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発光ダイオード

デジタル大辞泉

はっこう‐ダイオード〔ハツクワウ‐〕【発光ダイオード】
light emitting diode半導体pn接合部に電圧を加えると、緑や赤、青などに発光する素子。燐化(りんか)ガリウム・ガリウム砒素(ひそ)などの化合物半導体が用いられ、家電製品・自動車の計器の表示などに使用される。LED。→青色発光ダイオード

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

はっこうダイオード【発光ダイオード light emitting diode】
LEDともいう。半導体中の電子と正孔対の再結合によって光を放出する固体発光素子。p‐n接合の順方向に電流を加え,p側に電子,n側に正孔を少数キャリアとして注入し,その再結合によって放出されるエネルギーを利用する。小型で堅牢,低電圧,低電流で駆動でき,高輝度で応答性に優れているため,文字や数字あるいは公衆電話電源表示などの表示装置,低速やアナログ光通信用光源,カメラ自動機構や煙感知器などの各種センサー用光源あるいはフォトカプラーとして広く利用されている。

出典:株式会社平凡社
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

発光ダイオード
はっこうダイオード
light-emitting diode; LED
半導体p-n接合などに順方向電流を流したとき,化合物によって異なる波長の光を出すダイオード。LEDと略記する。p型領域(→p型半導体)から n型領域(→n型半導体)へ注入された正孔,あるいは n型領域から p型領域へ注入された電子が,それぞれ電子あるいは正孔と再結合するときに生じるエネルギーが光として放射される。構成する化合物によって,放出される光の波長(色)が変わる。代表的なものに,材料にリン化ガリウム GaPを用いた緑色発光ダイオードおよび赤色発光ダイオード,ヒ化ガリウム‐リン GaAsPを用いた赤色発光ダイオード,ヒ化ガリウム GaAsを用いた赤外発光ダイオード,窒化ガリウム GaN,炭化ケイ素 SiCを用いた青色発光ダイオードなどがある。発光ダイオードは,低い動作電圧,高い輝度,速い応答速度,長寿命,高信頼度という特長をもつほか,振動にも強く,小型にできるため,パイロットランプ(表示灯),表示素子として広く利用されている。また受光素子と組み合わせて,光結合器としても利用される。1993年に実用化された青色発光ダイオードは,電光掲示板,指示器,交通信号など多くの分野で応用されている。また赤,緑,青の光の三原色がそろい,これらを混色することで,白色発光ダイオードの実現を可能にした。白色発光ダイオードは 21世紀に入って急速に開発が進められ,省エネルギーと環境への配慮の観点から,特に照明器具の分野で発展した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

発光ダイオード
はっこうだいおーど
light emitting diode

半導体のpn接合に電流を流して光を放出させるようにしたダイオード。英語の頭文字を並べてLEDともよぶ。半導体ダイオードのpn接合に電流を流すと、n形半導体の電子がp形半導体域に、p形半導体の正孔がn形半導体域に拡散する。これらの電子と正孔はそれぞれの領域にある正孔と電子と再結合するが、その際、半導体の禁制帯幅に応じたエネルギーに対応する波長の光を放出する。この現象は注入型エレクトロルミネセンスとよばれるが、1907年にイギリスのラウンドH.J.Roundにより、炭化ケイ素に針を立てて電流を流すと発光する現象として観察された。ついで1922年にソ連のローセフO.B.Лосев/O.V.Losevにより再発見され、種々の材料について多くの研究がなされた。今日の形の化合物半導体を用いた発光ダイオードは、アメリカRCA社でのローブナーE.E.Loebnerによる1957年からの開発により始められた。化合物半導体を用いると、材料の組み合わせによって発光効率のよいヘテロ(異種金属接合)構造によるpn接合をつくることが容易で、短い任意の光波長の発光に適した禁制帯幅の広い半導体結晶を人工的につくることもできる。

 発光ダイオードは通信用に赤外光、表示用に赤、橙(だいだい)、緑、青の各種の可視光のものが開発されている。赤外用には光波長0.88マイクロメートルのヒ化ガリウム(GaAs)を始め、最大1.8マイクロメートルをカバーできるGaIn(インジウム)As、GaInAsP(リン)などの混晶があり、このほかSb(アンチモン)とのⅢ‐Ⅴ族の組み合わせによる化合物半導体によって種々な波長帯のものが開発されている。可視光用では赤色用にGaPに発光効率を増すために発光中心としてZn(亜鉛)‐O(酸素)ペアを加えたもの、橙、黄色用にはGaAsPにN(窒素)を加えたもの、緑色用にはGaP、青色用にはGaNのほかⅡ‐Ⅵ族のZnS(硫黄)、ZnSe(セレン)などが用いられている。なお、技術的に開発がきわめて困難とされていた青色発光ダイオードは、1993年世界に先がけ日亜化学工業(徳島県阿南(あなん)市)の中村修二(現カリフォルニア大学教授)が開発に成功、実用化したものである。

 さらに、高輝度用としてダブルヘテロ接合のほか超格子構造により、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、インジウムリン化ガリウム(InGaP)、インジウムリン化ガリウム・アルミ(InGaAlP)などが青色・緑色、黄色、赤色などの発光用に開発されている。発光ダイオードは、赤、緑、青とも数カンデラと明るく、発光効率は白熱灯の数倍以上で、寿命も長いので、屋外用大画面ディスプレー、信号機、自動車用ランプなどへと用途を広げている。

[岩田倫典]

『西澤潤一著『オプトエレクトロニクス』(1977・共立出版)』『松本正一編著『電子ディスプレイ』(1995・オーム社)』『赤松勇編著『青色発光デバイスの魅力』(1997・工業調査会)』『西澤潤一・中村修二著『赤の発見 青の発見』(2001・白日社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

はっこう‐ダイオード ハックヮウ‥【発光ダイオード】
〘名〙 (ダイオードはdiode) 適当に組み合わせた二つの半導体の接合体に電流を流すと、接合面から光を発する現象を利用したダイオード。燐化ガリウム・砒化ガリウムなどの化合物半導体が用いられ、家電製品・自動車の計器の表示などに応用される。LED。〔マイ・コンピュータ入門(1977)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

発光ダイオード
ハッコウダイオード
light emitting diode

p型n型半導体の接合部に電圧をかけると正孔と電子が結合して発光することがある.これを利用した半導体素子を発光ダイオードという.p-n接合に順方向電圧を加えると,接合部の電位障壁が低くなるので,接合部を越えてn領域の電子はp領域へ,p領域の正孔はn領域に注入される.注入された電子および正孔は,注入された領域では熱平衡状態時よりも多くなっているために,それぞれ正孔および電子と再結合を起こして熱平衡状態に戻ろうとする.このとき,再結合によって放出されたエネルギーは,一部は結晶の格子振動や電子に与えられ,一部は光となって放出される.この発光を利用する素子が発光ダイオードであり,発光機構がタングステン電球などと異なり,電気エネルギーを直接,光に変換する特徴がある.この再結合発光の際に,フォノンの吸収または放出を伴う間接遷移と,伴わない直接遷移とがあるが,これは結晶固有のもので,遷移確率の大きい直接遷移型のエネルギー構造をもつものが発光ダイオードとして有望である.これにはGaAs,GaSb,InAs,InSb,CdTeなどがある.しかし,間接遷移であるGaPではバンド間遷移を使わずに,NやZn-Oペアなどの不純物への束縛エキシトンを利用して,高効率の可視領域での発光ダイオードが得られる.また,GaAsやAlAsなどの混晶を用いたものでは発光波長のピークを適当にかえられる.光源として豆電球と比較すると,小型,機械的に堅ろう,消費電力がきわめて少ない,応答速度がきわめて速いなどの特徴がある.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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