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石帯【セキタイ】

デジタル大辞泉

せき‐たい【石帯】
束帯のとき、袍(ほう)の腰に締める帯。牛革黒漆で塗り、(か)とよぶ方形または円形の飾りを並べてつける。三位以上は、四位・五位は瑪瑙(めのう)、六位は烏犀角(うさいかく)を用いた。また、有文(うもん)と無文(むもん)とがあり、身分の高下、儀式軽重に応じて使い分けた。ごくのおび。いしのおび。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

せきたい【石帯】
石製の装飾板を革帯に装着した銙帯(かたい)の一種。おもに平安時代の官人・貴族や公家装束に使われた。白石水晶の場合には玉帯,ふつうのものを石帯(雑石帯)として区別することもあり,また素材が石以外の角製であっても石帯と称することもある。律令官人の服制は推古朝以来,たびたび変わったが,腰帯については707年にそれまでの組紐による条帯を金銀銅製の銙帯に改め,以後796年まで行われる。807年にいったん,旧に復するが810年には石帯に変わる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

石帯
せきたい

公家(くげ)の正装である束帯や準正装の布袴(ほうこ)に用いられる玉、石、角(つの)などの飾りをつけた革帯(かわおび)。訓読して「いしのおび」ともいう。束帯は袍(ほう)を着て腰部を石帯で束ね締めるためにつけられた名称で、石帯はこの装束にとって重要な構成要素の一つである。革に黒漆を塗った帯の一端に鉸具(かこ)または水緒金(みずおがね)といわれる締め金具をつけ、他端に革先金(かわさきがね)をはめ、革の要所に数個の穴をあけて鉸具の刺金(さすが)を刺し通して留める。養老(ようろう)の衣服令に規定された朝服では腰帯(ようたい)といわれ、五位以上金銀装、六位以下烏油(くろつくり)としている。腰帯の後ろ腰にあたる部分に銙(か)という金や銀または黒塗りの銅の飾りを据え付けて並べることとなっている。

 正倉院宝物の聖武(しょうむ)天皇使用腰帯には碧玉(へきぎょく)の銙がつけられ、道明寺天満宮伝来菅原道真(すがわらのみちざね)所用といわれる腰帯には、銀銅浮彫りの銙15個がつけられている。平安時代中期になって、和様化した朝服を束帯とよび、腰帯を石帯というようになった。銙の形に方形と円形とがあり、前者は巡方(ずんぽう)といわれて儀式に用い、後者は丸鞆(まるとも)といわれて平常の参内に用いた。中世以降、両端に巡方2個ずつと、中間に丸鞆6個を並べたものを通用帯とよんで、儀式と平常に兼ねて用いた。銙の材質は、玉を最高とし、瑪瑙(めのう)、犀角(さいかく)、烏(う)犀角(実際は牛角)などで、玉や瑪瑙には有文と無文があり、有文は公卿(くぎょう)以上が用い、文様は鳳凰(ほうおう)、鶴(つる)などの丸、鬼形、獅子(しし)形、唐花などを浮彫りとし、毛彫りしたものを陰文(かくしもん)とよんだ。無文で玉の巡方は天皇が神事に用いる帛御服(はくのぎょふく)または御祭服のとき、犀角の丸鞆は殿上人(てんじょうびと)が平常のとき、烏犀角は、重服(じゅうぶく)といって重い喪に服するときおよび六位以下の者がつねに用いた。

 鎌倉時代後期には、着脱の便宜上、形式を変えて後ろ腰に当てる部分のみ古式を残し、腹に当てる部分は省略して紐(ひも)で結ぶようにした。すなわち、後ろ腰に当てる本帯といわれる部分と、上手(うわて)といわれる後ろ腰に回す締め余りの部分のそれぞれの一端に紐を通して相互を綴(と)じ付け、別に本帯の両端につけた紐を腹部に回して結び締めるようにした。

[高田倭男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しゃく‐たい【石帯】
〘名〙 束帯のときに袍(ほう)の腰をしめるのに用いる帯。せきたい。

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せき‐たい【石帯】
〘名〙
① 朝服用の革の帯の一種。銙(か)と呼ぶ玉や石の飾りを併列してつけるので銙帯(かたい)、銙の材質から玉帯ともいう。銙の形状に方形と円形があり、前者を晴儀用として巡方(ずんぽう)、後者を日常用として丸鞆(まるとも)という。先端に鉸具(かこ)を、後尾に穴をあけた牛の革製であるが、平安の末から着脱の便を計って鉸具を廃し、中央から切って二本とし、銙の部分を本帯(ほんたい)、後尾を上手(うわて)とし、紐で結び合わせることとなった。黒漆の革で、三位以上の銙は玉、四・五位のは瑪瑙(めのう)または犀角、六位のは烏犀(おさい)を用いるのを例とした。いしのおび。しゃくたい。ようたい。
※延喜式(927)四一「凡紀伊石帯隠文王者。乃定槢石帯参議已上。刻鏤金銀帯及唐帯」
② 江戸時代の火事装束の一つ。火事羽織が動かないように、背部に当てがい、紐で前を結ぶ。前で結んだ紐を胸当で隠すところが、朝服用の石帯に似ているところからいう。〔随筆・守貞漫稿(1837‐53)〕
[語誌]革帯に宝石の飾りを付ける風習は中国に由来するものであるが、中国では「玉帯」と称するのが普通であり、「石帯」は日本独自の呼称。日本語では宝石も含めて「いし」と呼ぶところから作られた和製漢語か。本語をそのまま訓読みした「いしのおび」も、和文資料などでしばしば使用されている。

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