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直流機【ちょくりゅうき】

日本大百科全書(ニッポニカ)

直流機
ちょくりゅうき
direct current machine

電動機、発電機のうち、端子に直流電力が入出力するものをさす。直流電動機と直流発電機をあわせて直流機とよぶ。

 直流機の原理はフレミングの法則により説明されるような電磁力および誘導起電力で説明される。すなわち、磁界中の導体に電流が流れると力を発生し、電動機となる。また磁界中の導体が移動すると導体に起電力が誘導され、発電機となる。直流機は機能的には界磁と電機子により構成される。界磁は磁界を生成する機能をもつ。直流機の界磁は固定子側に配置される。電機子は電気エネルギーと機械エネルギー相互のエネルギー変換を行う。直流機の電機子は回転子に配置され、巻線で構成される。電動機、発電機とも電機子を流れる電流は回転により極性が反転する。しかし回転子に装着された整流子と固定子側の電気ブラシのすり接触による電流経路の切替えにより端子電圧はつねに同一極性の直流である。

 本格的な直流機を最初に回転させたのはハンガリーのイェドリク・アーニョシュJedlik Ányos István(1800―1895)が1828年に行った実験といわれている。この実験では電磁石で界磁と電機子を構成し、整流子をもつ実用的な直流電動機を回転させたといわれている。実用的な最初の直流機はアメリカのダベンポートThomas Davenport(1802―1851)が1837年に特許をとったものといわれている。

 直流機は界磁の種類によって分類される。界磁には巻線界磁(電磁石)と永久磁石界磁がある。界磁を電機子と接続することなしに外部から与える場合、他励という。外部の電源を用いる巻線界磁、および永久磁石界磁がこれに相当する。数百ワット以下の小型電動機では永久磁石界磁がよく用いられる。一方、界磁巻線が電機子巻線と接続される場合、自励という。自励の場合、界磁巻線と電機子巻線の接続法により分類される。電機子巻線と界磁巻線を直列接続する場合、直巻(ちょくまき)直流機という。電機子巻線と界磁巻線を並列接続する場合、分巻(ぶんまき)直流機という。界磁巻線を複数もち、直並列接続したものを複巻直流機という。これらは、それぞれ特性が異なる。

 直流発電機は1960年代までのパワーエレクトロニクスの普及以前は直流電力を得るための電源として広く使われた。直流電動機も直流電圧を調節すれば容易に回転数を変更できるので可変速電動機として小容量から大容量まで広く使われていた。直流発電機と直流電動機を組み合わせて、発電機の出力を可変して直流電動機を制御するワード・レオナード方式は精密な速度制御に広く使われていた。現在では直流電源はパワーエレクトロニクスにより容易に得ることができるようになり、直流発電機の利用は激減した。また直流機のブラシは運転により摩耗し、保守が必要である。そのため、ブラシの不要な交流電動機が可変速制御に用いられることが多くなった。しかし、現在でも永久磁石界磁の小型直流電動機が自動車などのバッテリーを用いた用途や音響家電品などの小容量の分野で多数使われている。永久磁石界磁の小型直流電動機は生産数量ではもっとも多い形式の電動機である。

[森本雅之]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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