●盆石【ぼんせき】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
盆石
ぼんせき
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デジタル大辞泉
ぼん‐せき【盆石】
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世界大百科事典 第2版
ぼんせき【盆石】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
盆石
ぼんせき
黒い漆塗りの盆上に、数個の自然石を置き、大小9種類の砂を配して、大自然の景観をつくりだす日本独特の伝統芸術。盆石の発生は、次のような歴史的背景がある。
[勝野友禧子]
発生・沿革
古代から日本人には石を神格化する傾向があり、奈良時代には、石を自然の象徴、神の座として崇(あが)める磐座(いわくら)というものがあった。平安時代になると、庭園を縮図化した盆養(ぼんよう)が愛好されるようになった。これは現在の石付き盆栽のような形式のものである。鎌倉時代に、中国から禅宗が入ると、簡枯洒脱(かんこしゃだつ)の禅特有の自然観から、庭園は水・樹木・土が省略されて「枯山水」の庭ができあがっていったように、盆養においても水・樹木・土の省略が行われ、ここで盆石の祖景ができあがった。この時代の盆石は、1個または数個の石の周りに大小の砂をまいた程度の簡単なもので、現在の水石のような形と考えてよい。室町時代になると、盆石は造園の際の雛形(ひながた)として使われるようになった。室町初期の相阿弥(そうあみ)、善阿弥(ぜんあみ)などの造庭家は、同時に優れた盆石師であった。このような実用性をもって、繰り返しつくりだされるうちに、盆石は、石の不変性と砂の流動との調和によって、自然を再現する芸術にまで高められ、武家や貴族に愛好されるようになった。江戸初期には、茶道にも取り入れられ、茶室の床飾りとして使われるようになった。江戸中期寛政(かんせい)年間(1789~1801)には、盆石の図版が数多く刊行されるほど盛んになり、武家や富裕な町人の間に広がっていった。単なる石の演出的意味から脱皮して、絵画的な構図をもつようになった。当時おもなものだけで八流派あったが、それらの始祖は、いずれも大名諸侯、茶人、造園家であった。現在それらの流れをくんで活動している流派は、遠山(えんざん)、石州(せきしゅう)、細川(ほそかわ)の三流派である。そのうち遠山流、石州流は古典景図の伝承を主としているが、細川流は、古典盆石の伝承とともに、さまざまな創作盆石を行って盆画(ぼんが)もある。
[勝野友禧子]
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精選版 日本国語大辞典
ぼん‐せき【盆石】
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