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穀草式農業【こくそうしきのうぎょう】

日本大百科全書(ニッポニカ)

穀草式農業
こくそうしきのうぎょう
農業における土地利用方式の一種。もっとも原始的な農法に代田式農業があるが、これは原始穀草式農業ともよばれ、畑地として数年間利用したのち、自然植物、雑草の繁茂するままに放置する略奪農法であり、切替え畑や焼畑がこれに属する。野草が繁茂する所では、放牧地と穀作とが結び付き、穀草式農業に近づく。これは野草穀草式農業とよばれるが、畑地と草地との規則的な交替が行われていない点で本来の穀草式農業とは区別される。穀草式農業では畑地と草地が規則的に交替し、圃区(ほく)制が確立する。そこでは多年生牧草と一年生作物(多くは穀物)とが数年ごとに交替して作付けされる。この穀草式農業は、穀物作によって土壌の有機質が消耗したあとに牧草を作付けすることによって、土壌に根有機質を供給し肥料を充足するのである。また牧草は、土壌侵食、雑草繁茂を防ぐ土壌保全的機能ももっている。
 歴史的にみると、中世のヨーロッパにおいては、開放耕地制下の村落共同体の農法として、輪圃式農業または主穀式農業とよばれるものが支配的であった。その代表が三圃式農業である。そこでは永久放牧地と採草地を村落耕地以外に共同草地としてもち、畑地と草地とが永久に分離している点で穀草式農業とは異なっていた。穀草式農業は、この村落共同体制の弛緩(しかん)、人口増加に伴い、農民的分割地所有が形成され、耕地への飼料作の導入が行われたもので、三圃式農業から輪栽式農業への過渡的形態として位置づけられる。[四方康行]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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