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社会的費用【しゃかいてきひよう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

社会的費用
しゃかいてきひよう
social (overhead) cost
私的経済活動の結果,第三者や社会が直接間接に受ける費用ないし損害。工場から排出される煤煙のように,生産者には費用として計算されないが,社会全体としては費用として生じているものをさす。大気汚染水質汚濁騒音,振動などの公害や企業の過度集中による都市の過密化に伴う通勤難,住宅難,精神障害などの社会的損失などもこれに含まれる。社会的費用と私的費用が乖離する状態を経済学では「外部性」の問題といい,公害の例のように悪影響が出る場合「外部不経済」という。外部不経済は市場にまかせていたのでは解決されず,社会的費用に見合うよう税金を賦課し私的費用を引上げるなどの方策が必要となる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しゃかいてき‐ひよう〔シヤクワイテキ‐〕【社会的費用】
企業などによる私的経済活動の結果、第三者または社会全体が負担させられ、それを引き起こした経済主体には計上されない損失。公害・環境破壊など。ソーシャルコスト社会原価

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

しゃかいてきひよう【社会的費用】
企業は生産活動を行うことによって,新たな社会的価値を生み出していると同時に,社会に存在する労働力や原材料などのさまざまな資源を使用している。これらの投入物は,もしも他の用途に使われていたならば,別の価値を生み出していたはずであり,その意味で企業が社会的に発生させる費用である。さらに,同じ企業が騒音,悪臭汚水などの公害を発生させているならば,それによって,きれいな空気や水,静かな環境が犠牲にされているのであって,これも企業が社会的に発生させた費用である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しゃかいてきひよう【社会的費用】
個人や企業による経済活動の結果、第三者あるいは社会が被らなければならない損失。公害や交通渋滞など。ソーシャルコスト。社会原価。 → 外部不経済

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

社会的費用
しゃかいてきひよう
social cost
一つの経済活動の過程において、活動主体によって考慮され負担されることがなく、第三者または社会全体によって負担されることになる費用または損失のことである。この活動主体を企業に限定する場合もあり、また社会的費用をこのような費用・損失に問題の活動主体が負担するものを加えて定義する場合もある。しかし、これらの定義をとる場合でも、社会的費用が問題とされるのは、最初にあげたような費用または損失が存在するからであり、したがって社会的費用論の中心はこの点にかかわると考えてよい。
 たとえば、道路の建設に際しては、用地買収費、セメント代、人件費といった私的費用は道路の建設主体によって当然に負担される。しかしそのことによって、貴重な動物が滅び、植物が枯渇したとしても、その破壊に対する費用は問題の主体によっては負担されず、第三者が自然破壊という形で損失を負わされることになるかもしれない。同様のことは、海岸の埋立てによる環境破壊、工場排水による河川や海水の汚染、自動車の利用による交通事故死、あるいは騒音・振動・排気ガスに基づく沿線住民の被害等々、日常生活のなかに数多く観察することができる。
 このような社会的費用の存在は、実は例外的なことではなく、むしろ、経済に普遍的なものであるとして、経済学をこのような視点から再構築しようとしたのがアメリカの経済学者K・W・カップ(1910―76)である。
 もし社会的費用が存在するならば、それは経済活動の当事者によって負担されないのであるから、そのような資源は過小評価され、過剰に使用されていることになる。資源の効率的配分という点からは、資源は社会的費用を含む価格で評価される必要があるのであって、そのためには、このような費用を当該主体が負担するよう内部化しなければならない。その一つが、環境破壊についてしばしば提案される汚染者負担の原則polluter pay principle(略称PPP)である。これは、公害発生源者に、それに伴う費用を負担させるという考え方である。
 しかし社会的費用については、その大きさの算定、発生源者の特定、負担の仕方など、多くの困難が存在している。[大塚勇一郎]
『K・W・カップ著、篠原泰三訳『私的企業と社会的費用』(1959・岩波書店) ▽K・W・カップ著、柴田徳衛・鈴木正俊訳『環境破壊と社会的費用』(1975・岩波書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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