一般的制約をどこまでも求めていく無制約的な認識能力であった。さらに、ヘーゲルにおいては、悟性が抽象的概念の能力であるのに対し、理性は具体的概念の能力であり、悟性的概念による対立の立場を超え、これを生きた統一へともたらす働きであった。理性はまた、宇宙を支配する根本原理という意味においても用いられる。アナクサゴラスのヌースの説もその一例だが、もっとも典型的なのは、ヘーゲルの世界精神の考えで、歴史は世界精神の自己実現の過程であり、そこには、ある理性的原理が貫かれているという。[伊藤勝彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

り‐しょう ‥シャウ【理性】
〘名〙 仏語。
① 変わらない存在の本性。法性。
※正法眼蔵(1231‐53)仏教「しかあれば教は赴機の戯論なり、心は理性の真実なり」
② 普遍の真理。真如。
※真如観(鎌倉初)「爾前の諸経に順ずれば、理性(リシャウ)の仏を弁ぜざる也」
③ 道の根本をいう。〔華厳遊心法界記〕

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り‐せい【理性】
〘名〙
① 感情に走らず、道理に基づいて考えたり判断したりする能力。
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「理性の口をも閉ぢ、認識の眼を眩ませて」
② (reason Vernunft の訳語) プラトン哲学で、概念的な推理能力の悟性に対して、真実在を直覚する能力。また、カント哲学で、概念的な思考、推理、判断をする能力であるとともに、衝動的な行動に対して、義務の意識に基づく行為を遂行していく能力。
※致知啓蒙(1874)〈西周〉上「此理性こそ、天の吾人に、与へたる霊知〔 intellect 〕の性にして、〈略〉人の世に、いとも重き司さを、勤むる者なれ」

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