●田安宗武【たやすむねたけ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
田安宗武
たやすむねたけ
[没]明和8(1771).6.4. 江戸
江戸時代中期~後期の国学者,歌人。8代将軍徳川吉宗の次男。享保 16 (1731) 年田安家を興した。初め荷田在満に学んだが,意見が対立し,のち賀茂真淵の指導を受けた。歌人としては,初め新古今風であったが,真淵の影響で万葉風に染まり,実情実感に基づいたすぐれた和歌を多く残した。国学者としての著書は少いが,安永6 (77) 年に編纂された遺稿集『玉函叢説』には,表音式の見解がみえ,のちの上田秋成に大きな影響を与えた。歌集『天降言 (あもりごと) 』 (71以後成立) 。
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デジタル大辞泉
たやす‐むねたけ【田安宗武】



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デジタル版 日本人名大辞典+Plus
田安宗武 たやす-むねたけ
正徳(しょうとく)5年11月27日生まれ。徳川吉宗(よしむね)の次男。享保(きょうほう)16年三卿(さんきょう)の田安家初代となる。荷田在満(かだの-ありまろ),賀茂真淵(かもの-まぶち)にまなぶ。寛保(かんぽう)2年在満が献じた歌論書「国歌八論」をめぐる在満と真淵の論争では,真淵が尊重する「万葉集」の歌風を重視した。明和8年6月4日死去。57歳。著作に「国歌八論余言」「歌体約言」,歌集に「天降言(あもりごと)」など。
【格言など】真帆ひきてよせ来る舟に月照れり楽しくぞあらむその舟人は(「天降言」)
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世界大百科事典 第2版
たやすむねたけ【田安宗武】
江戸中期の歌人。幼名小次郎。諡(おくりな)は悠然。8代将軍徳川吉宗の次男であり,田安家を創立。荷田在満(かだのありまろ)を国学の師としたが,在満に執筆させた歌論《国歌八論》を,《国歌八論余言》を書いて批評した。なお,賀茂真淵の意見を求め,真淵は《国歌八論余言拾遺》を提出した。やがて真淵を和学御用として任用した。宗武の特色は,万葉調による清新にして自在な歌境をひらいたところにある。歌集《天降言(あもりごと)》がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
田安宗武
たやすむねたけ
(1715―1771)
8代将軍徳川吉宗(よしむね)二男。幼名小次郎(こじろう)。御三卿(ごさんきょう)田安家の祖、国学者、歌人。1729年(享保14)元服、従三位(じゅさんみ)左中将兼右衛門督(うえもんのかみ)に叙任、徳川氏を称し、68年(明和5)権中納言(ごんちゅうなごん)に累進した。幼少より学問を好み、荷田在満(かだありまろ)を召し抱え、ついで彼の推薦によって賀茂真淵(かもまぶち)を家臣とし、古典研究を深めて三者互いに影響を与え合った。後の国学者に与えた影響も大きい。歌集『天降言(あもりごと)』のほか、在満・真淵との歌論について議論のすえまとめた『歌体約言(かたいやくげん)』、古典の評論・注解である『伊勢物語註(ちゅう)』『小倉百首童蒙訓(おぐらひゃくしゅどうもうくん)』『古事記詳説』などを著し、また服飾、音楽、植物などの研究も行った。
[上野秀治]
『土岐善麿著『田安宗武』全4巻(1942~46・日本評論社)』
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田安宗武 (たやすむねたけ)
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精選版 日本国語大辞典
たやす‐むねたけ【田安宗武】
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旺文社日本史事典 三訂版
田安宗武
たやすむねたけ
江戸中期の歌人・国学者。御三卿の一つ田安家の祖
8代将軍徳川吉宗の2男。松平定信の父。荷田在満 (かだのありまろ) ・賀茂真淵 (まぶち) に師事し,国学者・万葉調の歌人として有名。家集に『天降言 (あもりごと) 』。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
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