●石灰岩【せっかいがん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
石灰岩
せっかいがん
limestone
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デジタル大辞泉
せっかい‐がん〔セキクワイ‐〕【石灰岩】
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岩石学辞典
石灰岩
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世界大百科事典 第2版
せっかいがん【石灰岩 limestone】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
石灰岩
せっかいがん
limestone
炭酸カルシウムを主成分とする堆積(たいせき)岩の一種。主として方解石からなり、一般に細粒・塊状の岩石で、化石をよく含んでいる。色は白色または灰色であるが、含まれる不純物によって黄色、赤褐色、暗灰色などとなる。産状としては、塊状あるいはドーム状の岩体をなす場合と、層状をなす場合とがある。陸地から供給される砕屑(さいせつ)物が少ない熱帯・亜熱帯の浅海域で、たとえばサンゴ礁のように、炭酸石灰質の骨格あるいは殻を分泌する生物によって有機的に沈殿固定されるか、または海水から直接無機化学的に沈殿して形成される。こうして形成された石灰岩が二次的に壊されてできた石灰質の砕屑物からつくられたものもある。
石灰岩を構成する物質には、有孔虫、紡錘虫(フズリナ)、石灰藻、ウミユリ、サンゴ、二枚貝、腕足貝などいろいろな種類の化石や、オーライトoolite(鮞状(じじょう)岩)とペレットpelletなどと、それらのすきまを埋める石灰質の泥(ミクライトmicrite)あるいはすきまに晶出した方解石の膠結(こうけつ)物(スパライトsparite)がある。これらの量比は、石灰岩の形成環境を反映しているので、石灰岩の分類に用いられる。たとえば、石灰泥が洗い出されて減少し、スパライトで膠結され、化石などが破砕あるいは円摩され淘汰(とうた)されていれば、石灰岩形成の場の水流がより強かったことがわかる。砕屑性の石灰岩では、砕屑岩と同じように、石灰礫(れき)岩(石灰質ルーダイトcalcirudite)、石灰砂岩(石灰質アレナイトcalcarenite)、石灰泥岩(石灰質ルータイトcalcilutite)に分けられる。
地質時代全般を通して、石灰岩は古生代のオルドビス紀からシルル紀、石炭紀からペルム紀(陸成層には二畳紀を使うことがある)、および中生代のジュラ紀から白亜紀にかけてよく発達している。日本では古生代のシルル紀、石炭紀後期からペルム紀の石灰岩が多く、琉球(りゅうきゅう)列島の第四紀層にも隆起サンゴ礁として発達している。いずれも化石を多く含み、地質時代の決定に利用されるほか、堆積当時の古環境や生物界のようすの推定に役だつため、地史学や古生物学のみならず、古海洋や地球環境の変動を考察する分野でも重要である。日本では、特定の時代を示すものとして、古生界のフズリナ石灰岩、新生界のレピドシクリナ石灰岩が知られている。日本の石炭紀・ペルム紀石灰岩のほとんどは、熱帯域でサンゴ礁として形成されたもので、海洋プレートの移動に伴って海溝まで運ばれ、後の時代の付加体に取り込まれたものである。
石灰岩の利用面は広く、いわゆる大理石として石材に利用されるほか、セメント、カーバイド、肥料などの原料や製鉄などに大量に使われている。これら工業用原料として利用される場合には石灰石とよばれている。また世界の石油埋蔵量の約半分は石灰岩中にあるといわれ、含油層としても重要である。
日本のおもな産地として、南部北上山地長岩、足尾山地葛生(くずう)、関東山地武甲(ぶこう)山、新潟県糸魚川(いといがわ)市青海(おうみ)、岐阜県大垣市赤坂町、高知県鳥形(とりがた)山、広島県帝釈(たいしゃく)峡、山口県秋吉台、福岡県平尾台などがある。
[斎藤靖二]
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精選版 日本国語大辞典
せっかい‐がん セキクヮイ‥【石灰岩】
出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版
石灰岩
セッカイガン
limestone
炭酸カルシウムを主成分とするたい積岩.化学的沈殿および生物遺骸の集合によってつくられる.このような累積した石灰岩が,その後,流水により別の場所に移動すると粒度により,石灰れき岩,石灰砂岩,石灰シルト岩などに区別される.生物遺骸で浅海や深海に堆積したものは石灰質堆積物とよばれる.また,主として化石からなる石灰石は,化石の種類に対応して,サンゴ質石灰岩,貝殻質石灰岩,有孔虫質石灰岩などとよばれる.有用地下資源としてみるときには,石灰石とよぶ.日本では岩手県岩泉,埼玉県武甲山,奥多摩,山口県秋吉台,四国脊梁(せきりょう)山地などが有名.主として二畳紀の堆積物でCaO 54~55% のものが多い.セメント原料,製鉄用,肥料原料,そのほか,多方面に使用されている.[別用語参照]生石灰
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