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理想主義【りそうしゅぎ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

理想主義
りそうしゅぎ
idealism
アイデアリズム観念論と原語を同じくしそれらと同様の意味で使われることもあるが,一般には人生観上の一つの立場を示す場合に用いられる訳語。すなわち人生や世界の多様な現象の基礎,あるいは実践や文化や歴史の意味や価値の根拠を超越的な理想 idealに求める立場をいう。現実主義に対する。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

りそう‐しゅぎ〔リサウ‐〕【理想主義】
理想を立て、実現しようとする立場。空想的、観念的な性格をもつが、現実を改革する重要な基盤ともなる。アイデアリズム。
現実をありのままに描写せず、何らかの理想に即して、美的、倫理的調和うちに表現しようとする芸術上の傾向

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世界大百科事典 第2版

りそうしゅぎ【理想主義 idealism】
〈理想ideal〉を実現の課題ないし目標とする立場で,現実主義,現在主義に対立する。アイデアリズムともいう。理想は明治10年代以来の訳語であるが,理想主義は大正時代のそれであり,明治40年代には理想論と訳されていた。理念(イデー)も理想もイデアに基づき,範型,典型,完全性の意味をもつが,理念は現実を超えて君臨すればよく,必ずしも実現されて実在性を帯びる必要はない。しかし理想はカントによれば〈個別化された理念〉であり,一般に実現が期待されるか,現実に対する規準として働くかであって,空想から区別される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

りそうしゅぎ【理想主義】
現実にとどまるのではなく、理想の実現をめざそうとする立場、生き方。 ⇔ 現実主義
自然をあるがままに描かず、様式化し、理想化して表現しようとする美術上の立場。
文学の意義を倫理的社会的理想の実現におく立場。近代文学では、写実主義に対立した、幸田露伴・夏目漱石、また白樺派の人道主義に見られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

理想主義
りそうしゅぎ
idealism英語
idalismeフランス語
Idealismusドイツ語
ある究極目的あるいは価値の実現を目ざし、どこまでも努力していく精神態度をいう。また、人間性の限りない完成可能性を信じ、最高の人格的価値を実現しようとする道徳的志向。あるいは現実の世界をある究極的価値あるいは超越的理念との関係において意義づけようとする考え方・世界観をいう。現実の悪や醜から目を背け、実現不可能な幻想だけを追うものとして、しばしば現実主義によって批判される。しかし、あまりに現状に密着した考え方しかできないものは、未来への広い展望をもたず、目前の諸条件に呪縛(じゅばく)されてしまう危険がある。理想主義と現実主義は、相互にその欠陥を補い合う関係にあると思われる。
 古代では、この考えはプラトンによって代表される。彼は感覚に不信を示し、この現世を超越したところに実在を求め、永遠不変なイデアidea(ギリシア語)の世界を考えた。魂は本来イデア界に属すべきものであるのが、肉体と結び付き、いわば牢獄(ろうごく)の中に捕らえられている。その魂を肉体的な汚れから洗い清め、その本来のあり場所に帰すことが哲学の使命であるというのである。プラトンのイデア論に批判的であったアリストテレスは感覚的明証を重んじ、絶えず経験や常識に立ち返って考えることを求めた。プラトンのように超感覚的なイデア界を実在とみなすことはせず、この現実世界そのものが実在的で実体的であると考えた。このようなプラトンの理想主義とアリストテレスの現実主義が対比的に論じられ、すべての哲学はプラトン的かアリストテレス的かどちらかに属するということがしばしばいわれる。
 新プラトン主義やその影響を受けた中世の神学についても、理想主義ということばが使われることがある。ルネサンスの人文主義者の一人、トマス・モアの『ユートピア』のなかにプラトンの理想国家の考えの影響を認めることもできる。ただし、プラトンの理想国家は「どこにもない場所」(ウートポス)ではなく、地上のどこかに実現可能な国家として構想されたものであった。ドイツ語のイデアリスムス(理想主義)は観念論とも訳され、たとえば、カントからヘーゲルに至るドイツ理想主義はドイツ観念論ともよばれる。美学上では、写実主義の反対で、芸術の目的は自然の単なる模倣にあるのではなく、むしろ、ありのままでは不完全な自然を理想化して完成させることにあると主張する立場をいう。実際、芸術作品の創造は、なんらかの理想化を条件とすることによってだけ可能となるという考え方はきわめて一般的である。[伊藤勝彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

りそう‐しゅぎ リサウ‥【理想主義】
〘名〙 道徳的・社会的理想の実現をひたすらに追求する立場。理想だけを真の実在とし、現実と妥協することなく、自分の犠牲を顧みないで理想の実現を追求する主義。⇔現実主義
※柵草紙の山房論文(1891‐92)〈森鴎外〉逍遙子の諸評語「理想の世界、精神の領地より出づるを理想主義といふ」

出典:精選版 日本国語大辞典
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