●石帯【セキタイ】
デジタル大辞泉
せき‐たい【石帯】
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世界大百科事典 第2版
せきたい【石帯】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
石帯
せきたい
公家(くげ)の正装である束帯や準正装の布袴(ほうこ)に用いられる玉、石、角(つの)などの飾りをつけた革帯(かわおび)。訓読して「いしのおび」ともいう。束帯は袍(ほう)を着て腰部を石帯で束ね締めるためにつけられた名称で、石帯はこの装束にとって重要な構成要素の一つである。革に黒漆を塗った帯の一端に鉸具(かこ)または水緒金(みずおがね)といわれる締め金具をつけ、他端に革先金(かわさきがね)をはめ、革の要所に数個の穴をあけて鉸具の刺金(さすが)を刺し通して留める。養老(ようろう)の衣服令に規定された朝服では腰帯(ようたい)といわれ、五位以上金銀装、六位以下烏油(くろつくり)としている。腰帯の後ろ腰にあたる部分に銙(か)という金や銀または黒塗りの銅の飾りを据え付けて並べることとなっている。
正倉院宝物の聖武(しょうむ)天皇使用腰帯には碧玉(へきぎょく)の銙がつけられ、道明寺天満宮伝来菅原道真(すがわらのみちざね)所用といわれる腰帯には、銀銅浮彫りの銙15個がつけられている。平安時代中期になって、和様化した朝服を束帯とよび、腰帯を石帯というようになった。銙の形に方形と円形とがあり、前者は巡方(ずんぽう)といわれて儀式に用い、後者は丸鞆(まるとも)といわれて平常の参内に用いた。中世以降、両端に巡方2個ずつと、中間に丸鞆6個を並べたものを通用帯とよんで、儀式と平常に兼ねて用いた。銙の材質は、玉を最高とし、瑪瑙(めのう)、犀角(さいかく)、烏(う)犀角(実際は牛角)などで、玉や瑪瑙には有文と無文があり、有文は公卿(くぎょう)以上が用い、文様は鳳凰(ほうおう)、鶴(つる)などの丸、鬼形、獅子(しし)形、唐花などを浮彫りとし、毛彫りしたものを陰文(かくしもん)とよんだ。無文で玉の巡方は天皇が神事に用いる帛御服(はくのぎょふく)または御祭服のとき、犀角の丸鞆は殿上人(てんじょうびと)が平常のとき、烏犀角は、重服(じゅうぶく)といって重い喪に服するときおよび六位以下の者がつねに用いた。
鎌倉時代後期には、着脱の便宜上、形式を変えて後ろ腰に当てる部分のみ古式を残し、腹に当てる部分は省略して紐(ひも)で結ぶようにした。すなわち、後ろ腰に当てる本帯といわれる部分と、上手(うわて)といわれる後ろ腰に回す締め余りの部分のそれぞれの一端に紐を通して相互を綴(と)じ付け、別に本帯の両端につけた紐を腹部に回して結び締めるようにした。
[高田倭男]
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精選版 日本国語大辞典
しゃく‐たい【石帯】
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せき‐たい【石帯】

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