●直交【ちょっこう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
直交
ちょっこう
orthogonal
(1) 平面または空間で交わる2直線 l と l' があるとき,l を軸として l' を対称に写した l'' が l' と重なるとき,l と l' は直交するという。交わらないときでも,l と交わる l' に平行な直線が l と直交するときに,l と l' を直交するということもある。直線 l と平面πについては,平面π内の l と交わる任意の直線が l と直交するとき,l とπは直交するという。 (2) 直交性の条件は,ピタゴラスの定理で表わせるので,一般にベクトル空間では,内積を使ってピタゴラスの定理を扱うことになる。それで,内積の考えられたベクトル空間 V で,2つのベクトル x と y は,内積 x・y=0 のときに直交するという。この場合,零ベクトルはすべてのベクトルと直交すると考える。また,部分空間 A ,B について,任意の x∈A と y∈B が直交するとき,A と B は直交するという。 (3) V が関数空間の場合は,関数の間の内積によって直交概念が考えられ,スペクトル定理が考えられる。これが,積分方程式論に端を発したヒルベルト空間論である。
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デジタル大辞泉
ちょっ‐こう〔チヨクカウ〕【直交】
[名](スル)二つの直線や平面が直角に交わること。「国道と県道とが直交 する」
出典:小学館
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世界大百科事典 第2版
ちょっこう【直交 orthogonal】
二つのベクトルの内積が0のとき,これらのベクトルは直交するという。2直線l,l′が交わり,その交点で作る角が直角のとき,lとl′は直交するという(図1)。二つの曲線C,C′が点Aで交わっていて,AにおけるC,C′の接線が直交するとき,CとC′はAで直交するという(図2)。直線lと平面αが交わっていて,その交点を通るα上のすべての直線がlと直交するとき,lとαは直交するという(図1)。平面α,βが交わり,その交線lに垂直な平面とα,βとの交線をm,nとしたとき,mとnが直交するならば,αとβは直交するという(図3)。
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精選版 日本国語大辞典
ちょっ‐こう チョクカウ【直交】
〘名〙
① 二つの直線、直線と平面、平面と平面とが、そのなす角が直角であるように交わること。
※歩兵操典(1928)第六五六「砲位置は平坦にして其正面は成るべく首線に直交しあるを要す」
② 二つのベクトルの内積が0であること。
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