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生涯学習【しょうがいがくしゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

生涯学習
しょうがいがくしゅう
lifelong learning
生涯にわたる学習行為,もしくはそれを肯定する理念をさす。生涯教育 lifelong educationとの意味上の関連から,大きく2つのとらえ方がなされる。その1つは,生涯学習は個人の自主的・主体的行為であるが,生涯教育は知識・技術の一方的な伝達行為であって人間の生涯管理につながるとして否定する立場,いま1つは,個人の主体的行為としての生涯学習を可能にするための保障作用が生涯教育であり価値的には同じだとする立場である。生涯学習・生涯教育の概念が注目されるようになったのは,1965年にユネスコの成人教育課長 P.ラングランが提唱して以降のことで,72年に教育開発国際委員会が提出したフォール報告書によって生涯教育が各国に普及していった。日本では 71年に提出された中央教育審議会答申で注目されて以降,振興政策がとられるようになり,90年に成立した生涯学習振興法によって定着した。現在では学校制度,地方公共団体,民間企業の各レベルで生涯学習の振興策がとられている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

生涯学習
生涯学習は、全国民が主体的に生涯学び続けること。生涯教育はそれを保障するための働きかけ、及び条件整備。学校教育も生涯教育の一環。生涯教育が世界的に注目されたのは、1965年にパリでユネスコが開催した成人教育推進国際委員会でユネスコ成人教育課長ラングランが提出した報告だった。この言葉が日本で教育政策として登場したのは、71年の中教審答申で、81年には中教審から「生涯教育について」の答申が出され、さらに臨時教育審議会は教育改革の重要な柱として「生涯学習体系への移行」を挙げた。文部省(当時)は88年の機構改革で社会教育局に代え生涯学習局を新設、90年6月には生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律(通称生涯学習振興法)が制定された。92年7月には生涯学習審議会が、当面重点を置いて取り組むべき課題として、リカレント教育の推進、ボランティア(社会奉仕)活動の支援・推進、青少年の学校外活動の充実、現代的課題に対応する学習機会の充実、などを答申した。そのほか「地域における生涯学習機会の充実方策について」(96年4月)、「社会の変化に対応した今後の社会教育行政の在り方について」(98年9月)、「生活体験・自然体験が日本の子どもの心をはぐくむ」「学習の成果を幅広く生かす」(以上99年6月)といった答申を行っている。89年から各年1都道府県ごとに、各種のイベントを中心に全国生涯学習フェスティバル(愛称まなびピア)が文部科学省と都道府県などとの共催で開催されている。
(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

しょうがい‐がくしゅう〔シヤウガイガクシフ〕【生涯学習】
人々が生涯にわたって、主体的に継続して行う学習。平成2年(1990)に生涯学習振興法が制定され、さまざまな振興策が取られている。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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大辞林 第三版

しょうがいがくしゅう【生涯学習】
学習者の自由な意志に基づいて、それぞれにあった方法で生涯にわたって学習していくこと。その振興のために1990年(平成2)生涯学習振興法が制定された。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

生涯学習
しょうがいがくしゅう
人々が生涯にわたり、主体的に続ける学習活動のことで、lifelong learningの訳。これに対して、生涯教育(lifelong education)は、生涯学習を支える教育構造編成の働きをさすことばとして用いられることが多い。
 日本においても生涯学習の概念は古くからあったが、臨時教育審議会(臨教審)や中央教育審議会(中教審)で、教育改革の重要事項として扱われるなど、1980年代から政策的動きが活発化した。臨教審の最終答申を受けて、政府は、生涯学習体制の整備促進、社会教育関連法令の見直し、文部省の機構改革実施等の方向を示した。これにより1988年(昭和63)には文部省が社会教育局を改組し、生涯学習局を設置した。臨教審の後を受けて再開した中教審では、1990年(平成2)1月に「生涯学習の基盤整備について」が答申され、具体的施策があげられた。(1)生涯学習の推進体制、(2)生涯学習推進の中心機関(生涯学習推進センター、生涯学習センター)、(3)生涯学習活動重点地域、(4)民間教育事業の支援、などである。さらに、文部省と関係省庁との連携協力機関の設置なども指摘された。
 1990年7月施行の「生涯学習の振興のための施策の推進体制等に関する法律」(通称、生涯学習振興法)は、生涯学習に関する初めての法体系である。これにより都道府県に、文部省内の同名の審議会とは別に、生涯学習審議会の設置が規定され、また、都道府県、市町村に対して地方生涯学習振興費補助金が支出されることになった。
 文部省の生涯学習審議会は、1990年代に次のように答申を出していく。1992年7月に「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」、1996年4月に「地域における生涯学習機会の充実方策について」、1998年9月に「社会の変化に対応した今後の社会教育行政の在り方について」という答申が、それぞれ提示された。1998年「社会の変化に~」の答申では、住民参加、市町村の広域的連携などをよびかけた。1998年7月には、文部省の生涯学習局婦人教育課が男女共同参画学習課に改組された。また、2001年(平成13)の省庁再編により文部省と科学技術庁が統合され文部科学省となったのに伴い、生涯学習局は生涯学習政策局に改組、生涯学習審議会は廃止され、中央教育審議会生涯学習分科会へと引き継がれた。なお、都道府県、市町村の各自治体においても、学習環境の整備、学習機会の提供にむけて施策が行われ、生涯学習推進のための体制づくりが続けられている。しかし、生涯学習が人間一生の全学習活動を意味し、したがって、学校教育も生涯学習の一部をなすという公式的見解にもかかわらず、学校教育が依然として生涯学習とは別物であるというとらえ方がある。また、関係省庁間の連携の徹底など取り組むべき課題は多いといえよう。[編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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図書館情報学用語辞典

生涯学習
人は生涯にわたって学習を続け発達する存在であるという理念に基づく,学習の形態,方法,制度,政策全般.生涯教育(lifelong integrated education)は同義語であるが,観点の違いとして理解される.すなわち,生涯にわたる自律的な教育活動を,その主体(学習者)の面から捉えた場合,生涯学習という用語意義が強調されるのである.また,生涯教育は制度的な面を重視しており,家庭教育,学校教育,社会教育を統合した教育実践を意味しているが,生涯学習においては,そうしたさまざまな教育制度を総合的に活用しながら,学習活動を推進することに主たる焦点が合わせられている.今日,公共図書館は生涯学習施設と考えられている.これは,制度的に社会教育施設の一つとされるからであり,機能において,その活動が広く学習者を資料面と情報面で援助しているからでもある.

出典:図書館情報学用語辞典 第4版
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精選版 日本国語大辞典

しょうがい‐がくしゅう シャウガイガクシフ【生涯学習】
〘名〙 自発的な意思によって、生涯を通じて行なう学習。

出典:精選版 日本国語大辞典
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最新 心理学事典

しょうがいがくしゅう
生涯学習
lifelong learning
生涯学習という用語の登場に先立ち,1965年ユネスコ第3回成人教育推進国際委員会において,一生涯にわたる,全生活場面に及ぶ教育・学習のすべてを含む総合的な概念として生涯教育lifelong educationが提案された。提案者ラングランLengrend,P.は,社会変化に自律的な個として適応していくためには,教育が,児童期・青年期で停止せずに生きている限り続けられるべきであり,これを実現できるように教育はシステム化されるべきだとして生涯教育の必要性を説いた。

 日本でもラングランの提言を受けて1970年代初頭より生涯教育政策が展開され,1981年には中央教育審議会答申「生涯教育について」において生涯学習という用語が初出する。同答申で,生涯学習は「各人が自発的意志に基づいて行うことを基本とするものであり,必要に応じ,自己に適した手段・方法は,これを自ら選んで,生涯を通じて行うものである」とされ,他方で,生涯教育とは「この生涯学習のために,自ら学習する意欲と能力を養い,社会の様々な教育機能を相互の関連性を考慮しつつ総合的に整備・充実しようとするのが生涯教育の考え方である。言い換えれば,生涯教育とは,国民の一人一人が充実した人生を送ることを目指して生涯にわたって行う学習を助けるために,教育制度全体がその上に打ち立てられるべき基本的な理念である」と位置づけられる。これ以降,日本では,生涯教育よりも生涯学習ということばが好んで用いられるようになる。2006年12月に改正・公布された教育基本法の第3条において「生涯学習の理念」という条項が新設されたことは現時点での着地点だといえよう。ここに至って,生涯学習はラングランが提唱した生涯教育に見る基本的な理念を継承しつつも,「国民一人一人が,自己の人格を磨き,豊かな人生を送ることができるよう,その生涯にわたって,あらゆる機会に,あらゆる場所において学習することができ,その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」(同条条文)という認識のもとで,具体的な学習活動とそれを支援する戦略としての様相をもつことが明確化された。

【生涯学習をめぐる三つの観点】 ラングランの論をもって生涯学習の必要性をすべて包摂しうるかといえばそうではない。国際的な視座に立つと,生涯学習に関する政策・理念論は,次の三つの観点において見ることができるといわれる。

 第1の観点は,ラングランを嚆矢とする個人志向の生涯学習論において認められる。生涯学習の目的を個人の成長や自己実現におく。ゆえに個人志向の理論とよばれる。また,激動する社会変化に適応していくなかで自己実現できる道筋を生涯学習のなかに求めたことから適応志向の生涯学習論とよばれることもある。現代社会を生き抜く個人として,生涯学習を通じていかに自己実現をしていくかという課題がここでは重要な位置を占める。第2の観点は,1973年にOECDの教育研究革新センター(CERI)が提唱したリカレント教育recurrent educationの中に見ることができる。労働志向の生涯学習論ともよばれ,そこには労働者の権利としての学びが確認される。リカレント教育の本質的な特徴は,個人の全生涯にわたって教育を回帰的に,つまり,教育を,仕事を主として余暇や引退などといった諸活動と交互にクロスさせながら分散することであり,いわば戦略論としての性格が強い。第3の観点は,ジェルピGelpi,E.(1983)やフレイレFreire,P.(1968)に見る集団志向の生涯学習論によって特徴づけることができる。これは,特定集団による社会変革を学習目的とするため,変革志向の生涯学習論ともよばれる。変革志向の生涯学習論は,メジローMesirow,J.やクラントンCranton,P.によって,具体的な学習活動に即した意識変容の学習過程として提案されている。そこでは,学習者が,学習活動や他者とのかかわりの中で,自らのパースペクティブを変容させていき,主体性をもった人間として,社会に働きかける力をもつプロセスが描かれている。

【リカレント教育の推進】 日本においては,当初はラングランの考え方を主に政策に導入していくが,1990年代前半よりリカレント教育論に基づく,リカレント教育政策が積極的に推進される。推進の直接のきっかけとなったのは,1992年の生涯学習審議会答申「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」である。同答申で,リカレント教育の機能は次の三つに類型化され,「第一は,社会の変化に対応する,専門的で高度な知識・技術のキャッチアップやリフレッシュのための教育機能,第二は,既に一度学校や社会で学んだ専門分野以外の幅広い知識・技術や,新たに必要となった知識・技術を身に付けるための教育機能,第三は,現在の職業や過去の学習歴・学習分野に直接のかかわりのない分野の教養を身に付け,人間性を豊かにするための教育機能」となっている。これら三つの機能は,部分的に重なりつつ社会全体で推進すべき機能としてとらえられている。

 しかしながら,日本においては,本来リカレントモデルを具現化していくうえで必要な,一度仕事を離れてから教育の場につくというしくみや労働者の権利としての「有給教育休暇制度」などが十分に整っていないことが推進を遅滞させる要因となっている。

【エンパワーメントと生涯学習】 生涯学習とエンパワーメントempowermentの関係は,先に述べた変革志向の生涯学習論の視座から多くを述べることができる。変動する「社会」を起点として社会適応の視点から学びを組み立てていくことができる一方で,さまざまな問題を抱え多様な経験と境遇下で生きている「人」を起点として学びを構想していくこともできる。ここには,問題を抱えた人が問題と向き合い乗り越える力や本来もつべき力を学びによって取り戻していく過程,すなわち,「学びによるエンパワーメント」が看取される。

 抑圧されたり,アイデンティティと社会的役割とのギャップに異議申し立てをすべき状況におかれた時には,まずその状況に気づくこと,そしてリフレクションを重ねて問題の所在を把握し,問題解決に向けて自己と他者の意識を変えていくことが必要である。このプロセスを,パースペクティブの変容学習として描いたのがクラントン(1992)である。彼女は,それまでの経験や生き方により形成されてきた前提や価値観に基づくものの見方(パースペクティブ)が,学習活動やそこでの人との出会いを通じて,振り返りを重ね,変化していくさまをモデル化した。こうして人は自分を取り戻し,自らが主体となって生活の質quality of life(QOL)を取り戻し,向上させることができる。

 エンパワーメントの学びは,意識変容学習に通じるもので,リフレクションreflectionが一つの鍵となる。リフレクションとは,単なる偶発的・非目的的・非選択的に過去を思い返す行為あるいはその過程ではない。むしろ,意図をもって過去の経験に対する解釈・再解釈をする行為であり,その人の信念の根拠を評価することである。リフレクションは今や成人学習の中心概念として強調され始めている。1960年代にアメリカの精神医学者バトラーButler,R.N.(1963)により,過去の人生経験や未解決の葛藤を意識的・積極的に蘇らせ,再解釈をすることで人生全般を受容していこうという手法として,ライフ・レビューlife reviewが提案されたが,これもまたリフレクションを鍵とする。生涯にわたる全生活領域での学びを包摂する生涯学習の考え方においては,生きていくことそのものが学びであり,それに対する意味づけをすることが,過去・現在・未来の自分を作っていくうえでの原動力となるのである。 →エイジング →高等教育教授法 →成人期
〔山川 肖美〕

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