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稲荷【イナリ】

デジタル大辞泉

いなり【稲荷】
《「いななり(稲生)」の音変化という》
五穀をつかさどる食物の神、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)のこと。また、倉稲魂神を祭った、稲荷神社
《倉稲魂神の異称である御食津神(みけつかみ)と、三狐神(みけつかみ)とを結びつけて、稲荷神の使いと信じたところから》狐(きつね)異称。→御食津神
《狐の好物とされたところから》油揚げ。
稲荷鮨(いなりずし)」の

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日本大百科全書(ニッポニカ)

稲荷
いなり

京都市伏見(ふしみ)区の東山(ひがしやま)山地南端の地区。渡来人秦(はた)氏が711年(和銅4)に創始したという伏見稲荷大社の鳥居前町である。五穀豊穣(ほうじょう)から商売繁盛の神としての信仰が広がり、正月と2月の初午(はつうま)には数十万の参詣(さんけい)客でにぎわう。素朴な伏見人形は全国の土人形の源流とされる。JR奈良線、京阪電鉄京阪本線が通じる。

[織田武雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

いなり【稲荷】
[1] 〘名〙 (「稲生(いななり)」の転という)
① 五穀を司る神として信仰された宇賀御魂命(うかのみたまのみこと)のこと。おきながみ。
※秦山集(1728)「稲荷、稲成之訓、五穀の神也」
② 狐の異名。宇賀御魂命の別称の御饌津神(みけつかみ)を三狐神と書き誤ったこと、稲荷の本地、荼枳尼天(だきにてん)が狐霊の夜叉(やしゃ)であるとされたこと、また狐に対する民間信仰などが結びつき、狐が稲荷明神の使いと信じられるようになったことによる。
※雑俳・軽口頓作(1709)「こらへてゐる瓜をくらへどいなり様」
③ 油揚げの異名。油揚げは狐の好物として稲荷の供物に供える風習がおこったところからいう。〔日本隠語集(1892)〕
※評判記・役者口三味線(1699)京「ゐなりの二つづめでは、おなかがさびしうなって」
⑤ 「いなりまち(稲荷町)(一)②」の略。
※雑俳・柳多留‐三二(1805)「もふせんで死のを稲荷ねがふなり」
⑥ (稲荷社に立て並べた旗に似るところから) 旅芸人が町回りをするときに立てる細長い旗。
⑦ 油揚げを入れたうどん。きつねうどん。うどん屋の隠語。
※商業符牒袖宝(1884)うどんや「あぶらげ入をいなり、きつね」
[2]
[一] 稲荷神社のこと。京都市伏見区深草にある伏見稲荷大社を総本社として全国に末社四万を数えるという。古くは単に稲荷といえば総本社をさすことが多かった。
※枕(10C終)一五八「いなりに思ひおこしてまうでたるに」
[二] 謡曲。四番目物。廃曲。作者不詳。別名「和泉式部」。稲荷山に詣でた和泉式部を見て恋に陥った男の霊が娘の小式部に憑く。
[補注]((一)について) ①は、もと山城(京都)の帰化豪族、秦氏がまつる神であったが、平安遷都以後真言密教と習合し、荼枳尼天(だきにてん)をもって稲荷の神体とするに至り、これを伏見の稲荷山にまつって、稲荷権現と称した。のちに巫女(みこ)、術者などによる予言、占い、祈祷などが盛んに行なわれ、江戸時代には種々の稲荷信仰が流行した。

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とう‐か タウ‥【稲荷】
〘名〙 (「稲荷(いなり)」の音読み)
① 稲荷の神。
※新聞雑誌‐三四号・明治五年(1872)三月「歌に、あさやまはやま羽黒の権現をかまのかみさま当家は稲荷(トフカ)の大明神」
② 狐の異名。
※物類称呼(1775)二「世俗きつねを稲荷(いなり)の神使なりといふ、故に稲荷の二字を音にとなへて稲荷(トウカ)と称するなるべし」

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