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秘密結社【ひみつけっしゃ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

秘密結社
ひみつけっしゃ
secret society
自閉的で,内部になんらかの秘儀性をそなえ,特定目的遂行のため,その成員や組織の実態を世の中の表面に現すことを秘匿している団体。政治的秘密結社と入社的秘密結社とに分けることができる。前者はその活動,少くともその成員の氏名を隠蔽することに努める団体で,その活動は公的機関の埒外にあり,現在の権力への反抗を目的とすることが多い。たとえばイタリアのカルボナリ結社アイルランド統一アイルランド党,アメリカのクー・クラックス・クラン KKK,シチリアのマフィアなどがある。後者は特有な儀式だけを秘密にするがその存在は隠そうとしない。会員は相互に自分たちを他の人々から区別するための記号符丁をもち,加入に対しては入社式,複雑な儀式で一種の祭式を行う。中世ヨーロッパのバラ十字団,18世紀のフリーメーソンなどがその例である。

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デジタル大辞泉

ひみつ‐けっしゃ【秘密結社】
外部に対して、活動の内容・構成人員・目的、さらにはその存在自体を秘している組織や団体。宗教的、政治的なもののほかに、犯罪を目的とするものもある。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

ひみつけっしゃ【秘密結社 secret society】
一般に,加入者以外の者に対して,その存在,組織,目的などを秘密にする結社,団体をいう。ただし,これは狭義の秘密結社であり,後述のように秘匿されるべき事項は必ずしも一定しない。秘密結社は大別すれば,政治的秘密結社と入社式団体の二つに分かれる。このうち政治的秘密結社は,外敵や中央権力との対抗関係から発生するので,外因が消滅すれば,それ自身も消失する。すなわち,概して政治的秘密結社の存続は,一定の期間に限られる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ひみつけっしゃ【秘密結社】
外部に対し、構成人員・目的・活動など、さらにはその存在自体を秘匿している団体。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

秘密結社
ひみつけっしゃ
秘密の入社式を有する会員制の組織や団体。いわゆる未開社会の秘密結社から、アメリカの大学におけるギリシア文字クラブ、フリーメーソンやマフィアなどの結社に至るまで広く用いられている。
 史実として残るもっとも古い秘密結社のなかには、オリエントの密儀教のいくつか、古代エジプト、ギリシア、ローマなどの秘密結社がある。また、キリスト教時代以前のローマにおけるキリスト教徒や中世のさまざまな異端的キリスト教グループなどのように、弾圧や迫害から逃れるために秘密性を採用したものもある。中世のギルドは主として経済的自己防衛のために加入宣誓その他の秘密を保持していた。石工(いしく)のギルドからしだいに発展したフリーメーソンは、そのメンバーがギルドの思想に合致するための人間の変革を、秘儀を通して達成しようとした。また、歴史を通して、革命、体制打倒、陰謀などを目ざす諸集団は、フィニアン系アイルランド共和国同盟のように、秘密に組織されている。こうした諸種の秘密結社は、その目的によって、加入の際の秘儀を重んじる入社的秘密結社、政治的目的を有して地下活動を行うような政治的秘密結社、および犯罪を目的とする反社会的秘密結社に三分することができる。[綾部恒雄]

入社的秘密結社

結社への加入に際してイニシエーション(入社式)を施し、会員が組織内部の位階に応じた秘儀を通過し、人間存在を変革していくこと自体に結社の存在理由をみいだしている。したがって、この種の結社のなかには、そうした儀礼のみを秘密にし、結社の存在、集会場所、教義、会員氏名などは隠そうとしないものもある。世界的に有名なものとしてはフリーメーソンの名をあげることができる。また、オッド・フェローズ、エルクス、ムース、マルタの騎士などとよばれている結社もフリーメーソン類似の結社である。
 日本の伝統的秘儀集団には、修験道(しゅげんどう)といわれる山伏の集団、真言一宗から邪宗として排斥された真言立川流、東北地方の「隠し念仏」、九州西部海岸や離島の「隠れキリシタン」などがあり、南西諸島でアカマタ・クロマタとよばれる秘儀団体も、こうした入社的秘密結社のうちに数えられよう。
 なお、伝統的社会に多くみられる秘密結社には入社的なものが多いが、これらはさらに、
(1)結社がその部族の社会組織の重要な一環を占めており、その部族の男は一定の年齢になるとすべて「死と再生」のモチーフを伴うイニシエーションを受け秘密結社員になるもの、
(2)妖術者(ようじゅつしゃ)や呪医(じゅい)、舞踊者たちが職能的、専門家的ないしは階級的な閉鎖集団をつくる場合とがある。
 リベリアのクペル人におけるポロ結社、ナイジェリアのヨルバ人のオグボニ結社、ニューブリテン島のドゥク・ドゥク結社などは前者の例であり、妖術者の秘密の集まりであるナイジェリアはティブ人のムバツァブ結社、ベニン人の王宮結社、シエラレオネの豹(ひょう)結社などは後者の例にあたる。リベリアのメンデ人などのように、女性の秘密結社がみられる場合もあるが、一般に女性や子供は秘密結社から排除されることが多い。[綾部恒雄]

政治的秘密結社

一般に時の政治権力に対するレジスタンスを目的としている場合が多いので、政治権力からの迫害や弾圧を避けるためにその存在を隠し、結社の活動や結社員名を極力表に出さないように努めている。16世紀ヨーロッパの「聖フェーメ団」、19世紀イタリアの「カルボナリ党」やアイルランドの「フィニアン」、帝政ロシアにおける「救済同盟」や「デカブリスト」、第二次世界大戦後のものとしては、イギリスの植民地からの独立運動としてのケニアのキクユ人による「マウマウ団」、黒人解放を目的としたアメリカの「ブラック・パンサー」なども政治的秘密結社である。[綾部恒雄]

犯罪的秘密結社

代表例としては、マレーシアの華人系の秘密結社である「三合(さんごう)会」、アメリカの「クー・クラックス・クラン」や「マフィア」などをあげることができるが、いずれの場合も組織結成の当時は共済的結社であったり政治的結社であった。犯罪的な秘密結社は、結成当時の目的が失われて、しだいに反社会的結社となったものが多い。
 秘密は人間個人としては自我の発達と深くかかわり、文明史的には社会集団の結成原理とも分かちがたく結び付いている。秘密結社はこのような人間社会の本質に根ざした機能集団の一つのあり方だということができる。[綾部恒雄]

中国

中国の秘密結社には、清(しん)代に「教匪(きょうひ)」「会匪(かいひ)」といわれた、下層農民・無頼民衆の集団結社である(1)「白蓮教(びゃくれんきょう)」を代表とする宗教的秘密結社と、(2)「紅(ホンパン)」「青(チンパン)」を代表とする「(パンホイ)」(「会党(かいとう)」)とがある。(1)は農村の下層農民・民衆の結社の型を主とし、(2)は流通経済の下での下層農民・民衆の結社の型を主としている。(1)は華北・華中地域に、(2)は華中・華南地域に多く形成された。(1)のなかには義和拳(ぎわけん)(18世紀以後)、大刀会、紅槍(こうそう)会のように(2)に変わったり、(2)と表裏をなすものも生まれた。一般に秘密結社というと(2)すなわち会がおもに問題となる。会が中国史上重要な役割を果たすようになったのは、近代化中国とくに清末の時代で、清門(チンメン)・清・青と、洪門(ホンメン)・洪(ホンパン)、紅が併称されるようになったのも、1900年前後である。
 紅には、天地会(別称、三合(さんごう)会・三点(さんてん)会)系と哥老(かろう)会系とがある。天地会は、広東(カントン)・福建両省の境界地域の商人、下層農民・無頼民衆の集団を基礎として18世紀中期に発祥した。これは、流通経済を支える運輸労働者の組織を主力として、当時全国の客商の集まった四川(しせん)に至る商業交通ルートに沿う各地域および両広・台湾に、19世紀以来は東南アジア・ハワイなどへと広がった。哥老会は、18世紀前半期に生まれた四川の(クオル)(哥老(コラオ)の四川方言)とよばれた下層農民・無頼民衆の集団を基礎に発祥した。19世紀初めに四川で三合会、白蓮教と交流して集団の組織や規約を整え、反社会的な流通経済の利を得て勢力を強め、湖北・湖南に進出した。太平天国と戦った湘軍(しょうぐん)には分子が加わり、哥老会の称呼もそのころ現れた。太平天国滅亡後、解散された郷勇(きょうゆう)は、各地の哥老会集団に加わり、1870年代には揚子江(ようすこう)中流域からデルタ地域にまで哥老会の勢力は伸びた。1891年の排外的反キリスト教運動の主力となり、亡命した康有為(こうゆうい)の党を援助したり、天地会とともに洪門、紅として革命党に協力して辛亥(しんがい)革命(1911)に貢献した。民国時代には紅に比して青の勢力が強くなった。青は明(みん)末の宗教結社「無為教(むいきょう)」(「羅教(らきょう)」)に発祥するが、その集団の主力は大運河の運糧(うんりょう)船の水手(すいしゅ)であった。清朝の弾圧によって18世紀以後、宗教性を薄めて会へと変貌(へんぼう)した。清末に大運河の漕運(そううん)が途絶したのを機に、水から陸に上り、揚子江デルタ地域を中心に、闇(やみ)経済を支配する会となった。このは無為教の開祖の名にちなんで清門・清とよばれ、清末には紅と対称して青とよばれるようになった。青は、清末から民国期にかけてアヘン・塩などの闇物資関係の営業などで巨利を得た。その中心人物は杜月笙(とげつしょう)(1887―1951)である。彼の勢力の台頭によって青の組織は、過去の字輩(じはい)組織から杜を指導者とする集団へと変わった。青は1927年以後、中国共産党と対立して資本主義化中国を目ざす中国国民党政権を支える民衆組織へと変貌した。[酒井忠夫]
『S・ユンタ著、小関藤一郎訳『秘密結社』(白水社・文庫クセジュ)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ひみつ‐けっしゃ【秘密結社】
〘名〙 加入者以外の者、殊に政府などに対して、存在、組織または目的などを秘密にする団体、結社。宗教的、政治的、犯罪的な目的のものなどがある。秘密団体。
※欧米印象記(1910)〈中村春雨〉紐育雑記「富家(ふか)の子供を浚(さら)って〈略〉強迫をやる秘密結社(ヒミツケッシャ)

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