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病原体の分類

内科学 第10版

病原体の分類(感染症総論)
人に病気を起こす病原体は,真核生物(eukaryote),原核生物(prokaryote),ウイルス,プリオンなどに分類される(表4-1-1).真核生物とは,細胞が核膜により核と細胞質に仕切られている生物をいう.真核生物は動物界,植物界,菌界に分類されるが,動物界に含まれる病原体は寄生虫として総称され,そのうち単細胞のものを原虫とよぶ.菌類界に分類される病原体は,真菌(カビ)とよばれる.真菌は,細胞壁を有する点で寄生虫(動物細胞)と異なり,核膜を有する点で細菌と異なる.
 原核生物は,核膜によって核と細胞質が仕切られていない(核をもたない)単細胞生物である.医学上重要な原核生物の多くは,19世紀にChristian Gramによって考案されたGram染色によって,染まるか染まらないか,菌の形態が丸いか,細長いか,によりGram陽性球菌,Gram陽性桿菌,Gram陰性球菌,Gram陰性桿菌に4分類される.Gram染色により分類可能な原核細胞は一般細菌と総称され,表4-1-1では典型的な原核生物としてまとめてある.Gram染色が,細菌分類上ですぐれている理由は,その染色性と外膜の有無とが一致することにある.外膜のない細菌は細胞壁(ペプチドグリカン層)が厚く,Gram陽性を示す(青紫色に染まる).一方,外膜をもつ細菌はGram染色で陰性を呈する(赤く染まる). しかし,Gram染色によりすべての原核細胞を鮮やかに染色できるわけではない.Gram染色ではよく染まらず,陽性陰性の判断が困難な抗酸菌やスピロヘータの場合,抗酸菌は外膜をもたないからGram陽性菌,スピロヘータは外膜をもつからGram陰性菌,と概念上分類できる.また,細胞内寄生性のクラミジアやリケッチアも外膜をもつので,概念上Gram陰性菌と考えられる.外膜をもたないマイコプラズマは,概念上Gram陽性菌となるが,細胞壁ももたず,染料が保持されないため,実際のGram染色では染色できない.
 以上のように,原核生物はGram染色と形態で分類可能な“典型的な原核生物(一般細菌)”と,抗酸菌,スピロヘータ,クラミジア,リケッチア,マイコプラズマなど“あまり典型的でない原核生物”に整理できる.真核生物も原核生物も2分裂で増殖する.また,遺伝情報として,1個の細胞の内にDNAとRNAという2種類の核酸をもつことで共通している. ウイルスは,その粒子の中にDNAか,RNA,いずれか一方しか保有しない.そのため,DNAウイルスあるいはRNAウイルスとして分類される.増殖様式の上でも,ウイルスは2分裂せず,真核生物や原核生物とは大きく異なる.プリオンは核酸をもたず,蛋白質そのものが遺伝物質と考えられている.[岩本愛𠮷]

出典:内科学 第10版
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それぞれの用語は原書刊行時(2013年)の時点での最新のものです.常に最新の内容であることを保証するものではありません。また,権利関係の都合で一部表示できない図や画像があります。

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