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社会契約論【しゃかいけいやくろん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

社会契約論
しゃかいけいやくろん
Du contrat social, ou principes du droit politique
フランスの哲学者 J.-J.ルソー作。 1758年書き始められ,61年完成し翌年出版されたルソーの政治論の主著である。著者封建制度の隷属的人間関係を強く批判し,人間の基本的自由を指摘することから始めて,自由な人間が全員一致の約束によって形成する理想的な国家形態を主張した。この書は政治論であるが,このような政体によって初めて道徳は成り立ちうるとの倫理観と不可分であって,主権者である人民の国家への奉仕が強く求められており,そこから全体主義的解釈も生れた。『社会契約論』はフランス革命に多大の影響を与えたが,日本では 1882年中江兆民によって『民約訳解』として訳され (第2編第6章まで) ,自由権運動に大きな影響を及ぼした。

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デジタル大辞泉

しゃかいけいやく‐ろん〔シヤクワイケイヤク‐〕【社会契約論】
ジャン=ジャック=ルソー著書。1762年刊。社会契約説人民主権を主張し、アメリカ独立革命フランス革命に影響を与え、民主主義の思想的基盤となった。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しゃかいけいやくろん【社会契約論 Du contrat social】
1762年,オランダで出版されたJ.J.ルソーの著作。ルソーは社会契約によって正当な政治体(国家)が成立すると考えたが,この契約は18世紀において国家成立の基本原理と一般に考えられていた人民と首長とのあいだの統治契約(首長が人民を保護する代りに人民は首長に服従するという契約)ではなかった。ルソーは,各個人が自分のもつすべて,すなわち財産や,必要とあれば生命をさえ全体に譲渡し,そのことによって強い力を蓄えた全体が各構成員を保護するという契約を構想した。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

社会契約論
しゃかいけいやくろん
Du contrat social フランス語

J・J・ルソーの主著。1762年刊。1755年に発表した『人間不平等起源論』『政治経済論』を発展させたもの。『不平等起源論』においては、私有財産制が人間の間に不平等をもたらし、現存の法・政治制度はすべて私有財産制を保護するようにつくられているから変革すべしとして、当時の絶対王制が批判されている。また『政治経済論』では、人間が生存するためには政治体(国家)が必要であり、この政治体の統一を保ち正しい政治を行うためには「一般意志」という基準が必要だとし、一般意志とは、「つねに全体(国家)および各部分(個人)の保存と幸福を目ざし、法律の源泉となるもの」と述べている。したがって、『社会契約論』は、いかにして一般意志が貫徹する政治体を形成し、人間が自然状態においてもっていたと同じ自由と平等を確保するかという課題を追究したものといえよう。このためルソーは、人々は生存するために集合し、その際、各構成員は以前にもっていた権利を共同体の全体に対して全面的に譲渡して身体と財産を守るような「社会契約」を結べ、と述べている。そして、既存のすべての特権を放棄して対等の立場で人々が設立した「共同の力」すなわち新しい政治体を一般意志という最高意志(主権)の指導の下に置け、というのである。ルソーは、主権は不譲渡、不分割また代行されえないと述べているが、これは、主権すなわち一般意志が、各人が契約を結んで力を結集した政治体の最高意志であるから当然の帰結であろう。主権は外国勢力や特殊利益を追求する一党派に譲渡したり、国王や身分制議会に分割したりはできないし、また全人民の意志を代表していない議会(イギリス)によって代行されえないのである。このように、各市民は政治体と一般意志を形成する主体であるから、ルソーの社会契約論は、人民主権論と法の支配という民主主義の二大原理を主張したものといえ、このため彼の思想はフランス革命や各国における民主主義の聖典となった。

[田中 浩]

『桑原武夫・前川貞次郎訳『社会契約論』(岩波文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しゃかいけいやくろん シャクヮイ‥【社会契約論】
[1] (原題Du contrat social, ou du principe du droit politique) ルソーの主著の一つ。一七六二年刊。自由人の合意による国家の構成(社会契約説)と、「一般意志」による国家の運営(人民主権論)を骨子とし、理想国家を構想。フランス革命の思想的根拠となった。明治一五年(一八八二)中江兆民が「民約訳解」の題で翻訳刊行した。民約論。
[2] 〘名〙 =しゃかいけいやくせつ(社会契約説)〔音引正解近代新用語辞典(1928)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

社会契約論
しゃかいけいやくろん
Du contrat social
副題 ou principes du droit politique(「または政治的権利の原理について」の意)
フランスの啓蒙思想家ルソーの政治制度に関する著書。『民約論』とも訳される
1762年刊。社会(国家)は自由平等な人間同士の契約によって成立し,法律は人民の一般意思の表現であると説く。人民主権と反王政の姿勢に貫かれ,フランス革命に大きな影響を与えた。冒頭一節は,人権宣言に引用されている。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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