@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

神曲【しんきょく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

神曲
しんきょく
Divina Commedia
イタリアの詩人ダンテ叙事詩。 1307~21年作。「地獄編」 Inferno,「煉獄編」 Purgatorio,「天国編」 Paradisoの3部から構成され,各編が 33歌に分れ,地獄編の序詩を加えて 100歌,1万 4233行から成る。 1300年ダンテが人生のなかば,35歳のとき,暗い森に迷い込み,聖金曜日から7日にわたって地獄,煉獄,天国の3界を,ウェルギリウスベアトリーチェを導き手として遍歴する体裁をとっている。いわゆるイタリア俗語を用い,天文学や数学にいたるまでの該博な知識を駆使し,中世キリスト教の世界観を集大成した作品。ひとり文学のみならず,後世のヨーロッパ文化全般にわたって多大の影響を与えた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

しんきょく【神曲】
原題、〈イタリア〉La Divina Commediaダンテの長編叙事詩。1307~21年刊。地獄編・煉獄(れんごく)編・天国編の3部からなる。ダンテ自身が主人公となってこの三界を巡り、神の愛に包まれて至高至福境地に至るまでを描く。作者の人生観・宗教観の集大成といわれる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

しんきょく【神曲 La Divina Commedia】
中世末期からルネサンスにかけてのイタリアの大詩人ダンテの代表作。全1万4233行からなる叙事詩。1302年に故郷フィレンツェを追放されてから,流浪の生活のなかで07年ころから書き始めて最晩年に完成した。原題は《喜劇Commedia》(〈悲劇〉に対して円満な結末を迎えるため)であり,〈神聖なdivina〉という形容詞後年に付加されたものである。なお,邦訳名《神曲》は森鷗外が《即興詩人》のなかに用いて以来,今日のごとく定着した。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

しんきょく【神曲】
ダンテの長編叙事詩。1307~21年頃にかけての作。地獄編・煉獄編・天国編の三部。詩人ウェルギリウスや恋人ベアトリーチェに導かれ、作者自身がこの三界を遍歴する幻想譚を軸に、信仰による魂の救済と至福への道程を壮大な構想で描く。痛烈な社会批判をこめた中世キリスト教的世界観の総括的表現とも、 SF 的幻想冒険譚とも読める。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

神曲
しんきょく
La Divina Commedia
イタリアの大詩人ダンテの代表作。全1万4233行からなる壮大な長編叙事詩で、均整のとれた構成はしばしば大聖堂に例えられる。「地獄」「煉獄(れんごく)」「天国」の3編からなり、各編は33歌から、また各連は3行からなる。「地獄」の冒頭には序歌にあたる1歌が置かれ、結局『神曲』は1+33+33+33=100、すなわち100歌によって構成される。ダンテは三位一体(さんみいったい)説を奉じて、その文学的表現をこの長編叙事詩に達成しようと企図したため、1、3、9(=32)、10(=32+1)、100(=102)といった数字(10は完全数)が作品の隅々にまで行き渡っている。原題は初め単なる『喜劇』Commediaであったが、後年になって「神聖な」Divinaという形容詞が加えられた。邦訳名の『神曲』は、森鴎外(おうがい)が『即興詩人』(1902)のなかに用い、またその魅力的な一章「神曲、吾友なる貴公子」によって、広くわが国に定着した。なお、「喜劇」とは、悲しい最後に終わる「悲劇」に対して、円満な結末を迎える物語を意味する。
 ところで、作品の主題は生身の人ダンテが彼岸(ひがん)の旅を成就(じょうじゅ)することにある。大赦の年1300年の復活祭に、おりしも人生のなかば(35歳)に差しかかった詩人は、暗い森の中に迷い込んで、聖木曜日の深夜から聖金曜日の未明にかけて地獄へ入り込み、生前に罪を犯した亡者たちの間をラテンの大詩人ウェルギリウスに導かれて地球の中心まで下り、大魔王ルチーフェロの腰を伝って1回転し、南半球側へ出て、煉獄の山まで達するが、そこの地上楽園からはベアトリーチェ(恵みを与える女)によって天国の至高天まで導かれ、さらに聖ベルナルドが3人目の導者となり、天上の純白の薔薇(ばら)の形のうちに三位一体の神秘をかいまみせる。この彼岸の世界への旅は1300年4月8日からほぼ1週間にわたって続くが、読者は主人公のダンテとともに3人の導者たちに連れられて三界を遍歴しながら、しだいに魂の浄化を遂げてゆき、その意味ではカトリシズムによる一大教化の書といってよい。しかしながら、作品の随所に、教皇を含めて聖職者たちへの熾烈(しれつ)な糾弾が語られ、単なるキリスト教の喧伝(けんでん)の書ではなく、政治的には教皇庁と鋭く対立する亡命者ダンテの政策が掲げられ、詩人の悲願であるローマ帝国の再建とイタリア半島の政治的統一、アラブ世界を経由した科学思想、また前衛的な詩法、神学、社会批判等々、中世ラテン文化の総決算の書となっている。
 邦訳には、山川丙三郎、中山昌樹(まさき)、竹友藻風(たけともそうふう)、野上素一(のがみそいち)、平川祐弘(すけひろ)、寿岳文章(じゅがくぶんしょう)らの労作があり、正宗白鳥(まさむねはくちょう)、矢内原忠雄(やないはらただお)、花田清輝(きよてる)らの魅力的な言及もあるが、しかし概括すれば、上田敏(びん)、阿部次郎、内村鑑三(かんぞう)らを出発点に、審美的解釈とキリスト者的接近の仕方が主流を占めたまま、イタリア語原典から本来の寓意(ぐうい)としての「愛」をとらえきれないままに、明治、大正、昭和の3代を経つつあるといってよいであろう。[河島英昭]
『山川丙三郎訳『神曲』全3冊(岩波文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

しんきょく【神曲】
(原題La Divina Commedia 「神の戯曲」の意) 叙事詩。ダンテ作。一三〇七~二一年頃成立。「地獄編」「煉獄編」「天国編」の三編から成る。ダンテ自身が登場人物となり、地獄の深淵から始まる三界を巡歴し、ついには恋人ベアトリーチェの導きによって天国にはいることを許され、神の愛の深さをまのあたりに見るにいたるまでの魂の浄化を描く。作者の人生観・宗教観・宇宙観の集大成的作品。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社世界史事典 三訂版

神曲
しんきょく
Divina Commedia
14世紀初めイタリアの詩人ダンテの宗教的叙事詩
1304〜21年作。作者自身が詩人ヴェルギリウスと愛人ベアトリーチェの導きで,地獄・浄罪界・天国界の三界を遍歴する内容で,トマスアクィナスの神学体系にもとづき,ルネサンスの到来を予告した名作。イタリアのトスカナ語で書かれ,近代国民文学生成への第一歩となった。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

神曲」の用語解説はコトバンクが提供しています。

神曲の関連情報

関連キーワード

エドワード赤橋久時北条時範エドワード[1世]エドワードエドワード1世成宗[元]モンテ・コルビーノ騎士修道会プランタジネット朝

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation