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男女平等【だんじょびょうどう】

世界大百科事典 第2版

だんじょびょうどう【男女平等】
男女の性別による差別を受けないこと。すなわち,男女の社会的地位およびそれに基づく権利義務待遇などにおいて平等であることをいう。ここでいう平等とは,歴史的に差別されてきている女性が,男性と同等に女性も人間としての尊厳を保障され,女性であるがゆえに受ける差別の撤廃という意味内容をもっている。日本国憲法は,国民は男女の性別によって差別されないと法の下の平等を明記している(14条)。平等の思想は古代ギリシアの時代から芽生えていたが,とくに17~18世紀の近代自然法思想の形成の中で発展した。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

男女平等
だんじょびょうどう

男性と女性が、経済的、政治的、社会的、文化的に平等であり、それぞれに独立した人格である状態をさす。また、そうした状態が望ましいとする思想をさす。男女平等が主張される背景には、男女間に不平等があり、女性が差別されている現実がある。

[布施晶子]

思想的展開

男女平等思想は、18世紀後半以降の歴史的変革期において登場した。その背後には、フランス革命、アメリカ独立戦争を男性とともに闘ったにもかかわらず、革命後、独立後には、政治的にも社会的にも男女の不平等に甘んじざるをえなかった現実、イギリスにおいて典型的な展開をみる産業革命後の機械制大工業に激しく吸引されつつも、女性は安価で不安定な状態における酷使を強いられた現実への凝視があった。たとえば、イギリスの女性解放思想の先達M・ウルストンクラフトは、理性の教育に基づく経済的自立なくしては女性の人格の独立はないと主張した(『女性の権利の擁護』1792)。同じくイギリスの経済学者J・S・ミルは、議会を中心に女性の参政権を主張した(『女性の隷従』1869)。ドイツの思想家K・マルクスは「社会の進歩の度合いは、美しい性の社会的地位いかんによって正確に測ることができる」と説き、資本主義の原始的蓄積期における女性労働者の実態を明らかにした(『資本論 第1巻』1867)。また、マルクスとともに科学的社会主義を創始したF・エンゲルスは、男女の不平等の起源を私有財産制度の確立に求めるとともに、資本主義社会における女性の社会的産業への復帰が、男女平等の物的条件づくりをなすという理論を展開した(『家族、私有財産および国家の起原』1884)。ロシア革命の指導者レーニンは、史上初の社会主義国における男女平等の道筋を具体的に明らかにしていった。しかしながら、こうした女性解放の理論の基盤に据えられていた男性の女性に対する抑圧は、私有財産制に基づく階級社会の存在に基因するものとされていたのである。階級社会の廃絶がなされるならば、抑圧と被抑圧の関係も解消されるという言説は、20世紀後半、社会主義を掲げた国々における男女関係の実相が明らかにされるにつれ、理論的考察の見直しを迫られることになった。

[布施晶子]

現代の運動

1967年、第22回国連総会で採択された「女性差別撤廃宣言」第1条「男性との権利の平等を実際上否定又は制限する女性に対する差別は、基本的に不正であり、人間の尊厳に対する侵犯である」、さらには国際婦人年世界会議(第1回世界女性会議)で採択された「メキシコ宣言」「世界行動計画」(ともに1975)、国連総会で採択された「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(女性差別撤廃条約。1979)などがうたう男女平等の理念は、18世紀以降の男女平等を求める思想と運動の結実を示す。同時に、いまだ経済的、政治的、社会的、文化的に差別と不平等の状態にある女性を中心に、正しい意味での男女平等の実現を目ざす運動が、一国一社会を越えて展開されつつあることを教えている。

[布施晶子]

『婦人問題辞典刊行委員会編『婦人問題辞典』(1980・学習の友社)』『国際女性法研究会編『国際女性条約・資料集』(1993・東信堂)』『リサ・タトル著、渡辺和子監訳『フェミニズム事典』(1998・明石書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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