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真善美日本人【しんぜんびにっぽんじん】

日本大百科全書(ニッポニカ)

真善美日本人
しんぜんびにっぽんじん

評論家三宅雪嶺(みやけせつれい)の主著。1891年(明治24)3月刊。若き雪嶺が歴史的洞察と哲学的考察によって、理想的日本というものが現実に存在しうる可能性と、世界における日本の使命実現の可能性を論じたものである。同年5月刊の『偽悪醜日本人』と対(つい)をなすもので、両書とも政教社より刊行された。本書で雪嶺は日本の使命を論ずるに宇宙人類から説き始め、「人類は進化の法則に従って動くが、その理想とするところは真・善・美の極致に至ることである。日本人も人類の一部である以上、この理想の実現に与(あず)かる使命をもっており、日本民族の特色を発揮することこそが使命の達成である」という。そして真・善・美の具体的な実現として、(1)真においては大いに西欧に学び科学的国家となるとともにアジア学をおこすこと、(2)善においては欧米列強の圧力に正義をもって屈しないこと、(3)美においては軽妙という日本人独自の美的観念を伸ばすことであると論じている。

[田代和久]

『柳田泉編『明治文学全集33 三宅雪嶺集』(1967・筑摩書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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