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私法【しほう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

私法
しほう
private law
私人としての私的,社会的生活関係を規律する法律の総体をいう。公法の対立概念憲法行政法などの公法では命令服従を指導原理とするのに対して,民法商法などの私法では自由で平等な諸個人の私的自治を指導原理とする。この公法と私法との区別は,資本主義初期の自由放任主義的経済もとでは大いに意味があったが,資本主義が高度の発展段階にいたって公権力が経済に介入せざるをえない状態になると,公法と私法の中間領域ともいうべき社会法 (労働法,経済法など) が成立することになり,公法と私法の区別は次第にその意義を失いつつあるともいえよう。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

し‐ほう〔‐ハフ〕【私法】
個人の権利義務など市民相互の生活上の法律関係を規律する法の総称民法商法など。⇔公法

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しほう【私法 Privatrecht[ドイツ]】
公法に対する概念。公法との対比をどのように説明するかについては,いろいろな考え方がある(公法と私法の区別は,伝統的に公法について論ずる際に説明されることが多いので,詳しくは〈公法〉のに譲る)。ごく一般的には,これは法律体系の区別として用いられるものであって,国・地方公共団体等の行政権の主体と,その権力に服する個人間の法律関係,または行政権の主体の組織,その相互の関係を定めるのが公法であるのに対し,私法はそれ以外の,主として個人間の,したがって一方の権力に服するという関係にはない者同士の法律関係を定める法全体をいう,と説明される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しほう【私法】
私人間の権利義務関係など私的生活上の法律関係を規律する法規範。民法・商法など。所有権の絶対性、契約の自由、過失責任主義などの原則が支配する。民事法。 ⇔ 公法

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

私法
しほう
民事法ともいう。公法の対立概念。一般には、対等な私人間の法律関係を規制する法をさし、民法、商法などがこれにあたるとされるが、公法と私法の区別については古くから論争があって、私法の概念や範囲などについて明確な通説は存在しない。たとえば法実証主義者のうちには、法はすべて公権力の命令という意味で公法であり、私法などというものは存在しないという学者もあり、いわゆる私法もまた裁判所という公権力の発動の条件を定める公法であるという。また親子関係という不平等な関係を中心とする家族法は公法だという思想は、古代ローマ以来強く、旧家族制度下の日本でも有力な主張であった。
 20世紀の資本主義においては、古典的な対等な取引関係は擬制的なものとなり、使用者と労働者、企業と消費者、地主と借地人などの関係は強者と弱者の関係となってきたため、弱者の保護のために権力が介入する新立法が続々現れ、いわゆる「私法の公法化」の現象が広くみられる。たとえば、雇用関係が労働基準局の、大企業間の協定が公正取引委員会の監視下に置かれ、農地における地主と小作人との関係も農地委員会の監督下に置かれている。なお、民事訴訟法は理論上は公法に属するが、民事訴訟法学会が私法学会に属するなど、便宜上私法の一部として扱われることも多い。[長尾龍一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

し‐ほう ‥ハフ【私法】
〘名〙
為政者の手によらず、民衆が私的につくった法。
② 私人相互の権利関係を規定した法の総称。民法、商法など。⇔公法
※樽船海難私法記(1775)「此私法、千駄船に弐百石迄と附可申候」

出典:精選版 日本国語大辞典
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