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看護職員条約【かんごしょくいんじょうやく】

日本大百科全書(ニッポニカ)

看護職員条約
かんごしょくいんじょうやく
国際条約で、一般的には「看護職員の雇用および労働と生活の条件に関する条約」Convention concerning Employment and Conditions of Work and Life of Nursing Personnel:C149と「看護職員の雇用および労働と生活の条件に関する勧告」Recommendation concerning Employment and Conditions of Work and Life of Nursing Personnel:R157をあわせて「看護職員条約」とよぶ。1977年6月第63回ILO(国際労働機関)総会で採択された。
 看護職員のための国際文書は次の四つからなる。
(1)「条約」 16条からなっており、原則が示されている。
(2)「勧告」 71条にわたり具体的な基準が示されている。
(3)「実際の適用に関する提案」 勧告の付属書で、勧告の基準を補足している。
(4)「看護職に対する一定の国際労働基準の適用に関する決議」 既存のILO条約・勧告のなかから、看護職員にとって重要と思われるものを取り上げ、そこに示された国際基準を看護職員に対して完全に適用すべきことを、ILO総会の名においてILO加盟国に要請したもの。
 この条約は、看護職員という特定の一職種を取り上げ、それを取り巻く問題を網羅しているのである。これは看護職員を取り巻く問題状況の根が非常に深く、既存のILO国際文書だけでは看護職員の問題解決は不十分であり、改善の緊急性が世界的に認識されたことを意味している。この国際文書は、WHO(世界保健機関)とICN(国際看護師協会)が長年にわたってILOに働きかけて作成されたものである。条約の前文は、改善を必要とする根拠として、国民の健康と福祉の向上に看護職員の果たす役割がきわめて重要であること、有資格看護職員の不足と、現在の職員がかならずしも有効に活用されていないという現状があること、そのことが効果的な保健医療活動の障害になっていること、をあげている。条約の内容の概略は、適用範囲、看護事業および看護職員に関する政策、教育および訓練、看護職としての就業、参加、キャリア(職業)の発展、報酬、労働時間および休息期間、職業上の健康保護、社会保障、特別の雇用に対する措置、看護学生、国際協力、適用の方法である。日本は総会で本条約採択の際、労働者側代表は賛成、政府・使用者側代表は条約には棄権、勧告には賛成の態度をとり、未批准である。ゆえに、日本では、これらの趣旨がどこまで生かされるかは問題である。2002年現在、批准国は36か国を数える。[山根信子]
『中山和久編著『看護職員 その権利と労働条件 ILO看護職員条約のすべて』(1979・労働旬報社) ▽中山和久・江尻尚子編著『看護職員の権利――看護を変える』(1989・労働旬報社) ▽井上英夫・矢野正子編『提言 魅力ある看護のために』(1994・労働旬報社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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