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睡眠障害【すいみんしょうがい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

睡眠障害
すいみんしょうがい
sleep disturbance
睡眠がなんらかの原因で妨げられる状態で,主として不眠症 (→不眠 ) をさすが,うつ病統合失調症などによる睡眠量の減少や,脳幹の機能失調または障害による睡眠過剰もある。不眠症の原因としては,外部環境の影響 (騒音など) ,興奮や不安,薬物依存,脳,呼吸器循環器などの疾患があげられる。不眠の種類には入眠困難,夜中に頻繁に起こる覚醒早朝の覚醒がある。不眠は主観的な悩みとして訴えられることが多く,特に神経症では強く訴えられる傾向があるが,必ずしも実際に睡眠が不十分であるとはかぎらない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

すいみん‐しょうがい〔‐シヤウガイ〕【睡眠障害】
正常な睡眠がとれない障害。夜間に十分な睡眠がとれない、昼間に急に眠くなる、集中力に欠ける、注意力が落ちるなどいろいろな症状がある。原因はさまざま。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

すいみんしょうがい【睡眠障害】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

睡眠障害
すいみんしょうがい
sleep disorders
sleep disturbance

生理的な睡眠が質的あるいは量的に障害されるもので、(1)睡眠の開始と維持の障害(不眠症)、(2)睡眠過剰(過眠症)、(3)睡眠覚醒スケジュール(概日(がいじつ)リズム)の障害、(4)睡眠随伴症(パラソムニア)の四つに分けられてきたが、最近の国際分類(ICSD。1990年にアメリカ睡眠障害連合会が中心となり作成)では(1)睡眠異常症(不眠、過眠、概日リズム性障害を含む)、(2)睡眠随伴症、(3)内科的・精神科的障害に関連する睡眠障害(精神疾患、神経疾患、内科的疾患に伴うもの)、(4)提案、検討中の睡眠障害に分類されている。

 臨床的にもっとも頻度が高いのは不眠である。成人の睡眠時間は平均8時間前後であり、個人差が大きいが、6時間以下しか眠れない場合を便宜上、不眠(睡眠減少)とする。不眠はその現れ方により常習性不眠と機会性不眠(特殊な状況下でのみおこるもの)に分けられ、形態からは入眠障害、熟眠障害(浅眠、中途覚醒)、早朝覚醒などに分けられる。また不眠を原因によって分類すると、騒音や気温などによる環境因性、痛み・かゆみ・睡眠時無呼吸などによる身体因性、脳血管障害などによる脳器質性、うつ病や統合失調症(精神分裂病)による精神病性、神経症性、老人性、薬物離脱性、精神生理性(神経質性)などとなり、治療に際してはまず原因に対処し、必要に応じて精神療法や睡眠薬療法を行う。

 過眠症には居眠り病ともよばれるナルコレプシーをはじめ、1週間前後の傾眠期を反復する反復性過眠症、過度の肥満による上気道閉塞(へいそく)や睡眠中枢の脆弱(ぜいじゃく)性などによる睡眠時無呼吸症候群などがある。また、概日リズム性睡眠障害には時差ぼけ、夜間勤務者の睡眠障害や睡眠相後退症候群などが属し、睡眠随伴症に属する夢遊症や夜驚症、夜尿症などは睡眠時の覚醒機能の障害によるものと考えられる。

[大熊輝雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

睡眠障害
すいみんしょうがい
Sleep disorder
(こころの病気)

 睡眠障害は、広く睡眠に関する病気全般を指す言葉で、夜間の睡眠が障害されるもの、日中の眠気を呈するものが含まれます。2005年に作られた睡眠障害国際分類第2版では、85の睡眠障害が取り上げられ、その原因に従って病気としての観点から、①不眠症(ふみんしょう)、②睡眠関連呼吸障害、③過眠症(かみんしょう)、④概日リズム睡眠障害、⑤睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)、⑥睡眠関連運動障害、の6つのグループに大きく分けられています。

 ここでは、睡眠障害国際分類に従って、睡眠障害について代表的疾患を解説しながら示します。

①不眠症(インソムニア)

 適切な時間帯に寝床で過ごす時間が確保されているにもかかわらず、夜間に就床してもよく眠ることができず、これによって日中に生活の質の低下がみられる場合に不眠症と診断されます。寝床で過ごす時間が確保できない場合は、不眠と呼ばず「睡眠不足」または「断眠」と呼びます。

 夜間の不眠症状には、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難があり、不眠によって起こりうる生活の質の低下としては、いらいら感、集中困難、気力低下など精神的悪影響、()疲労感、頭痛、筋肉痛、胃腸の不調など身体的悪影響があります。

 多くの場合、原因になるようなはっきりとした疾患がない一次性不眠症です。一次性不眠症で最も多いのは「精神生理性不眠」と呼ばれるもので、眠れないのではないかという不安や恐怖のため慢性的な不眠に陥るものです。

 身体疾患や精神疾患に合併して、あるいは薬物の使用や中断に伴って起こる場合には二次性不眠症と呼びます。

②睡眠関連呼吸障害

 睡眠関連呼吸障害は、睡眠中の呼吸障害により睡眠が質的に悪化する睡眠障害です。閉塞性睡眠時無呼吸(へいそくせいすいみんじむこきゅう)症候群がその代表です。これは、中年以降の男性に多くみられ、眠ると舌がのどをふさぎ、空気の通りが悪くなるため、ひどいいびきや呼吸停止が起こります。

 中枢性(ちゅうすうせい)睡眠時無呼吸症候群は、呼吸運動を司る神経機構の機能が悪くなることで、呼吸運動が減弱し停止するために睡眠中に呼吸ができなくなります。

 いずれの場合も睡眠は浅くなり分断されて、結果として日中の眠気が起こることになります。高血圧、心疾患、脳血管障害などの危険因子となるので治療が必要です。

中枢性(ちゅうすうせい)過眠症

 目覚めているための神経機構が障害されるため、夜しっかり眠っていても、日中に異常な眠気におそわれる病気です。ナルコレプシー特発性(とくはつせい)過眠症、反復性(はんぷくせい)過眠症などが中枢性過眠症の代表です。

 ナルコレプシーでは、日中の眠気だけでなく、笑ったり、びっくりしたりという情動の変化により突然全身の力が入らなくなる情動脱力発作、寝つき際に自発的に体を動かすことのできなくなる睡眠麻痺などの特徴的な症状を伴います。

④概日リズム睡眠障害

 概日リズム睡眠障害は、1日のなかで何時から何時の時間帯に睡眠をとるかという睡眠のタイミングに関連した睡眠障害です。

 このグループに含まれるものとしては、夜勤や時差(じさ)地域への急速な移動など、内因性生物リズムに逆らったスケジュールで生活することよって生じる睡眠障害(時差症候群、交代勤務性睡眠障害)、内因性生物リズム自体の変調により、睡眠と覚醒のスケジュールが望ましい時間帯から慢性的にずれてしまう睡眠障害(睡眠相前進(すいみんそうぜんしん)症候群睡眠相後退(すいみんそうこうたい)症候群、非24時間型睡眠・覚醒症候群など)があります。

⑤睡眠時随伴症

 睡眠時随伴症とは、睡眠中に起こる望ましくない身体現象の総称で、正常では睡眠中に起こらないような神経活動亢進によると考えられます。

 ノンレム睡眠に関連した睡眠時随伴症としては、子どもの「寝ぼけ」といわれているものの多くがこれに相当します。ぐっすり眠って1~2時間して、覚醒し歩き回る睡眠時遊行症(すいみんじゆうこうしょう)夢中遊行(むちゅうゆうこう))、この時に大声を上げて激しい恐怖を示す睡眠時驚愕症(すいみんじきょうがくしょう)夜驚症(やきょうしょう))などが代表的です。

 レム睡眠に関連する睡眠時随伴症としては、夢の内容と一致して大声で寝言をいったり、暴力的な異常行動が起こるレム睡眠行動障害が代表で、高齢男性によくみられます。

 反復孤発性睡眠麻痺(はんぷくこはつせいすいみんまひ)は入眠時または睡眠からの覚醒時に、頻回に睡眠麻痺(金縛(かなしば)り)が起こり、自発的な行動ができないのが特徴です。これもレム睡眠に関連して起こります。

 繰り返し悪夢をみて、激しい不安や恐怖を伴って覚醒する悪夢障害もレム睡眠に関連した睡眠時随伴症です。

⑥睡眠関連運動障害

 夜間睡眠中に体の余計な動きが生じることで、それが刺激になって睡眠が障害されるグループです。代表は、むずむず脚症候群と周期性四肢運動障害です。

 むずむず脚症候群では、下肢にむずむずした異常感覚とともに、常に脚を動かしたいという強い欲求が夕方や夜間安静時に出現します。眠ろうと寝床に入るとこうした異常感覚のために寝つけず、眠っても睡眠が安定しません。

 周期性四肢運動障害は、周期的な不随意運動が反復して起こるため、それが刺激になって睡眠が浅くなったり、分断されるのが特徴です。

 他に睡眠中に足がつる下肢こむらがえり、歯ぎしりなどがこのグループに分類されます。

内山 真

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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