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社会主義市場経済【しゃかいしゅぎしじょうけいざい】

知恵蔵

社会主義市場経済
天安門事件後も、いわゆる「改革開放路線をめぐって深刻な党内闘争の絶えなかった中国では、1992年10月、中国共産党第14回大会を開催、経済の市場化を目指す路線を確定した。その際に提起されたのが、「社会主義市場経済」のテーゼである。一方では社会主義の目標を掲げ、他方では市場経済を推進しようとする路線は、経済は自由化、政治一党独裁という、政治的・社会的現実の矛盾を反映している。「社会主義市場経済」への転換は、社会主義革命国家としての中国の体制を、自ら掘り崩すことになるともいえなくはない。
(中嶋嶺雄 国際教養大学学長 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

日本大百科全書(ニッポニカ)

社会主義市場経済
しゃかいしゅぎしじょうけいざい

中国共産党の第14回党大会(1992年10月)の政治報告で、1990年代の改革と建設の主要任務の一つとして提起された体制。社会主義のマクロ調整のもとで市場経済に資源分配の基礎的な役割を果たさせるというもので、共産党が正式に市場経済を認知したのはこれが初めてである。「市場経済が即資本主義であるとはいえず、社会主義にも市場はある」という最高実力者鄧(とう)小平の考えがその基礎となっており、これが党の方針として確定されたことは、保守派に対する改革派の勝利が決定的になったことを示している。1993年3月の第8期全国人民代表大会第1回会議で改正された憲法でも、その第15条に「社会主義市場経済を実行する」という文言が明記され、従来の計画経済体制は放棄されることとなった。しかし市場経済が浸透し、高度経済成長が続くなかで、国有企業の不振、貧富の格差の拡大、幹部の腐敗といったひずみが顕在化し、「政治は一党独裁、経済は市場経済」という体制に限界が見え始めている。

[渡邊幸秀]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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旺文社世界史事典 三訂版

社会主義市場経済
しゃかいしゅぎしじょうけいざい
socialist market economy
1992年以降中華人民共和国が国家の改革目標に定めた概念
社会主義と共産党の指導を維持しながら市場原理とする経済改革の推進をはかろうとするもの。1992年春,鄧小平が華南視察後に行ったいわゆる「南巡講和」によってさらなる開放と経済改革を訴えたのを受け,同年秋の第14回共産党全国大会で実現目標とされたもの。しかし,経済成長が進んだ反面企業倒産インフレ貧富格差といった矛盾も広がっていった。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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