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疲労【ひろう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

疲労
ひろう
fatigue
精神的肉体的負荷が継続的に加えられたために感覚や動作などの心理的機能が一時的に低下し,変調をきたすこと。生体損傷に対する自己防衛の役割もあり,個人差が大きい。筋力,作業量,ブロッキング,反応時間,フリッカー値視力などによって疲労度が測定され,倦怠感,不快感,脱力感などの自覚症状,および自律神経機能,循環機能などの検査が行われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ひ‐ろう〔‐ラウ〕【疲労】
[名](スル)
筋肉・神経などが、使いすぎのためにその機能を低下し、本来の働きをなしえなくなる状態。つかれ。「疲労が重なる」「心身ともに疲労する」
金属などの材料に、弾性限界より小さい外力であっても繰り返し作用すると、材料の強度が低下する現象。ついには破壊することが多い。弾性疲労。つかれ。「金属疲労
貧しくなること。貧乏。
「―し貧なる者は、も伸びず、目をも見開かぬぞ」〈文明本人天眼目抄・一〉

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

疲労
 いわゆる疲れた状態で,筋肉臓器に限らず,精神についてもいう.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ひろう【疲労 fatigue】
医学用語。一般に疲労は〈つかれ〉と同義に用いられるが,生理学,心理学,衛生学社会学などの分野では,〈つかれ〉を表現する科学的用語として用いられ,また産業疲労,通勤疲労,スポーツ疲労,学習疲労などのように用いられることもある。疲労という言葉は日常体験から生まれた,主観的な言葉であるために,学問的に正確に定義することはむずかしい。一般的には繰り返し力を出したり運動したときに,その結果,作業能力や運動能力が減退したときと解される。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

ひろう【疲労 fatigue】
工学の用語で,疲れともいう。材料に引張りまたは曲げ変形の,破壊応力よりも低い応力を繰り返し負荷したとき,この材料に損傷が累積し,材料の強さが低下する現象。低応力下で使用していた材料が突然破壊(疲労破壊という)して大きな事故を引き起こす要因となるため,その予知と防止は構造材料の信頼性を確保するにあたって大きな課題である。疲労破壊の例としては,車軸などの破壊事故があげられるが,これらは105~106回の繰返し応力下で生じたものである。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ひろう【疲労】
スル
つかれること。くたびれること。 -が蓄積する
生体がある機能を発揮した結果、その機能が低下する現象。その部位によって肉体(筋肉)疲労と精神(神経)疲労に、発現の仕方によって急性疲労と慢性疲労に大別される。つかれ。
金属などの材料に破壊応力よりも低い応力を繰り返し加えると、材料に損傷が累積し、材料の強度が低下する現象。つかれ。
貧しくなること。また貧乏。 あまり-した程にちつと禄爵をもとつて/史記抄 3

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

疲労
ひろう
fatigue
運動や作業を続けた結果としてそれらの能力が低下した状態を疲労という。日常われわれは「身体的疲労」「精神的疲労(心的疲労)」ということばをよく口にするが、それらをおこす要因はさまざまであり、現在までのところ、疲労の本態はまだ明らかにされていない。疲労がおこる原因の説明として、活動によって体内に疲労物質が蓄積するという説(疲労物質説)、外界から加わったストレスによってホルモン、とくに副腎(ふくじん)皮質ホルモンによる調節機序(メカニズム)が破綻(はたん)するとする説(ストレス学説)、あるいは、身体の各部分は通常相互に関連しあって合目的的な活動を行っているが、疲労はそのような各臓器・組織の有機的関連が乱れた状態であるとする説(機能失調説)など、多数の学説が提唱されている。しかし、これらの学説は、どれも疲労の一面を説明することはできても、われわれが日常経験する疲労の成因、その機序を全体として説明しうるものではない。[真島英信]

身体的疲労と精神的疲労

疲労には、前に述べたように大きく分けて身体的疲労と精神的疲労とがある。身体的疲労は、肉体的運動の結果、主として筋(骨格筋)が疲労することによっておこるものである。実験的に体外に切り出したカエルなどの骨格筋を、1秒間に1回程度の頻度で電気刺激すると、筋の収縮高は初めの数回は増大するが、その後しだいに減少し、ついにはいくら刺激を強くしてもまったく収縮しないようになる。これが筋疲労とよばれるものである。筋疲労の原因は、エネルギー源の減少にもよるが、それよりもむしろ、筋の酸素不足の結果発生する乳酸によって筋肉内部の水素イオン濃度(pH)が低下し、代謝が全般に遅くなることによっている。また、神経線維と筋との連絡部、すなわち、神経筋接合部における刺激伝達がうまくいかなくなった結果として筋の収縮力が低下する場合もある(これを伝達疲労という)。身体的疲労は、全身的にはケトン体、ウロビリノーゲンなどの代謝産物の蓄積、アドレナリン分泌の低下による糖質利用の低下、毛細血管壁の酸素拡散速度の減少など、多数の要因が複雑に関係しあって生じると考えられている。
 一方、精神的疲労は、単調な作業の繰り返しや、高度な知的作業を長時間続けたときに出現するが、身体的疲労とは異なり、はっきりとした生理的変化が現れないし、個人差も大きいため、その判定は困難である。また、精神的疲労時には大脳新皮質の活動性が低下するが、これには視床下部が重要な役割を果たしていると考えられている。さらに精神的疲労に関しては、心理的側面も見逃すことはできない。仕事に満足し、それに意欲を燃やしているときには疲労感は生じにくいが、仕事に失敗したとたんに疲労感に襲われることはしばしば経験することである。また、身体的疲労では、ときとして快感(心地よい疲れ)を伴うのに対し、視床下部はわれわれの感情を調節している大脳辺縁系とも密接に関連しているため、精神的疲労では、通常、不快感を伴い、怒りっぽくなったり、気分がめいったりするようになる。精神的疲労が慢性化すると、情緒の不安定、ノイローゼ症状をきたすこともある。[真島英信]

主観的疲労・他覚的疲労・生理的疲労

疲労はまた、主観的疲労、他覚的疲労、生理的疲労に分類することもできる。主観的疲労は本人のみが感じる自覚症状であり、「疲れた」「体がだるい」「休みたい」といった独特の徴候が出現する。このような主観的疲労の程度、すなわち各症状の強さを客観的に測定・評価することは現在のところ不可能であるが、これは生命活動の行きすぎを防止するための一種の警報であると考えられる。一方、主観的疲労においては、心理的影響も無視できず、疲労感の甚だしい場合でも、自分が興味をもっている仕事が始まったり、緊急事態が発生すると、疲労感が消失してしまうことがある。
 他覚的疲労は、作業量およびその質の低下として認めることができる。激しい運動を続けた場合には、筋の疲労によって運動能力は低下する。こうした疲労は、運動前後の筋力を測定することによって客観的に評価することができる。また、簡単な計算を長時間続けると、計算速度は時間とともに低下し、逆に誤りの割合はしだいに上昇する。これは精神的疲労によるものであり、計算速度や誤りの率によって疲労の程度を評価することができる。
 生理的疲労は、筋疲労、神経伝達の疲労、その他身体諸機能の質的低下であり、種々の測定器具によってもっとも正確に評価することができる。疲労の判定に利用される情報としては、血液の比重、血沈、尿中への糖やタンパクの排泄(はいせつ)などの生化学的変化と、呼吸数、心拍数、血圧などの生理学的変化があげられる。しかし、これらは食事内容その他の影響を受けやすいという欠点をもっている。
 疲労の測定にもっともよく用いられるのが、フリッカーflicker(ちらつき)検査である。刺激光を一定の頻度で規則正しく遮断して明滅させると、ちらつきの感じを生ずる。しかし、頻度が一定数以上になると、ちらつきは融合して持続的な光として感じられるようになる。このようになる最小頻度を「臨界融合頻度」または「フリッカー値」という。フリッカー値は、光の強さによっても大きく異なるが、条件を一定にした作業の前後で測定を行ってみると、作業後には作業前に比べてフリッカー値が低下する。すなわち、比較的低頻度の光の明滅でもちらつきを感じることができず、持続的な光として感じられるようになるわけである。これは、疲労によって大脳の活動水準が低下したためであると考えられ、疲労の程度を定量的に表す方法としては便利なものである。
 ところで、前述した3種類の疲労は、それぞれが別個に存在するものではなく、通常は三者が同時に出現するものである。このなかで、もっとも感度の高いのが主観的疲労である。主観的疲労の場合は、本人に疲労感があっても、外部からはまったくその疲労を検知できないこともある。これは、疲労感が単なる心理的な問題(心の持ちよう)で決まるためではなく、われわれの用いる測定器具よりも、われわれの身体のほうが数段優れた疲労の検出器であるためと考えられる。[真島英信]

疲労への対処

疲労に対処するもっとも有効な手段は、休息と睡眠である。「疲れたら休む」ということは、当然だれもが知っており、かつ実行していることであるが、どの程度疲れたら、どのくらい休む必要があるかという判定は困難である。身体的疲労の場合は、筋力の低下、脈拍数の増加などによって本人も疲れの程度がわかり、休息の要・不要を判定することができる。しかし、精神的疲労に関しては個人差が大きく、かつ疲労の程度を判定するためのはっきりとした症状がない。とくに計器の監視作業のように、重要ではあるが単調かつ長時間にわたる作業では、精神的疲労が激しく、時間とともに誤りを犯す危険が上昇する。このような場合には、一定の時間を決めて休息することが望ましい。1日の仕事によってたまった疲労は、帰宅して休息し、睡眠をとることによって回復する。1日の疲れは翌日に持ち越さないことがもっとも望ましいが、仕事の内容によっては、その日のうちには疲労から回復せず、しだいに疲労が蓄積することがある。このような疲労の慢性化を防ぐうえでは、7日目ごと、すなわち日曜日に1日休息することは非常に合理的である。また、疲労からの回復のためには、ただ単に何もしないで休むよりも、身体の疲労した部分はできるだけ休ませつつ、逆に他の部分を活動させるほうが効果があるといわれている。実際に、たとえば作業によって右手が疲労した場合は、何もしないで休息するよりも、左手を働かせていたほうが右手の疲労の回復が速いという報告が出されている(セチェーノス効果)。同様の理由から、精神作業によって疲労した場合は休日には軽いスポーツを行い、肉体労働によって疲労した場合は休日をのんびりと読書や趣味で過ごすことが、疲労の回復には有効となる。[真島英信]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ひ‐ろう ‥ラウ【疲労】
〘名〙
① 一般に、筋肉や臓器あるいは精神機能を使いすぎた結果機能が減退し、だるさなどを感じるようになること。また、その状態。罷労。疲れ。
※続日本紀‐養老四年(720)八月辛巳「朕見疲労、惻隠於心
※太平記(14C後)三五「疲労(ヒラウ)の軍勢」 〔六韜‐犬韜・武鋒〕
② 貧しくなること。また、貧乏なこと。
※極楽寺殿御消息(13C中)第八一条「殊々ひらうの人には、なさけをかけてをく事なり」
③ 何度も使われて、その物に弾性限界内の力を加えてもこわれる状態になること。疲れ。「金属疲労」 〔自動車読本(1947)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

疲労
ヒロウ
fatigue

繰返し応力(またはひずみ)を与えたとき,材料の構造や性質が変化すること.その結果,一定方向の応力の場合よりもはるかに小さい応力で破壊を生じる.これを疲労破壊とよび,疲労破壊までに要する繰返し回数または時間を疲労寿命という.疲労寿命は繰返し応力またはひずみの大きさによってかわり,無限回繰り返しても破壊することがない応力の最低値を疲労限度という.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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