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窒素固定【ちっそこてい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

窒素固定
ちっそこてい
nitrogen fixation
空気中の遊離窒素を用いて窒素化合物をつくること。自然界にみられるのは,マメ科植物の根粒アゾトバクターなどの微生物の作用により遊離窒素ガスを有機窒素化合物に転化させるもので,地球上の窒素循環の重要な過程である (→窒素同化作用 ) 。工業的には,空気中の窒素と他の元素の反応によって,アンモニア,尿素,石灰窒素などを製造することをいう (→ハーバー=ボッシュ法 ) 。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ちっそ‐こてい【窒素固定】
空気中の遊離窒素から窒素化合物をつくること。自然界では根粒菌藍藻(らんそう)類、土壌細菌アゾトバクタークロストリジウムなどが行い、アンモニアアミノ酸などに還元される。工業的にはアンモニア合成などが行われる。

出典:小学館
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

窒素固定
 空気中の窒素ガスを窒素化合物に変換すること.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ちっそこてい【窒素固定】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

窒素固定
ちっそこてい

大気中の分子状窒素がアンモニアに還元される過程をいう。地球上で固定される窒素は年間約3億トンに及ぶと推算されるが、その大部分は生物による窒素固定である。ほかに自然界では雷放電によっていくらかのアンモニアが生成し、雨に溶け込む。

 窒素固定微生物は大きく共生によるものと非共生によるものとに分けられる。共生的な窒素固定微生物ではマメ科植物に共生する根粒菌(リゾビウム属、ブラディリゾビウム属)がその代表的なものである。根粒をつくってすみついた根粒菌に植物は光合成で得た炭水化物を与えるが、細菌のほうは植物に窒素源としてのアンモニアを提供する。非マメ科植物(ハンノキ属、ヤマモモ属、モクマオウ属など)には放線菌(フランキア属)が根粒を形成して窒素固定を行う。ほかに、ラン藻は単独でも窒素固定を行うが、裸子植物(ソテツの根)、シダ植物(アカウキクサの葉)、地衣類とも共生して窒素を固定できる。非共生的な窒素固定微生物は絶対嫌気性細菌(クロストリディウム属など)、通性嫌気性細菌(バチルス属など)、好気性細菌(アゾトバクター属など)、光合成細菌、ラン藻など多岐にわたっている。窒素固定生物に加えて人為的な窒素固定、すなわち電力を用いた硫酸アンモニウムをはじめとする窒素肥料の工業的な生産量も、地球全体でのマメ科植物 - 根粒菌による窒素固定量に匹敵するといわれている。

 生物の窒素固定に中心的な役割を果たす酵素はニトロゲナーゼで、種々の窒素固定菌から精製されている。いずれの窒素固定菌のニトロゲナーゼも性質はよく似ており、モリブデンと鉄を含むタンパク質(Ⅰ)と鉄を含むタンパク質(Ⅱ)とからなり、電子供与体は還元型フェレドキシン(電子伝達を行う小分子のタンパク質)またはフラボドキシン(フラビンタンパク質)である。まずⅡが還元され、これにATP(アデノシン三リン酸)が結合してADP(アデノシン二リン酸)に分解されるとき、Ⅱの電子がⅠに移り、モリブデンを含むⅠの反応基に結合した分子状窒素が還元されてアンモニアになる。1分子の窒素の還元には12分子のATPと6個の電子が消費される。ニトロゲナーゼは分子状窒素だけではなく、ほかのさまざまな物質も還元する。とくにアセチレンのエチレンへの還元はニトロゲナーゼ活性の簡易な測定法として利用されている。

[南川隆雄]

『日本微生物生態学会編『微生物の生態14 進化をめぐって』(1986・学会出版センター)』『増田芳雄編著『絵とき植物生理学入門』(1988・オーム社)』『増田芳雄著『モヤシはどこまで育つのか――新植物学入門』(1990・中央公論社)』『土壌微生物研究会編『新編 土壌微生物実験法』(1992・養賢社)』『山崎昶著『SFを化学する』(1992・裳華房)』『安江多輔編著『レンゲ全書――来歴・性状・栽培・利用・文化』(1993・農山漁村文化協会)』『西田雄三著『無機生体学』(1994・裳華房)』『美濃部侑三編、吉川寛監修『植物――ふしぎな世界』(1996・共立出版)』『有坂文雄著『スタンダード 生化学』(1996・裳華房)』『高橋英一著『栄養学の窓から眺めた生物の世界』(1997・研成社)』『山田哲治ほか監修『分子レベルからみた植物の耐病性』(1997・秀潤社)』『横田明穂著『植物分子生理学入門』(1999・学会出版センター)』『山谷知行編『朝倉植物生理学講座2 代謝』(2000・朝倉書店)』『増田芳雄著『植物生理学講義――古典から現代』(2002・培風館)』『矢尾板仁・相澤益男著『ビギナーのための生物化学――生命のハードとソフト』(2003・三共出版)』『日本土壌微生物学会編『新・土の微生物10 研究の歩みと展望』(2003・博友社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ちっそ‐こてい【窒素固定】
〘名〙 空気中の窒素分子が生物に取り込まれ、生物が利用可能な窒素化合物に変えられる現象。生態系での窒素循環に重要な意味を持つ。窒素固定ができる生物は、土壌細菌のアゾトバクター、クロストリジウム、マメ科植物に共生する根粒菌など、細菌類や藍藻類に限られる。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

窒素固定
チッソコテイ
nitrogen fixation

空気中の窒素分子を原料とし,窒素化合物を生成すること.自然界では,細菌,らん藻あるいはマメ科植物と根粒バクテリアの共生作用によって窒素固定が行われ,自然界における窒素循環の重要な反応の一つである.この反応は,還元型フェレドキシンアデノシン5′-三リン酸(ATP)により,窒素分子を還元してアンモニアを生成すると考えられている.植物の窒素源として,アンモニア合成は土壌の肥沃さを保つのに役立っている.このほか,空気中で放電により窒素分子が酸化され,硝酸塩を生成する.また,工業的にはハーバー-ボッシュ法によるアンモニア合成がある.[別用語参照]窒素同化空中窒素の固定

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
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東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
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東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
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東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
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東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
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東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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